第一章エピローグ
「そうか…」
レイの出した答えにウインドウは静かに頷いた。驚きはない。きっとそういう答えを出すだろうと分かっていた。
「寂しくなるな…」
堪えきれず漏らす。しかし、レイはじっと見つめる。
「俺は大丈夫。もう変わらない」
「だからお父さん!もういいんだよ。今日は、みんなで自由に過ごそう」
「リーリア…お前…」
いつの間にか成長していた娘の姿を、驚きを伴って見ている。
「そうか…」
肩が軽くなったような気がした。すーっと…力が抜けて、そうしたら、何だかこみあげてくるのを感じた。
「それじゃあとっておきの酒でも出すかね。よーしそれじゃあバレリアの野郎に酒の肴持ってこさせ…」
「おいおい!何、勝手に始めようとしてんすか」
「クラウド…それに、お前ら…」
そこにいたのは、レイが出会ってきたこの世界の住人達。
「ちょ!詰めてよ!レイの隣に座るから」
「じゃあ私は膝の上」
「さて、久しぶりに暴れてみますか」
「兄ちゃん兄ちゃん!あれやってあれ!ピカーってする奴」
「だぁ!お前ら!もうちょっとしめやかに出来ねえのかぁああ!!!」
「あはは!あはははは!」
笑う。レイがここまで全力で笑うのは珍しいな、とそんなことを話しながら、夜は更けていった。
「うぇ…きもちわる…あーくそ…なあレイ?明日じゃダメか?」
「はは、だってそうしたら今日だって宴会やるじゃないか」
「それは…そうだけどな」
もしも毎日宴会すれば帰らないってんなら、それはそれで一興だななんて笑い飛ばす。
「しかし締まらないな…」
グレイスは呆れていた。寝ぼけ眼やら二日酔いやらで情けない顔を見せて。やれやれと呟かずにはいられなかった。
「大丈夫だよ。きっと帰ってくるから。私が、お兄ちゃんを引っ張って来るから」
その時は、今度こそ永遠の別れかもしれない。しかし、そのことは口に出さず、ウインドウは黙ってレイとリーリアの頭を撫でた。
「それじゃあね!行って来るから!」
風が吹く。彼らの行く末を後押しするように。




