表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
3.はじめてのお誕生会
64/72

3-7. スィートポテトの誘惑

連続投稿 本日 2話め〜。


やれば出来る子と言っていただきたい!(笑

屋根から下をのぞき込んでいたら、急に声をかけられました。

その時、びっくりして、ちょっと足を踏み外しそうになったのは、仔猫として恥ずかしいので内緒ですっ!


でもね、言い訳をさせてもらうのならば、お屋根の上で声をかけれれることってないよね?

街を歩いていたら、「あー、猫ちゃんだー!」って子供たちに言われることはあるけど、今いるのは、どこかの大きな商会さんのおうちの屋根の上。屋上に出る扉があるわけでもありません。


なのに、ここに居るのは、サラより少しだけ大きい女の子。

ほわほわな髪の毛は、若草の萌黄色。今は日を浴びて、金色に薄く緑を落としたように輝いています。

くりくりの大きな目は濃い緑。光を受けて金にも輝きます。


「猫ちゃん、大丈夫? びっくりしちゃった??」

萌黄色の女の子は、心配そうにそぉっと手を伸ばしてきます。


ビクっとなってしまうのは、小さい子って力の加減ができないので、仔猫としては、恐いんですよ。

でも、相手は綺麗な優しい目をした女の子。


うん、きっと大丈夫!


「なぅん」

決意して、サラも、そおっと差し出された手に寄り添ってみます。


「ありがとう、猫ちゃん。私はリンだよ、よろしくね!」

リンは嬉しそうにキラキラの笑顔でサラを撫でてくれました。



☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡 ☆彡


リンちゃんは、何故か、よれよれなズボンを履いて、灰色の上着を着てます。

女の子なのに、どうしちゃったんでしょう。男の子みたいな恰好ですよ? イーちゃんがこっそりお外に遊びに行くときみたいです。

思わず、服の匂いを嗅いだり、袖口を引っ張ったりしてしまいます。


「あー、この恰好が不思議なんだー。賃仕事でね、雪が降る前に屋根の確認作業をしているんだよ。

と言っても、やっているのは神殿の男の子たちなんだけど。人が足りないから手伝っているの。

結構、面白いんだよ?」


ほぇー、お仕事中だったのですね。サラとそんなに変わらないのに、もう働いているなんてすごいです。


身軽な少年たちが、煙突や、出窓から屋根へ上がって腐っている箇所や、壊れた部分はないかを確認するのがこの時期のお約束的賃仕事なんだそうです。

このお仕事でもらったお金で、樹木祭のお菓子や、新年の準備をするのですって。


ってことは、サラは、リンちゃんのお仕事の邪魔をしてしまったのでしょうか!?


ご、ごめんなさいっ!!


「あれ、もしかして、仕事の邪魔しちゃったかもって思っている? へーき、へーき!今日はね、下調べだけで、あっちの出窓から、屋根に上がれる事がわかればいいんだ。」

出窓から屋根の上がれないと、煙突を上って屋根の上がるのだそうです。


「煙突から上がるのって、結構大変なんだよね、煤で真っ黒になるし、息をするのも苦しいし。」

流石にみんな煙突からは嫌だという話になり、身軽なリンちゃんが出窓から屋根の上がってみることにしました。大丈夫そうなら、明日にでも何人かで調査をするそうです。


そこで、仔猫サラを見つけて、心配になって声をかけたんだ、と。


ご心配をおかけしました。


「サラちゃんは、神殿に行きたいんでしょ? これから私も神殿に戻るから一緒に連れて行ってあげるよ!」

ニコニコとリンちゃんが言います。

え、いや、サラはちゃんと自分で行こうと思っていたのですよ。でも今日はすごい人が多いから、止めて帰ろうかなって…。


「サラちゃん、いい時に来たよー。今日はおやつがある日なんだ!

 みんなで、スイートポテトを作るんだよぉ。神殿のスィートポテトって、林檎の蜜煮が真ん中に入っていてシャリっとした食感があるけど、甘くってしっとりしていて、すっごく美味しいんだよぉ〜」

え、おやつがあるんですか!?

いいなー。林檎蜜煮入りのスィートポテトって美味しいんですよね。


裏ごししたさつま芋に、お砂糖、生クリームなどを練りこみ、絞り出し袋に詰めて、用意しておいたクッキーの上に絞り出します、好みで中に林檎や、干しぶどうを入れてもいいですね。

卵液を刷毛で塗ってオーブンでちょっと焼いたら出来上がり!


ウォル兄ちゃまが作るのを隣で見ているだけで楽しいんですよ。お姉ちゃまと一緒にわくわくしながら待っているのが楽しいんです。


ほかほかの焼きたても美味しいのですが、荒熱をとってから、生クリームを添えて出すのもいいよね。


美味しい話を聞いて、うっとりしてしまいました。


「そっか、そっか、サラちゃんもおやつ食べたいよね! よっし、一緒に神殿に行こう〜!」

物凄くいい笑顔でサラを抱っこして上着のポケットに詰め込むとリンちゃんは軽やかに走り出しました。


ちょっ、ちょっと待ってっ! リンちゃんっ、ここは屋根の上よ!!

走らないでーっ、怖いーーーっ!!


上着のポケットに爪をたててしまったサラは、悪くないと思いますっ!!





イメージは、松蔵のスィートポテト。ねっとり、しっとりと甘いのがいいですよねー。すぐお腹がいっぱいになっちゃうけど(笑


カロリーが!とか言わないで。美味しいは正義だー!(笑


次回は、なんのお菓子を出そうかな〜♪

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ