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ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
20/72

19. 仔猫は、叱られてしまいました。

珍しい人が、サラちゃんを叱りました。

多分、いつもは、叱られる方だと思います。

その時、バタバタと学生ホールに駆け込んで来たのは、へんたいさんでした。


「仔猫ちゃんは、見つかったのか!?」

「あー、殿下、おかえりなさいー。」

別方向へサラの事を探しに行っていたノルベルト殿下が息を切らせて帰って来た。

心配していたらしく、サラの姿を見て、大きく息を吐いている。


「・・・っ! ノルベルト殿下!?」

「ああ、シェライラ・アクリーガル嬢か、うちの仔猫が迷惑をかけた。」

慌ててソファから立ち上がった縦ロールちゃんも、へんたいさんを知っているんですね。

そんなに有名人なんだ。

あれ、縦ロールちゃんが緊張しています。へんたいさんは、怖くないですよ?


ってそう思っていたら、へんたいさんが急に縦ロールちゃんの処へ来て、膝づきました。

抱っこされているサラと目線を合わせます。

へんたいさん、顔が怖いです・・・・・・。


「仔猫ちゃん、エドとマディにちゃんと『ごめんなさい』しなさい」

「う、うにゃぁん・・・」

う、だってぇ・・・、サラは悪くないんですもん、何もできないのは、ヤですもん!


「守っている者と、守られる者はお互いに信頼されるべきだよ、仔猫ちゃん。

 守ろうとする者を蔑ろにしては、いけない。」

「・・・なぁぁん」

へんたいさん、サラ、難しくてわかりません・・・。


でも、サラは、エドさんや、マディさんを、軽く見ているワケじゃないですよ。

大好きだし、守ってくれると信じているし、

・・・・・・ただ、ちょっとだけ、ダメって言われてたの忘れていたんです。


「仔猫ちゃん、それこそ、首輪を着けられて、閉じ込められる方がいいかい?」

「なぅんっ!」

それは、ヤですっ! そんなのやです~!!

へんたいさんの厳しい言葉に、泣きそうになります。


「私たちは、仔猫ちゃんを無事におうちに返したい。

 だから、ちゃんと言いつけが守れないのなら、お外には出せないよ?」

「にゃああああん~!」

「嫌なら、ちゃんと二人に『ごめんなさい』をして、叱られてきなさい。

 今回の事は、仔猫ちゃんが悪いよ!」

へんたいさんが、怖い顔をして怒っている。叱られるのも、嫌だし、怖いし。

エドさんも、マディさんも怒っているかなぁ。


どぉしよう・・・


「仔猫ちゃん、素直に、ちゃんと『ごめんなさい』って言っていらっしゃい。

 お付きの方々は、許してくれますよ?」

「みぃぃぅ」

縦ロールちゃんが、優しく背中をなでてくれます。

そおかなぁ、許してくれるかなぁ。


縦ロールちゃんのお膝から降りて、エドさんの処へ駆け寄る。

どうしようかと、ちょっと迷ったけど、足元に擦り寄ってみた。


「にゃぁーーん」

ごめんね。言いつけ守んなくて、ごめんなさい。

うー、できれば怒らないで欲しんだけどっ!と、祈りながら足元にまとわりついた。

上の方で、くすりを笑う気配がして、体がふわりの浮いてエドさんの大きな手で抱っこされたのが判った。


「こら、殿下に叱られて少しは反省したか?」

「にゃう」

はんせーしてるもん! もう、しないもんっ!

だから、エドさん、怒らないでね?

エドさんのお顔近くに抱き寄せられたので、サラも、エドさんに向かってすりすりしてみた。


「ああ、もう、怒りが継続しないもんなぁ。

 しょーがない、サラは、みんなの言付けを守ること! いいね。」

「なぅ!」

「今度、言いつけを守らなかったら、お仕置きだからな!」

「みぃ!」

それは、それは、イヤです~。ううう、もうしないもんっ!

エドさんに、「ほら、マディにも、ごめんなさいってしておいで」と言われたので、

マディさんの足元に駆け寄りました。


マディさんの足元にお座りして、見上げます。


「うなぁん~」

ごめんなさーい。マディさんも怒ってます?


「お嬢、大丈夫、怒っていないよ~。迷子になっても、ちゃんと探してあげるから、ね。

 殿下にも、ちゃんと『ごめんなさい』ってしておいでー。

 珍しくキツい言い方をしてー、殿下の方が凹んでいるからさ~。」

マディさんは、笑いながら頭を撫でて、許してくれました。そして、

最後の方は、少し小声で内緒話するみたいに囁いてくれました。


そう言われて、殿下の方を見ると、何故かニコニコしながらサラの方を見ています。

なんだか急に恥ずかしくなっていまいましたが、殿下の方に駆け寄って足元にお座りをしてみました。


「にゃぁーーん」

ごめんなさーいっ! 

うつむき加減で言ったら、優しく撫でてくれました。結局、へんたいさんはサラに甘いんです。


「いい子だね、仔猫ちゃん。大好きだよ」

 頭をくりくりと撫でてもらって、ちょっと嬉しくなってきました。

 サラもへんたいさんの事、好きですよ!

 でも、へんたいさんのの子にはなりませんけどねっ!



この後は、エドさんに抱っこしてもらって、学生ホール出て、ちょこちょこと教室を回りながら行くことになりました。

今度こそ、おとなしくしていますよ?

サラは、いい子ですからねっ!


エドさんの腕の中で、『いい子アピール』をしてみたら、何故か笑われました。

むー、頑張っているのにィっ!


「大丈夫、サラちゃんは、何もしなくても、いい子だよ!」

って言ってもらいました。


えへへ、ちょっぴり、嬉しいです!


お姉ちゃまの居るところまでは、あと少しです。


ここまで読んでいただきまして、ありがとうございます。

やっと動きます。

ラストスパートですね!


感想などがありましたら、よろしくお願いします!

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