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ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
19/72

18. 仔猫は、縦ロールがお好き?

そんなに好きだとは知りませんでしたよ。

憧れていたらしいです。(笑

出会ってからお互いに30秒以上はゆうに見詰め合ったと思う。


「・・・・・・なぜ、学院(ここ)に仔猫が?」

「にゃあ♪」


ここは、王立学院 西校舎の裏庭に面した薄暗い廊下。サラは、期待に目を輝かせ、おねーさんは困惑で固まりながら、見詰め合っていたんです。


サラは今、きれいなストロベリーブロンドに、深い緑色の瞳を持つお姉さんの足元にいます。

ちょっときつめの目元を彩る、長いまつ毛。 うん、とっても美人さんですよっ!

そして、何よりも特筆すべきは、


 縦ロールっ!!


このお姉さんの髪がね、コロネみたいにぐりんぐりんした縦ロールが、何本も巻かれているんですよ!

廊下で姿を見かけて、あんまり凄いので、その後をくっついて来たんです。

すごい、すごい、話には聞いていましたが、初めて見ましたよ~!


そして、その縦ロールが、物凄く似合っているんですよ。

まるで、本で読んだお姫様みたいです、おねーさん!


お目当てのお姉さんの足元をくるくる回ります。

おねーさん、サラを抱っこしてくださーい! その縦ロールを間近で見たいんです!

できれば、触ってもいいですか? その巻髪は、ひっぱると元に戻るのかしら?

わくわくしながら、おねーさんの足元でウロウロしてみます。


「・・・え? あら、まあ、仔猫ちゃん、ちょっとお待ちになって? 

えーと、抱っこしてほしいのかしら・・・」

「にゃう~ん♪」

はい、そうなんです、おねーさん、抱っこ~!


「そうですわね、仔猫あなたをお廊下ここに、置いておくわけにもいきませんし、

さ、いらっしゃい、ふわふわの仔猫ちゃん。」

「にゃう!」

優しい手つきで、おねーさんはサラを抱き上げてくれました。

お姉ちゃまみたいに、甘い いい香りがします。さすが、女の子は違いますね。


「ここのお廊下は、日が差さないので昼間でも結構肌寒いのですよ、

寒くないですか、仔猫ちゃん?」

「なうーん」

おねーさんは、淡いピンクのストールを肩から外して、サラを包み込んでくれました。うう、優しいー!

嬉しくなって、おねーさんにすりすりしてみました。

あんまり、すりすりしちゃダメって言われたけど、女の子には、いいですよね! おねーさん、好きっ!


…あれ、ダメって言われて。


えーと、エドさんに、ダメって…


これは、そのぉ…


「サ ラっ!」

後ろから低~い声で呼ぶのは、間違いなく怒っている声のエドさんだっ!



○~○~○~○~○~○~



「まったく! さっき気を付けるように、言ったばかりだよなっ!」

「…みぃう」

「学院の中だからといって、ふらふらしていいわけじゃないんだぞ!

 浚われたらどうするんだ!」

「なぁぅ〜ん…」

でも、だってっ! 縦ロールのおねーさんにご挨拶していただけだもんっ!

 おねーさん、とってもやさしいのよ!

危なくなんか、ないもんっ!


「シェライラ・アクリーガル嬢、うちの仔猫がご迷惑をおかけして申し訳ありませんでした。

 というか、現在進行形で、…その申し訳ございませんー」

マディさんが、学生ホールで縦ロールのおねーさんに手早くお茶を出しながら、謝っています。


さっき廊下で、エドさんに見つかり「他の学生に見られたらまずいから!」と縦ロールのおねーさん毎、もう一度、学生ホールの個室に入れられたところです。

おねーさん、巻き込んでごめんねー。


「い、いいえ、わたくしが不用意に仔猫ちゃんを抱き上げたからいけないのです。

 びっくりしてしまったのよね、仔猫ちゃん」

そう、サラはまだ縦ロールのおねーさんに抱っこしてもらっているんです。

折角抱っこして貰えたので、はがされないように、がっちり、しがみついてみました!


エドさんと、マディさんの目が

「あれは、わざとだろう」

「だねー」

と言っている。

でも、知らないフリしますけどねっ!


折角、縦ルールのおねーさんに抱っこして貰えたんだもの!

すぐになんか降りませんよ。

それに、怒っているエドさんに抱っこしてもらうより、おねーさんの方がいいもん!


「アクリーガル様、ご迷惑をおかけして申し訳ありません。

 どこかへ行かれる予定だったのでは?」

「いいえ、私の授業はもう終わりましたので、今日はもう帰宅しようと思っていたところですの」

マディさんの問いに、サラの背中をなでながら答えてくれる縦ロールちゃん。

(縦ロールのおねーさんって言うのが長いので、命名『縦ロールちゃん』ね!)


「サラ、いい加減に降りなさい。これ以上はご迷惑だよ?」

「ぅにゃーん!」

やーん、折角抱っこしてもらったのにー。


「サーラ!」

「なぁう・・・」

うーん、残念ですが、これ以上はダメですよねー。でも、まだ帰らないでほしいんですけど。


一緒に学院見学、しましょうよう~!









今回は、少し短め。 次回こそは!

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