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ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
18/72

17. 仔猫は、まだまだ学院内見学したいんです!

まずは、お茶でも・・・ってことになりました。

「サラちゃん!」

「みぃっ」

「危ないことしたら、ダメだっていってるだろ」

「にぁん」

「もう、わかっているのかー?」

「くるるるぅ~(喉を鳴らしているらしい)」


「・・・エドさーん、お嬢は、遊んでくれているとしか思っていないって~。

 第一、撫で撫でしながら説教したって効き目ないってばー」

マディさんの冷静なツッコミありがとうございます。


学生ホールの個室に陣取って、お茶をいただきながら、改めて みんなでご挨拶。


「エディアルド・ラング、西地区の警備隊所属。面倒だからさ、エドって呼んで?」

「マディウス・ウランフールですー、殿下の従者やってます 

 あ、西地区って犬の件でいろいろお世話になったトコですよねー。

 俺も、マディで、お願いしますー」

様とか、殿とか、爵位だの付けて呼ぶのが面倒すぎてイヤな二人は、そんな会話をしていました。


「殿下の仔猫ちゃんは、女の子かー。んじゃ、お嬢ちゃん、さま?…、お嬢でいっかー」

はーい、マディさん。お嬢さまって程でもないんですが、女の子扱いはうれしいです!

マディさんが、みんなにお茶を淹れてくれました。サラには、待望の苺味のミルクです。


なんでもマディさんが自分で苺を煮詰めて作ったという、真っ赤な苺シロップをスプーンでミルクに混ぜてくれます。きれいなピンクですよ~♪ 見ているだけで、ワクワクしますっ!


「はい、お嬢の分だよ~。足りなかったら言ってね」

と言って、マディさんが真っ白なお皿にピンクの苺味のミルクを入れて出してくれました。

わーい、いただきまーーっす! 甘くてほんのり酸っぱい苺の風味、おいしいですー!


「そんなに慌てなくていいから。気に入ったなら、マディが幾らでも作ってくれるさ」

「そうそう~、お腹を壊さない程度なら、幾らでも作るよ~」

エドさんが慌てすぎてお皿に顔を突っ込んでしまったサラの顔を拭いてくれました。

マディさんが、ニコニコしながら皆のお茶を足して、お菓子も出してくれます。

そんな姿を見ながら、ノルベルト殿下が楽しそうにお茶をゆっくり楽しんでいる。

サラは、お行儀が悪いのですがテーブルの上に乗らせてもらっているので、みんなの顔が見えます。

うん、楽しい♪


やっぱり、お茶はこうでないとね! 好きな人と一緒でなければ、楽しくないですもん。


「先ほどは、済まなかったな。不愉快な思いをさせた。」

「あれは、ノルベルト殿下のせいじゃありませんよ。どこにでもいるイヤミ貴族のせいですから」

「あー、一人いれば、影に三十人はいるという~ アレですかー」

「・・・マディ、幾らなんでも、彼らを害虫と同じ扱いにするというのは」

「えー、やだなぁ、殿下、幾ら俺でも、ゴ○ブリと一緒にはしませんよー」

「いや、マディ、考えていることが、ダダ漏れだから」

マディさんってば、自然でさりげなく毒舌! そして、そんな会話をしながらも、せっせとみんなのお茶の世話をしているところが凄いなぁ。

でも、虫の話題は止めてほしい・・・。仔猫になっても、アレだけは、やだっ!!


苺味のミルクをらって満足しました!

後は、お姉ちゃまとおにいちゃまを探すだけなんですが・・・、

ちょっとだけ、ちょっとだけでいいから、王立学院の中を見たいんですっ!


いつも、お姉ちゃま達がどんなところにいるのか、ずーっと知りたかったんだもの。

コレを逃したら、きっと学院の中なんて自由に見せてもらえないと思うの!


我が儘かなぁ。


テーブルの上で、くるくるとエドさんのところや、へんたいさんのところを歩き回り、上目遣いでお願いして回ります。


「なぁ〜ぅん」


ねぇねぇ、ダメですか~?


「お嬢は、おねだり上手だねぇ。殿下は完全に、落とされているよ~」

マディさんが、大丈夫、お願いは聞いてもらえるよ、と笑ってくれた。


「・・・か、可愛いっ! 何故、連れ帰ってはいけないのかっ・・・」

へんたいさんは、相変わらず変だけど、一緒に行ってくれるみたい。


「はー、まあ逃げ出されるよりは、いいかな。サラちゃん、少しだけだからね。

 ただし、一人で走っていっちゃ、ダメ! いい?」

エドさんは、なんだかんだ言ってもサラに甘い。結局は、付き合ってくれるんだよねー。

嬉しくなって、エドさんのところへ行って、お顔に向かってすりすりしてみた。


「しょうがないか、ここまで来たら、付き合いましょう!」

ため息と苦笑まじりだけど、OKを出してくれました。

わーいっ いいんだよね、いいって言ったよねっ! エドさん、ありがとーー!


えっとね、教室にも行きたいんです! あとね、中庭と、生徒会室も行きたいんです!

内緒でいっぱい見て行きたいですっ! 


「お嬢、後で学院に行ったのがバレたら、内緒にならないよ~?」


うぅ、いいんですよっ! ちょっとダケ探偵さんっぽい気分になりたいんですっ!

こっそり、とか、内緒、とかに憧れているんですもんっ!

本の中の主人公たちは、「こっそり」とか、「内緒で」犯人を探しに行くでしょう?

サラも、そうなりたいんですっ!


「にゃっ!なぁん!なぅん!」

 ねー、お願い~!!


「はいはい、仔猫サラのお願いは、叶えましょう! 

 じゃ、行きますか、王立学院ツアー!」


 わーーいっ♪


もう、三人とも仔猫に甘いので、仕方がないですねぇ

次回、新キャラ登場。サラちゃん、かなりお気に入りの模様・・・(笑

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