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ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
14/72

13. 仔猫は、抜け道を教えてもらいます!

ハイスペック変態さんと、交流。


エドさんに叱られたへんたいさんは、色々と言い訳をしていましたが、

結局は、

仔猫サラにへんな事を教えるんじゃありません!!」って、

もう一回怒られていました。

エドさんに、叱られたもの同士、ちょっとだけ、親しみが湧いています。


「ん? 王立学院に行きたいなら、抜け道を教えてやろう」

て、へんたいさんが言いました。

抜け道なんて、あるんだー。 へんたいさん、詳しいですね!


「助かりますけど、教えちゃっていいんですか、その抜け道。」

「かまわんだろう。王宮警備隊の連中でも知っている方の抜け道だ。

 王族専用の方でなければ教えても支障はない。

 それに、抜け道を使った方が、人目にもつかないだろう?」

わあ、いい人だあ! エドさんは、心配そうだったけれど、王宮警備の人も知っている道なら、後で問題にもならないだろう、って言っています。


「・・・もしかして、ノルベルト殿下、その道を通学路になさってました?」

「ああ、よくわかったな。面倒な連中にも会わずに済むので、いいぞ。」

通学路なら、まだセーフかなぁ・・・。とエドさんがぶつぶつと言っています。

なんでも、秘密保持の為に、捕まっちゃったりする事もあるんだって! そ、それは、怖いっ!


あれ、へんたいさんって、王立学院の学生さんなの!?

・・・なんだか、似合わないんだけど。


「ノルベルト殿下は、これでも前生徒会長だよ。今は最高学年なんで、役職はないみたいだけどね」

「優秀な者が高等部に上がってきたのでな。さっさと会長職を譲ってしまったのだよ」

・・・あれ、お姉ちゃまが今の会長で、へんたいさんが前の会長さん。

へんたいさん、お姉ちゃまの先輩さんですね!

わあ、お姉ちゃまに会ったら、へんたいさんの事言わなくっちゃ! きっと知っているよねっ!!

段々、へんたいさんと、叱られ仲間以上になれそうな気がしてきました。


「・・・サラちゃん、面白そうって思っても、知らない人に近寄っちゃだめだよ。

 お菓子くれるって言っても、ついて行っちゃダメだからね!」

エドさんに抱っこされながら、厳重注意を受けました。

うーん、なんでバレたんだろう。エドさん、鋭い。

お菓子は、ちょっと欲しいかな~・・・、はい、ごめんなさい。気をつけます。


ますます、エドさんの信用を無くした気がする。

全然、歩かせてもらえなくなりました! うう、自業自得でしょうか。


エドさんに抱っこしてもらったままで、へんたいさんに道案内してもらいながら、学院を目指します。

さっきは、巨大迷路だと思っていた生垣も、抱っこされて高いところから見ると、ちゃんと出口がわかります。

サラだって、きっと大きくなったら、この位の迷路、ひょいって抜けられるようになりますよ!

今は、ちっちゃいから上手に抜けられなかっただけですからねっ!ってエドさんに主張したら、ハイハイって撫でられた。うー、絶対にできるんですからね!!

へんたいさんに教えてもらった道をちゃんと覚えておこうっと。それで、お姉ちゃまとおにいちゃまをびっくりさせるんだ~♪ 



アレク姉さんSide>>>


ようやく底が見え始めた書類箱を見ながら、ため息をついた。


「これなら、サラが来たら帰れそうだな。」

「そうですね、でも姉上でもこれだけ大変なのに、前任者はよくやっていましたね」

カールも、とりあえず山場を超えた判断したのが、ほっとしている。

折角、サラが会いに来てくれても、一緒に帰れないのでは、さみしすぎるからな!


「前任者は、ハイスペック変態のノルベルト殿下だからな。

 年中、警備隊の犬や、街中の猫を追い回しているのに、仕事は全部片付ける。

 その上、学業でも今まで首席以外とったことがないだろう、あの人は。」

「・・・この学院の生徒会長には、代々、ハイスペックの呪いでもかかっているんですか?」

カールが嫌そうに言う。心配するな、数年後の生徒会長は、カール、お前だ。


第四王子で、王位を継ぐつもりのないノルベルト王子は、なんとも好き勝手をしている。

仕事や、学業に於いては抜群の評価を受けながら、社交界では、変人で通っている。


夜会に出ても、特に相手探しをする様子もなく、犬や猫、珍しい動物の話を延々として周りを煙にまいてしまう。ドレスの貴婦人よりも、警備に来ていたウルフ・ハウンドを選んだとして、変人扱いである。


狙ってやっているのか、本心からなのか、読めない人だ。


ん? 犬や猫に目のない殿下。サラを見つけたら・・・


いやいや、そうそう学院にいる殿下と、サラが出会う可能性は少ないだろう。

きっと大丈夫。そう信じたい!


姉が嫌な予感に苛まれている頃、サラとへんたいさんは、出会ってしまっていた。


その嗅覚のよさは、なんだろう。 煩悩のなせる技なのか。

ともあれ、サラちゃんの近くには、エドさんがいるので、殿下がサラを浚うという最悪の事態は防げていた。


学院までは、あと少しだ!


ここまで読んでくださって、ありがとうございます!

お姉ちゃま、心配の種はつきないね。


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