表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
13/72

12. 仔猫は、王宮で出会う?

子守のエドさん、更に面倒ごとを背負い込みます。

サラは、まあ、叱られて下さい(笑

「にあっにぃあっ! にゅあぁぁぁぁん!!」


”何かあったら、一生懸命、叫びなさい!”ってエドさんに言われた通り、鳴いてみた。

エドさーん、サラはここなの~!!


バキバキと植木をなぎ倒す物凄い音と、「あー、クソっ!邪魔だこの木!」と叫ぶ声がします。

もしかして、まっすぐ来ようとして王宮の庭、破壊していませんか?

音がだんだん近くになってきました。

そして、


「サラちゃんっ!」

うえぇぇーーーん、エドさぁぁーーーんだあっ! 怖かったよぉ~!!

へんたいさんに捕まってしまったんですー! どおしよーー!!


「・・・ノルベルト殿下、また、あんたですかー?」

「おお、エドか、久しぶりだな。 ベルはどうした」

うぇ、エドさん、知っている人ですか? へんたいさんではないの??

エドさんは、嫌そうな顔をして体中についた木端を叩き落としながら、ズカズカとこちらへ歩いてきます。


「もー、サラちゃん、返し下さい! こんなに鳴く子じゃないんですよ、何をしたんですか!」

「おや、この迷い仔猫も、お前の管轄か。ずるいぞ、エドお前ばかり可愛い子を集めて!」

へんたいさんから、サラを取り上げて抱っこしてくれました。うわーん、エドさん!

へんたいさんは不満そうです。へんたいさんってば、前にも浚ったりしたんですか!?


「集めているワケじゃありません! ベルは詰め所にいます。前に殿下に気に入られたい貴族がベルを狙ったりしていたんで、王宮なかまでは連れて来ていませんよ」

「はぁ、強欲貴族どもが余計なことをしたせいで、私はベルに会いにいけなくなったんだぞ。たまには、会わせてくれ!」

ベルさんが、狙われているのは、王子さまへの献上品にするためだったんだ。なんだか、別世界の話。

ベルさんなら、あるのかなー?って思うけど。


・・・あれ、へんたいさんって、王子さま?

うーん、なんだか、よくわかんない。


うんうん、唸りながらも考えていたら、エドさんのなでなでする手がとまって、エドさんのこわーい声が降ってきた。


「まあ、その件は、後でいいとして、・・・

 こらっ、サラ! 勝手に離れたらダメだって言っただろうっ!」

う、うぇっ!エドさん、怒っているよう・・・。


「みぅぅ・・・『だって・・・』」

「不満そうにしても、ダメ! 近くから離れるんじゃないって、言ったよな?」

「にゅあぁぁぁぁ~ん・・・『だって、だって、嫌なのぉ・・・』」

「サーラっ!」

「みぃっ『はぁい』」

「俺は、ダメって言ったぞ?」

「みぅ『うぅ』」

「言いつけはちゃんと、守りなさいっ! いいねっ!!」

「なぉん『はぁい』」

「もー、本当に心配したんだからなっ! めっ!」

「にぃぅぅぅぅ・・・『ごめんなさぁぁい』」

ううう、怒られたよう。エドさん抱っこして目の前で怒るんだもんっ!

逃げられなくて、腕の中でちっさくなるしかないよぉ。


「さすが、警備隊の動物マイスター! そのうち、どこかの魔獣でも飼いならしそうだな。」

「だから、飼いならしていませんって! ・・・なんで魔獣まで?!」

パチパチと拍手をするへんたいさん(王子様)に、ムッとしながらエドさんが答える。

もしかして、結構仲良しさんなのかな?


「しかし、ここまで意思疎通ができていると、羨ましいな。どれ、私にも抱っこさせてくれっ!」

「ノルベルト殿下、意味がわかりません。ついでに、抱っこはダメです。サラちゃんがまた逃げたら困りますからね。」

う、サラは、もう逃げたりしませんよー。エドさんに叱られたし、へんたいさん、追いかけてきたら怖いし。とりあえず、へんたいさんに抱っこをされるのは、イヤなので、エドさんにくっついておきます!

一生懸命にくっついていたら、エドさんが、背中をなでなでしてくれました。

えへへ♪ もう怒っていないんだー。


「円滑な意思疎通は、まずコミュニケーションからだと聞いたぞ! 私に仔猫とコミュニケーションをとらせろっ!!」

「・・・嫌われたら、意思疎通以前の問題だと思いますけど?」

あ、なんか、へんたいさんが、落ち込んでいる。難しいこと言っているけれど、仲良くしたいってこと?


「何故だっ! 私はこの溢れんばかりの愛で接しているのにっ! 

 どうして、いつも犬も猫も私になつかないんだあっ!!」

「あー、たぶん、そういうところがダメなんだと思いますよ~」

エドさん、半分投げやりですけど、きっぱりと言いますね。 

エドさん、エドさん、閉じ込めないんなら、サラはへんたいさんとお友達になってもいいですよ?

あれ、エドさんの顔が怖いです。

サラ、なんか変な事をいいましたか?!


「・・・殿下、あんた、仔猫サラに一体、何を言ったんですかっーーー!!」


さっきサラが叱られたより、何倍もおっきい声で、へんたいさんは、エドさんに叱られていました。


愉快な仲間追加ですー。

もう少し、王子様なんだから、丁寧に扱おうよ・・・と、少し思う(笑

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ