表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ミルクティ色の仔猫の話  作者: おーもり海岸
1.サラちゃん はじめてのおつかい In 学院へ
11/72

10. 仔猫は、王宮へ!

子守のエドさん、ご苦労さまですー。

さぁ。王宮へ入ろうと、大きな壁と、警備の兵士さんたちがいる王宮警備隊の詰所まで来ました。

検問のところでは、再び、エドさん懐に「入ってな」と言われておとなしくしていました。

ここさえ過ぎれば、また同じようにしていられるんだものね!


すると。

「じゃあ、ベルはここで待っていてくれな」

『ああ、その方がいいな』

と、エドさんと、ベルさんは、これが決まっていた事のように冷静です。

えー!なんでっ!?って、思うのはサラだけですか?


「王宮の敷地内に、ベルが入るには、イロイロと手続きがあるんだよ。

 もし、入れたとしても、ベルには、引き綱を付けてもらわないとならないし、

 面倒なんだよ、ベルにとっても」


王族の人の中には、エラソーにしてベルさんを自分のものにしようとする人もいるので、

隠れておいた方がいいんですって、貴族の人も王族の人も、我が儘!


そして、ベルさんは、西地区所属の警備犬なんですって。だから王宮に入るには申請が必要で、

更に、引きリードをしていないと、規則違反で捕まってしまうそうです。

でも、ベルさんみたいに、理性的な犬さんに引き綱は似合わない。

とはいえ、大型犬を王宮内で放し飼いにしたとなれば、それはそれで警備上の問題が。

…つまり、諸々の大人の事情から、ベルさん、隠れていましょう!となったんです。

オトナってっ!!


『後でちゃんと合流するから、エドの言う事を聞いて、いい子でな』

と、詰所に残るベルさんに言われましたが、サラはいい子ですよーだ。


エドさんに抱っこされた状態で、王宮の中でも人気の少ないところを通っています。

へえ、離宮の方って、本当に人がいないんだー。

となれば・・・・・・


『ねー、エドさーん』

「んー?」

『サラ、歩きたいっ!』

「だめー」

『サラ、歩けるもん! 歩くよう!』

「ダメだって、変な奴らに目を付けられたら困るだろ?」

『平気だもん! 人気のあるエルさんいないしー』

「だから、サラちゃんも目立つんだから、ダメってー」

『もぉっ!』

何でわかってくれないのっ! モヤモヤして、服の中でじたばたする。慌てたエドさんの隙を縫って無理やり王宮の庭に降り立った。


「こら、サラちゃん、戻って来なっ」

やー、ですもん! 聞こえないフリをして、どんどん歩いていく。


「サラちゃん!」

やだもん、サラは歩くんですよっ!

後ろから追いかけてきてくれる気配を感じて、ますますムキになる。

目の前の植え込みに飛び込み、小さい体を利用してすり抜けていく。


ほら、自分で歩いた方が、こんなに早いじゃないっ!っと、

自信満々になっているので、実はエドさんがわざと人の少ないところ、目立たないところを選んで歩いてくれていたなんて、この時はまるで気が付きませんでした。


そのうち、出たのは迷路のような生垣。

中庭自体の生垣を迷路のように作り、幾何学模様に見せているらしいんですが、仔猫サイズのサラには巨大迷路です。誰ー、こんなの作ったの!!


ぐるぐるぐるぐるぐる・・・

一体、サラは今、どこに居るんでしょう?


もしかして、迷子が好きなのか、サラちゃん!

エルさんと離れて、ちょっと拗ねてます。そんなことしていると、怖い人がくるよ!

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ