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さいきょうのあいどる

 美奈穂によってボコボコにされた源三は、破壊力抜群のビンタからようやく意識を回復した正也と共に、美奈穂の前に正座させられながら説明した。


「美奈穂……。お前、これからは強化下着無しでもかなり強いから、動きには十分気をつけてくれ」


「そんなの知らないわよ。勝手に人を実験台にする方が悪いじゃない。何で私、急に強くなってんの?」


「身体と言うのは学習能力がある。強引にとはいえ最適な身体の動かし方をお前の身体は学んでしまったようじゃ。おかげで御守りのスイッチを切った後も、お前に殴られたわしの身体はボロボロじゃ……」


「自業自得よ。おまけにそんな風になんて私、ちっともなりなくなかったのに。これでも私をアイドルに出来る手段があるって、どういう事よ?」


「アクションじゃよ。この身体能力を生かして、アクション付きヒロインの演技が出来る、アイドルを目指せばいいんじゃ。ダンスもスタントもこなせるんじゃから、アピールポイントになるはずじゃ」


「えー? 私、普通のアイドルになりたいのに。歌って、踊れて、演技が出来て」


「この下着の能力を究めれば、それはすべて可能じゃ。地声はどうしようもないが、腹筋やのどのコントロール、リズム感、呼吸の使い方。それを最善にコントロールすれば歌唱力がつく。ダンスは言うまでもなく、演技も感情表現を肉体で行うのが演じると言う事じゃ。これほどの学習能力の高さなら、下着の力を借りれば驚くほど伸びるじゃろう」


「なるほどね。はさみは使いようか。で、そういう要素が強いオーディションて?」


「子供向けの朝の戦隊物ヒーロー番組。あれのヒロインを狙うんじゃ。あれ以上今の美奈穂にぴったりな役は無い」


「なんか、正当なアイドルとは違う感じがする。そんな子供に偏ったの目指してるわけじゃないんだけど」


「戦隊ヒーローものは、若手男優にとって絶好の売り場じゃぞ。女の子がヒットしてもおかしくないじゃろう? しかも、ヒーロー役のイケメンと毎日仕事じゃ」


「……挑戦してみよ―かなー」


 この祖父にしてこの孫である。やはり血は争えない。 


「ええ? そんなのに出たら、ヒーロー役との絡みシーンもありそうじゃないか。反対反対。俺、絶対はんたーい!」


 正也は口をはさむが、


「あんたもおじーちゃんと共犯でしょ? 口出す資格なし。それとも御守りスイッチ入れて、もう一度ビンタ喰らいたい?」


「……スイッチ無しでも、喰らいたくない。今なら殺されそうな気がする」


 殺人的ビンタを持つアイドルと言うのも、問題ありそうだが。


 そして後日。



「おじーちゃん! 正也! やった! ヒロインの座、射止めちゃった! これからは二人には下着の力の微調整、しっかりやってもらうからね。手ぬるい真似したら、正義のヒロインが殺人ビンタをお見舞いよ」


 下着の力を使いなれた美奈穂は、すでに日常でもヒロインポーズで二人を威嚇する。


「源じい。今の美奈穂なら、普通に世界の平和を守れそうな気がする」


「まさしく、リアル正義のヒロイン。世界最強のアイドルじゃな」


 そして二人は美奈穂のしもべとなる、長く険しい道を覚悟したのだった。



                                 おわり

 

 

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