Warm lunchーホカホカ弁当ー
掲載日:2012/09/07
好きな人に渡したくて作ったお弁当。
それなのに――
いつも、いつも……渡せません。
ハンカチの中にだけ、想いが詰まっていきます。
「はぁ……」
「溜め息なんてつかないで」
「え?」
風呂敷を開けると彼がいた。
片思い中の彼……
私は戸惑いを隠せない。
「君が読んだ」
「私が?」
「お弁当(僕)に“想い”をたくさん詰め込んでくれたんだね」
「あ……」
上手くひっくり返せなかった、たまご焼きもも……
半生だったり、真っ黒だった唐揚げも……
お米のとぎ方だって知らなかった……
味加減だって……
どんな風に詰めよう……悩んだりもした。
好きな人だから――……
「僕の返事は――」
無かった。
そうだよね……
一方的な想い、彼にお弁当なんか必要無かったんだ。
「おはよう」
「……」
顔を合わせるのが気まずい……
「今日、お弁当は?」
「え?……無いです」
「良かった」
胸がチクンって痛くなる。
「今日はお弁当(返事)を持ってきたんだ」
その痛みは直ぐに愛に変わった――
END.




