第5話『ストリートピアノ演奏 パート2』
結愛は恥ずかしさと興奮が入り混じりながらも、再びピアノの前に座り、深呼吸をして演奏を初めからやり直す。今度は、少し自信を持って、音楽に集中できる気がした。
天使はその後ろで軽やかに踊りながら、結愛の演奏に合わせてその力を増幅させていた。桜の花びらが舞い続け、駅内の広場に幻想的な雰囲気が広がった。
結愛は心を込めて弾き続け、音楽の力を信じて、全身でそのメロディーを奏でた。天使のダンスと歌が、彼女の音楽にさらに力を与え、観客たちはその瞬間に酔いしれていた。
周囲を見渡した。驚くべきことに、駅の広場にはさらに多くの観客が集まっていた。彼女が弾いた音楽に心を動かされた人々が、その不思議な現象を目撃し、興奮した顔で彼女を見守っている。
ファンキーな天使がどこからともなく、あらわれ、ポップなリズムに合わせて踊り始めたのだ。
最初は軽やかなステップから始まり、途中、ファンキーな天使は信じられないほど鮮やかなブレイクダンスを披露し始めた。
「えっ、天使が!?」結愛は驚き、思わず笑ってしまう。
天使は流れるような動きで、空中で回転し、足を高く上げて踊る。その軽やかなステップは、まるで音楽そのものが生きているかのように感じられた。
「すごい! 天使がブレイクダンス!?」
沙月も驚きの声を上げ、周りの人々もそのパフォーマンスに魅了されていた。
ファンキーな天使は踊りながら、結愛に近づき、「君の奏でる音楽は素敵だ!」と言った。
その時、駅内の空気がますます明るくなり、観客たちは笑顔でその光景を楽しんでいた。天使達が歌い、踊りながら結愛の音楽と共鳴し、その力をさらに引き出していった。
「結愛、すごい! こんなに素晴らしいことが起きるなんて!」沙月が興奮して言った。
駅の広場はまだ桜の花びらで舞い散っており、結愛の心はその奇跡的な出来事に混乱していた。周囲の観客たちはスマートフォンを構え、結愛と天使の姿を撮影していた。どこか遠くから来た観光客たちも足を止め、その瞬間を目撃していた。
演奏を終えると。盛大な拍手が沸き起こった。
「すごい!最高!」「なんて素晴らしい音楽だ!」「感動した!」という声が、駅内に響き渡る。観客たちは結愛に向かって、笑顔と拍手を惜しみなく送っていた。
「結愛、すごいよ! みんなすごく感動してる!」沙月は興奮して叫び、目を輝かせて結愛に駆け寄った。
結愛は恥ずかしさを感じながらも、思わず笑顔を浮かべた。顔が赤くなりながらも、その拍手に応えるように少し頭を下げた。心からの拍手に包まれた。
周囲の観客たちがどっと集まり、スマートフォンを取り出して撮影を始めた。駅内は騒然となり、観客の数は一気に増えていった。
「うう……!」
結愛は顔を赤らめながら慌てた。
最初に出てきた、天使は結愛の前に優雅に降り立ち、
「恐れることはない。あなたの音楽には、きらめきがある。それが人々を引き寄せる力を持っている」と言った。
「でも……こんなこと、私には……」
結愛は戸惑いながら答える。
天使は微笑みながら、周囲を見渡し、
「音楽は、時として奇跡を呼ぶもの。あなたの心が込められたその音楽は、すべてを包み込む力を持っている。これから、それをどう使うかが大切なんだ」と語った。
その言葉に、結愛はふと何かを感じ取る。音楽。
結愛にはまだその力をどのように使うべきか、答えが見つからなかった。
その時、沙月が楽しげに笑いながら言った。「結愛、すごいよ! まさかこんなことになるなんて! でも、やっぱり結愛の音楽は特別だよ!」
結愛は恥ずかしそうに笑いながら、「でも、こんなに注目されるのは……ちょっと恥ずかしいな」とつぶやいた。
「大丈夫だよ、みんなあなたの音楽に感動してるんだって!」沙月は明るく答えた。
「じゃあ、もう一曲、弾いて」
「えー」
「ほらほら」
「もう……」
結愛は再びピアノの前に座り、深呼吸する。
じゃあ、アニメソングにしよう。
アニソンを弾いたら、アニメキャラがあらわれ、それはそれは盛り上がったのであった。