【ガラクタジジイという存在】
掲示板回から始めたのに、タグに前回入れ忘れていることに寝る前に気づきました。
反省です。
VRMMOとはいえ、別に戦闘する必要はない。
生産に打ち込んでもよいし、芸術に挑戦してもよい。
現実では費用や場所に問題があってもVRでは大体のものは代用できる。
もちろんその専用のVRもあるが、他者に使ってもらったり見てもらったり、共感したり自慢したりといった事ができるのはVRMMOが容易といえる。
そして、街に一人のキャラクターが帰ってきていた。
街は、初回に必ずと言っていいほどのスタート地点の街で、ここに拠点を作っているギルドも多い。
特殊なキャラで始めた場合別のスタートになることもあるが、それはレアケースなので割愛しておく。
「お、これは新しくできた店の紙袋だな。
ひっひっひ、おお、あんちゃん、今回もきてやったぞ。
大量の無駄なものを引き取ってやる、とっとと出しな!」
その男は、せむし男というべき恰好をしていた。
しかし、背が高いことは、長い手をみればわかるだろう。
歳は若いようにも見えるが、年老いたようにもみえる。
街の人たちは、侮蔑をこめて、彼のことをガラクタジジイと呼んでいた。
「うるせぇな、ガラクタジジィが。
毎度毎度言っているが、無駄なものなんて買っている余裕ねーんだよ。
ゴミでよければ、そこの袋もっていけ!」
浮浪者でも追い払うような態度で接する店主だが、男は逆にうれしそうに指差されたゴミ袋を自分のアイテムボックスに入れていく。
通常なら、スタック等はあるものの、さほど多くのものは持てない。
そのため、倉庫などもあるが、基本的に取りに行く必要がある。
また、重量制限もあるので、戦闘を目的としているようなキャラクターはもちろん、他のキャラクターも余剰品は入れようとしない。
当然ながら、ごみを入れるなど以ての外だろう。
「ったく、浮浪者みたいにその場でごみ漁らないだけましだが、その能力(ゴミ回収)がなかったら街になんか入れないようにしてやんのに。」
「おっやぁ? それはワシのことですかいな?
ひぃっひっひっひ、それはおかしい、ワシがいったい何か法に触れるようなことをしましたかな?
善良な一市民に対して、その言動、そちらの方が問題ではぁ~??」
「ああ、分かったわかった、てめーは正しいよ。
ただなぁ、嫌われているってのは自覚しておけ、法なんかよりも下手すると強いこともあるからな」
それだけいうと、店主は元の場所にもどっていく。
「はぁぁっ! NPC風情がワシを説教なんかするんじゃねー!!
ワシはやりたいように、やっていくのに、NPCの感情なんかしるかー!!」
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「えっと、これは何だろうか?
あれが、掲示板でいってた有名プレイヤーだよなぁ?
NPCにNPCって言ってええんやろうか??」
二人の様子をみていた、別の男性プレイヤーが特徴的なガラクタジジイを見つけて近づこうとしたところ、NPCに向かって罵倒するところに出くわしてしまっていた。
ちなみにだが、別にNPCにNPCと言っても悪いことではない。
ただ、自分が人間に人間に向かって人間といって何が悪いと言われたらどう思うだろうか?
……人それぞれだろう、NPCもこれは同じことがいえる。
「まぁいいか、そこの人ちょっと話いいかな?」
ジジイと店主が声をかけてきたプレイヤーに顔を向ける。
「あ、ワシに用か?
なんじゃ、何かいらんもんでもできたか?
格安で引き取ってやるぞ!」
「いや、そうじゃないんだけど。」
「そうか、ならええわい。
ワシの邪魔するんじゃねぇ、こっちは忙しいんじゃ!」
ガラクタジジイは興味なさそうに、店主に挨拶もせずに次の店を見据えて行こうとする。
「いやいや、用事はあるんだから聞けよ。
3年前のプレイヤーの初期アイテムの剣、余っていないかっていう要件だから、聞けよ!」
話を聞きそうにもない態度のジジイに慌てて要件を話す。
ジジイはその声を聴いて一度止まるとゴソゴソと何かを探る動作をしつつ声をかけてきたプレイヤーに向き直る。
彼のことは、ケンシとしておこう。
「ふむ、ほう、なるほど、あるぞ。
要るんか?」
「ああ、ありがたい。
1,000でどうでしょう?
一本でいいので、売っていただけないでしょうか?」
それを見ているごみを回収してもらった店主のおじさんは、何かを知っているのか苦い顔をしている。
「はぁ? 1,000??
相場はそうじゃろうが、それじゃ売らんぞ。
ワシ、その1000倍なら売ってやってもいいが?」
「いやいや、ちょっと待てよ。
それは流石にぼり過ぎだろう?
俺だって、他に必要なもんだってあるんだし、……5,000までなら出すけど?」
「あのなぁ、にぃちゃん。
このジジイにはそれは……。」
流石に見かねたのか店主が口を挟みだす。
「うるせぇ、NPCがワシの商売の邪魔するんじゃねぇ!」
「いえ、NPCの方に取り持ってもらうのも……ねぇ?」
二人ともNPCは口出し無用というか、邪魔とばかりに拒絶する。
ここで、違いがあるとしたら普段から付き合いのあるプレイヤーからのNPC呼びと、初対面でNPC呼びをしてくるプレイヤー。
有体ににえば、ケンシの第一印象最悪だろう。
「はぁ、それならいいよ。
俺は向こう行くからな、勝手にやってろ。」
「おぅ、また行ってやるからな。
それまでにまたゴミためとけ!」
「うるせぇよ、ジジィ! とっととくたばれ!!」
実際に店主はその場を離れていく。
お店は屋台形式なので、お店といっしょだ。
「さてと、これでゆっくりはなせますね。」
「はぁ? 100万だ、まけんぞ?」
「持っていないからそんな無茶な金額言っているんじゃないですか?
実物みないと信じられないし、他にも探せばいるでしょうしね。」
そういわれてもジジイは怒ることもなく、再度何かをゴソゴソさせて目の前に一本の剣を取り出す。
「ふん、これじゃろ?
もっておるわい。」
「え? あっさりだすね?
もうちょっとやり取りするもんじゃ?
まぁいいや、けど、やっぱり出せても10,000が限界だよ。」
あっさり実物を出すことに驚くも、結局多少は仕方ないと考えたのかケンシは提示金額を上方修正する。
「あ~、それじゃいいとこレンタル代程度にしかならんわい。」
「ああ、それそれ、それでいいや。
一日程度貸してくれれば、返すから。」
レンタルは、一時的に貸し出す仕組みで、時間や条件などをいくつか指定することができる。
よく使う方法として、生産職が性能の詳細確認等にプレイヤーに見せるときや、使い勝手を見てもらうときに使う。
他にも、純粋にレンタルとすることも可能だが、耐久力等もあり色々面倒なことがあるのでレンタル品として使うプレイヤーは殆どいない。
ちなみに、初期アイテムの剣は耐久力の定義はない。
「一日だぁ、一時間で1,000なら貸してやらんでもないぞ。
一日なら、24,000だが切りがわるいから、25,000で貸してやるぞ、どうじゃ?」
「いやそこは、切り捨てするところじゃ?
まぁいいや、1,000で借りることにするよ、そんじゃ」
ケンシはトレード画面を開いて素早くお金を払い込むと、剣をもって何処かへと去っていく。
「ひひひ、まいどありぃ。」
ガラクタジジイは物凄い嬉しそうな顔をして、ケンシが去っていくのを眺めて、見えなくなったとたんに次の店にと近づき、ごみ回収の再開をはじめだす。
その途中、地面に落ちているものを探すように、手で地面をまさぐりながら、周囲からは嫌な顔をされるのは全く気にも留めずに……。
ちゃんと書いたのはここまで、展開も決着もプロットはできています。
文章化って時間がかかりますね。
暫くお待ちください。
エタるかもしれませんが、それはそれで、前回のはエタったし。




