【REC開始】
前回のお酒をのんでいます。
摘みはのり天に、アンキモを乾かして焼いたものかな?
意外と美味しいし、日持ちもします。
海の近くの魚屋兼乾物屋のようなところで買ってきました。
<通称ガラクタジジイの死を確認しました。
アビリティスキル、呪いが発動されます。>
ジジイの死骸を中心に周囲が崩壊を始める。
何と言えばいいのだろうか、街道の中に決して進むことのできない何かが発生した。
あえていうなら、何も無いが発生したというべきか。
破壊不能オブジェクトならただ進めないだけで気を付ければいい。
しかし、何も無いのはどう気を付ければいいのだろうか?
通ることはできないし、反発も感じない、おもいきりぶつかるとどうなるのか試す勇気を持つものもいるだろうが、蛮勇というものだろう。
ゲーム内であろうとも、セーブがない世界ではやはり躊躇するのは当たり前のことだ。
そういえば、追っていた狼もいつの間にかどこかにいってしまい、周囲は音も消え失せたかのように静かになっている。
追われていた馬車はぶつかった衝撃のせいか、横倒しに倒れていて、馬はどこかに逃げて行ってしまった。
<呪いにより北の街道が通行困難になりました。
一時的に一部の街との通商が遅延します。
通称ガラクタジジイの死亡原因は馬車により轢死となります。
馬車の所有は、サクラチップ商会。
近くには、パーティ"銭洗い"
メンバーはトイチ、トヒチ、ビビ、ツナシ、フォールドとなります。>
<繰り返します>
…………
……
・・・
・・
・
「って、え~!
何、何で名前出てるの??」
「近くにいた時点で手遅れだ、その前に、あれだ、今からでも」
「OK、全員REC開始!」
5人パーティだったようで、一部なんとも香ばしい名前が見受けられる。
そして、全員、事が起こってからではあるものの動画記録を開始する。
「これで、何が起こっても、起こっても……
あ~けど、あいつ面倒なんだよなぁ。」
そうこうしているうちに、馬車の方からも人が出てくる。
「す、すいません。
回復魔法を使える方はいらっしゃいませんでしょうか?
主人が怪我をして気を失われておられて。」
話しかけてきたのは、必死に鞭をふるっていた御者の方で、見たところ本人も血塗れになっている。
「ええと、まず貴方を回復しますね。
"回"……」
「やめてください!
回復魔法にも回数あるでしょ!
私なぞにつかう余裕があるのなら御主人を!!」
「あ、ええ、そ、そうね。
それじゃ、そっちいきますね。」
メンバー全員で馬車のところに行くことになり、幸い軽い怪我のようで、回復魔法で身体のけがはすぐになおる。
もちろん、NPCでも生き返るので万が一間に合わなくても何とかなるのだが、NPCにもペナルティはある。
よくあるのは財産が目減りする。
……そりゃ、雇われなら主人の心配をする訳だ。
ちなみに、例外的に子供の持ち物は親の物となっているため、万が一無くなってもペナルティはない。
そのため、前のときに街の人がケンジを取り押さえるのに子供を使っていた。
決して虐待ではない、ただ、褒められたことでもない。
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「だれじゃ、ワシを殺したやからは~!!」
回復を一通りして、ようやく意識も戻り始めたところに、街の中の教会で復活したであろう、ガラクタジジイが街の北門から飛び出てきた。
「だれじゃ!
おっと、その前にワシの死体から回収せんといかんな。」
しかし、今の姿をみてガラクタジジイと一致させることのできる人間がどれほどいるだろうか?
180cmを越えた身長のひょろ長い20代半ば位と思われる成年男性が、軽快な走りで向かっているのだ。
ローブで普段は隠されており、口調があまりにもあんまりなので、ガラクタジジイが定着してしまったのだ。
「なんじゃったかな、オールスティールとかのコマンドで全部拾えるんじゃったのう。」
自分の死体の前にくると、何やら思案しはじめる。
おそらく、インベントリの中身があまりにも多く、一種類ずつでもおそろしく時間がかかるのだろう。
なんやかんやと試してようやく一通り拾い終えると、死体は徐々に消えていく。
「まったく手間かけさせおってからに!」
消える前に何もないが発生した空間にむかって死体を蹴りあげる。
死体はそのまま消えていく。
まるで、空間に溶けていくかのようだった。
トッププレイヤーの方々は5人、内3人は名前としてはどうかとおもう。
彼らの書き分けは殆どしていません、誰が言っていてもいいので。
後、魔術は回数系のがいいかなと今回のでおもった。
ついでに以前書き損ねてた子供を使った取り押さえの意味をここに書いてみた。
昔の人は、子供も親の所有物扱いだったみたいだしね。
今なら、虐待だぁねぇ。
酔って書くと色々抜けるね。
けど、酔わないとキーボードが進まないようなのさ。