M14[メンバー4]
それから何日か過ぎて‥
シオネ委員長:
『おはよう
ございまーすっ!
今日はみんなが
わいわいがやがや
楽しんで騒ぎまくって
いいってちゃんと
校則にも書いてある
文化祭でーす!
決して去年みたいに
騒ぎすぎて
「うるさいっ!」って
近隣住民に言われて
乱闘勃発しないように
お願いしまーす』
委員長が
校内全土に轟く
長々とした開会宣言を
高らかと読み上げる。
…生徒会長どうした。
Ι
Ι
M14[メンバー4]
Ι
Ι
シオネ委員長:
『それでは〜
スタートォォ!!』
委員長がいる
部屋に設けられた
赤いボタンを押すと
校舎の屋上から
実験部による
花火が空に連射される。
テスラ:
「レイ!
仕事は昼までだから
それまで頑張って」
レイソル:
「ああ、任されたぞ!」
意外にもせよ手先が
器用であったレイソルは
持ち前の腕も活かして
お好み焼きやらを
綺麗に素早く
作り出していく。
レイソル:
「ローテーションを
早くしろヴィラジ!!」
ヴィラジ:
「言われなくてもっ」
レイソルの作る料理は
瞬く間に評判になり
最早他の飲食店が
勝てる見込みは
ゼロに近かった。
シオネ委員長:
「どう〜調子は?」
レイソル:
「見たまんまですよ」
視察に来た
シオネ委員長に
顔も向けずせっせと
役割を果たす。
シオネ委員長:
「でも意外だね。
レイがこんなに
料理上手なんて」
レイソル:
「昔の勘ですよ。
まだ弟たちが小さい時は
俺が全部
作ってましたから」
シオネ委員長:
「ふ〜ん、弟たちねぇ…
弟…おと、レイに弟!?」
レイソル:
「ん?…はっ!」
こっちに
気をとられすぎて
思わず…しまった。
テスラ:
「レイに弟!?
はじめて聞いた‥」
ヴィラジ:
「俺も初耳‥」
視線が一気に
レイソルに集まる。
レイソル:
「責務をさっさと
果たしてください」
シオネ&
ヴィラジ&テスラ:
「は〜い‥」
Ι
Ι
そして刻は昼に。
シオネ委員長:
『みなさーん!
正面玄関に設置した
巨大モニターに注目!!』
すべての生徒が
声の示す先を
向いていた。
シオネ委員長:
『ここで生徒会
特別イベント〜』
一応もう一度だけ言うが
シオネ委員長は
クラスの委員長であって
決して生徒会には
入っていない。
シオネ委員長:
『この学校の
校舎を除くどこかに
生徒会メンバー4名が
隠れています。
彼らが出す条件を
クリアしてスタンプを
手の甲に押して
もらってください』
委員長が説明するのと
同時進行で
モニターには
生徒会メンバーの
顔が映されていく。
細めの男、
堅そうな女、
呑気そうな男、
そして静かそうな‥
レイソル:
「…暁?」
目を擦ってみる。
見てみる。
顔を思い出す。
一致する‥
そう、生徒会の書記は
あの暁だった。
シオネ委員長:
『そのスタンプに
反応してさらにどこかの
部屋の扉が
解除されます。
そこが決勝の舞台です』
取り敢えず
何のイベントなのか
まったくわからない。
告知ミスだろうか。
シオネ委員長:
『優勝者には
豪華な景品が!
…ちなみに最後は
クイズ問題です。
一般の方の参加も
オーケーですからね〜』
かなり無茶苦茶だが
成り行きはわかった。
おもしろい、
俺の頭をなめるなよ
シオネ委員長。
Ι
Ι
まずは
この学校の見取り図だ。
それは既に入手済み。
校舎を除いて
隠れやすそうなのは
[体育館、トイレ、
校舎横、ホールハウス、
人混みの中]くらいか。
さて、とにかく
暁以外に会わないとな‥
「おおーーっ!!」
突然人混みから
歓声が湧き上がる。
俺も見に行ってみる。
メンバー1:
「隠れるのは
面倒くさいからね。
登場させてもらったよ。
スタンプの条件は
ジャンケンに1回でも
勝つことだよ」
余程の自信家だな。
ジャンケンに
勝つだけなんて。
ヴィラジ:
「俺が勝負だぁ!!」
見させてもらうぞ、
せいぜい頑張ってくれ。
メンバー1:
「オーケー!
ジャンケン…ホイ!」
ヴィラジ:
「ああぁぁあぁあ!!
8回連続で負けた!?」
やりすぎだ。
しかし侮れないな。
あの手はまるで‥
レイソル:
「よし、勝負だ」
メンバー1:
「オーケー!
ジャンケン…ホイ!」
相手の一瞬の考えを読み
さらにその逆手をとる。
そこで再認識をし
反応にあとは準じる。
…完璧だな。
メンバー1:
「また勝っちゃった」
レイソル:
「…!!まさか」
嘘だ、俺はどこで
計算を狂わせた。
俺の計算と能力なら
勝てるはずだったのに‥
こうなれば
ルクタシーを使って…
…無理かやっぱり。
メンバー1:
「僕には絶対
勝てないからね」
取り敢えず
あきらめることにした。