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83.公園づくり 2

ゴムボールを5つほど錬金した鍋に入れて、下から軽く火を当ててみた。

膜が少しずつ溶けて、液体になっていく。

なんだか牛乳に幕が張ったみたいになった。


覗いている内に、蝋燭のロウみたいに・・・固まった!

完全に固まったらダメじゃん!

急いで火を止めてみたけれど、遅かった。

何とか少し冷めた時に鍋から剥がして出してみたけれど、ゴム草履みたい。

まあ、これはこれで削ったら足底にいいかも?

取りあえず、何回か加減を見ていきながら試してみるしかない。


ヘラのような物を作って途中で混ぜ、溶かしてすぐにシートのようになるように、平たい入れ物に流しいれてみる。

どれぐらいで固まるかな?

固まりかけって、なんでつつきたくなるんだろう。何となく端は固まってきたのが分かるから、真ん中をツンっと。

指の跡が付いた。わかってはいたけれど、まだだったみたい。


早く乾くようにと、風を送ってみる。

少しだけ波打ったけれど、おおよそ乾いたのではないだろうか。

器に触れてみるが、熱くはない。

それならばと剥がしにかかってみるが、底が引っ付いてしまった。

ああああ、そうだよね、そうだったよ。剥がすのだから表面がツルっとしてないないと意味ないし!

色々と手伝って貰ったほうが早い。今なっているゴムの実を全部取って実験もソルの目の前でしよう!


「ソル!器をミスリルで作って!」

言いながら転移しソルがいる滑り台の方を見たら、滑り台が煙を吐いていた。

「なんじゃこりゃ?!」

口が悪くなるのは、仕方ないと思う。


「ああ、これか?ミスリルをリュビに溶かして貰ったからな、流し込んだ。ある程度冷えてきたら、表面を磨けばいいからな」

確かにそのほうが早いと思うけれど、公園が燃えているようにみえるのは、平和そうに見えないんだけど。公園に結界が張られているから誰も暑さを感じないし、この状況に気づいていないからいいけどね。

「で、器だったか?」

「あ、うん。そう」


武器を作っている鍛冶屋さんは、この状況みたくないだろうな。ミスリル扱うまでにどれだけ修業したと思ってる!なんて怒鳴り込んできそうだよ。

自重?

今更でしょ。


ミスリルで器を作ってもらったから、改めてゴムボールを溶かして流し込む。

クレープみたいに薄く作って、あとで重ね合わせて調節することにした。


土台となる足を4つ、土台とゴムの布を繋ぎ合わせる円形の土台を作って、ゴム布を2枚置いたら土台に重なるところにゴムを落として繋ぎ合わせて、固まるのを待つ。

固まったら試しにと自分が乗ってみた。


ぽいん

そんな感じで跳ねてはいるが、勢いよく飛び上がれば、破けそうな感じがする。

何事もチャレンジ!

勢いよく跳ねてみた。

あ、これ、あかんやつだった。

いきなり体が2mほど上に飛んで、着地失敗でそのままお尻から落ちた。そこで終われば良いのだが、お尻でゴムを押したことにより、ぼよん、とそのまま地面へと放り出された。

おっとととと、と。

何とかお尻から、膝から落ちるのを防ぐことが出来、足の裏で立てた。

あたし的には、8点!

―――掴まり棒、間違いなくいるね!


何度やったらダメになるのか実験をしなければならないけれど、何となくは出来る目途が立ってよかった。

これ見せて、ソルにちゃんと作り直してもらおう。正直ゴムがあちらこちらに張りついて綺麗じゃないし、力業で引っ付けているだけだから、次破けてもおかしくない感じの出来だ。

あたしって昔から何かと作ってみたがるくせに、飽きっぽくて雑なんだよね。

ソルを呼んで見てもらおう。


わあぁ、完成したんだ。楽しそう!

いつの間にかあちらこちらの滑り台に地の精が湧いていた。滑り台のミスリルを均等に伸ばして、滑るように磨いているらしい。自分がやった仕事の出来を確かめるように、あちらこちらで滑っていた。

一番楽しそうにくるくると回りながら滑っているのは、高い木から滑ることのできる長い物だった。

滑り台。長いのはやっぱりロマンだよね!

わかる、わかるよ!

これを滑らないとか、ありえないよね。

一番近くのに自分も登って、滑り心地を確かめてみた。


おお!ツルツルと滑るよ!

ハゲ親父並みに滑るよ。

トランポリンも大事だけど、これはみんなにお披露目だ!


広場で遊んでいたエディたちにも声を掛け、公園のお披露目をした。

ターザンごっごが出来る綱。

ブランコ、滑り台。

まずこれだけだけど、今までになかった遊具が出来たのだ。楽しいはず!


「おお!スゲー!」

地の精のはしゃぎぷりに、他の精霊たちも集まっている。その精霊たちが遊んでいるのを見れば、子供たちは遊び方を知るのは簡単だ。


この間増えた子供と元々居た少ない子供総勢30人。村の中央にある広場で子供たち集まれーと集合掛ければ、あっという間にみんながやってきた。こんなに集まったのは初めてではなかろうか。

「みんなで遊ぼう!」


村の中だけど、遠足のようにみんなで遊んだ。正直初めて一緒に遊んだ子もいるぐらいだ。

この世界の村の子供たちならそんなものだろう。大体畑仕事や家のお手伝い、森へ行って薪を拾ったり、薬草を見つけたりと、仕事で忙しいのだから。

ちょっと余裕が出てきた今だから、遊ぶのだ!


かくれんぼ、鬼ごっこ、やれる遊びはたくさんあるからね!

子供の中に間違いなく大人がいるが、そこは見てみないふりをした。

みんな楽しそうで何よりである!



読んで頂き、ありがとうございました。

ブックマーク&評価もありがとうございました。


今日からあっちこっちへと出張に出るため、12・4までは不規則更新。

もしかしたらそこまで滞るかもしれませんが、続きは頑張って書きますので少しお待ちくださいませ。


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