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54.お風呂と寝る準備

誤字脱字報告ありがとうございます。

感謝、感謝です!

直していないものは、わざとなのでご了承ください。

スープを作って終わるころには、野営の準備がバッチリできていた。

隣村の人たちはテントらしき物2つに分かれて寝るようで、その間に荷車が置かれている。


村長が中抜きが出来そうな場所にあるけれど、まあ仕方ないよね。野菜はまだあるといってたし、足りなかったら村長一派以外で配れるように、シエロじゃないけど取りに帰ればいいのだから。


で、あたしたちの寝る場所といえば。

ミミが(実際はエディも一緒に)張り切ったようで、小さい小屋が出来ていた。

エディ、やるな!

でも忘れていることがある。

お風呂とトイレは、絶対にいるでしょ!

スープを配るのはアマンダに任せて、こっそり小屋の裏に回る。

キョロキョロと辺りを見回して、誰もいないことを確認する。


「こちらマリー、そちらから見ての状況は?」

「こちらグンミ、みんな食事に気を取られて問題なし!」

「では、これよりお風呂を作ります!」

「了解。浴槽が出来たら水を溜めます!」


突如とはじまったサバイバルごっこ。

何となくそんな気分だったのよね。

自由にいろいろ作れないのは不便だし、普通にしないといけないのは疲れるし。モフモフ成分が足りないし、ちょっと遊びたい。


さて、遊ぶのもサッサとやることやってからにしよう。その内母さんが絶対に探しに来る。

では、早速。

流石に小屋より大きい物は作れないから、二人ぐらい入れる浴槽を作る。そしてその下を掘って火をくべられるように竈のような作りにした。

流石にあたしだけだと、全部のお湯を温められるほどの魔力が持たないからだ。

これでよし。


外から見えないように周りに少しだけ大きく壁を作る。浴槽とは別に、掛水が出来る場所と、脱衣場もつけて。

ただ今回は浄化が出来る魔道具を持ってきていないから、マンダリンの皮を石鹸代わりに使ってもらおう。

最後は薪だけど、始めの分だけはみんなが拾ってきたものから借りて、ご飯食べた後拾いに行けばいいよね。


「グンミ、水お願い」

「入れておくねー」

さあ、これでOK。

ご飯食べた後に声を掛けて順に入ってもらおう。


外で食べるご飯は美味しい。ただし、こっちをチラチラ見ている人が居なかったら、尚おいしかったと思う。


「ねえ、母さん。小屋の裏に簡単なお風呂作ったの。一緒に入ろう?」

その言葉に目を輝かせたのは、アマンダだった。

「え、お風呂!」

「アマンダも一緒に入る?石鹸はさすがにないけど、お湯で体流すだけでもスッキリすると思う」

「入る入る!村でお風呂に入るのが習慣になったから、スッキリしたいと思ってたの」

うんうん、わかるよ、わかる。

浄化でもスッキリするんだけど、気持ちが違うよね。


「みんなも頭からお湯被るだけでもスッキリすると思うから、入って。水が足りなくなったらすぐに足すから」

「それは助かる。ありがとな、マリー」

「ビールが飲めないのが残念だがな」

「ちがいねー」


あ、大事なことを言い忘れてた。水を足しても、火の元がなければお湯にならない。

「おじちゃんたち、入る前に薪が足りなくなりそうだから、拾ってきて」

「おー、わかったよ」


それだけで今からも薪がいるということを悟ってくれたおじちゃんが、立ち上がって薪を持ってきてくれた。

すぐに案内してその薪を入れてもらう。

火をつけて、ある程度薪が燃えるまで魔力を流して、これでよし!

「ありがとー」

「いいってことよ」


あ、そうそう簡易トイレも作らないと。夜に森の中に入りたくない。

穴を深めにあけて、その上に座るところを作って、周りを囲む。

何度も作ると思い浮かべるだけで出来るようになった。きっと熟練度が上がってるんだろうね。

お風呂もトイレもできて満足したあたしは、先ほどの場所に戻ってお湯が沸くのをしばし待つだけだ。


母さんの元へ行くと食後の片づけが終わるころだった。

「母さん、お湯が湧いたらすぐには入れるよ」

「もうすぐ片づけが終るから、アマンダと先に入ってなさい」

「わかった。あと簡易トイレもお風呂の横に作っておいたよ。アマンダ、一緒に入ろう」


アマンダと一緒に着替えを持ってお風呂に入った。

お風呂に入った後少なくなった水を足しておくことも忘れない。

これでよし。母さんが入った後はルコに水を足してもらおう。


そんなこんなでスッキリしたら、シエロのところに行った。

あれ?建物が増えてる。

どうやらシエロのことを心配してエディが、馬小屋を作ってくれたようだ。

「エディ、ありがとう」

「あいつらジロジロ見てきて気持ち悪い。これなら大丈夫だろ。それにこっちに俺たち家族が寝れば、シエロに触れることもできない」


エディ、冴えてる。

あたしがしているペンダントを首に巻き付けようかと思ってたけど、どうせなら一緒にいればいい。

もふもふしながら、寝られるっていいね、いいね!

それに自動的に結界が作られるから、男どもの中で女一人は寝づらいだろうし、アマンダもこっちのほうがゆっくり寝れそう。

そうなると、結界石を身に着けているエディには、一応村の人と寝てもらったほうがいいね。テーレの結界は物理的だけでなく、精神的なものも弾いてくれる。こういった無防備な場所では、魔獣や動物の襲撃よりも、人間の悪意の方が怖い。薬を盛られたりしないと思うけれど、用心し過ぎて何事もないのが一番いい。


今更だけど、結界を込めた石持ってくればよかった。自分たちが普段から身に着けているから、改めてこういう場所でいるという発想がなかった。これからはリュックがあるのだから、しっかり準備しよう。


色々考えている間に、ルコとグンミがマンダリンを食べながら、お風呂に水を足してくれたみたいで、みんなサッパリとしていた。マンダリンの皮もしっかり使えるから、とってもエコだ。


母さんとエディにあたしの考えを伝えると、母さんもそこは考えていたみたいで、そうしようと言ってくれた。

最初に作った小屋に村の男性陣、馬小屋兼小屋に女性陣ということで決まった。夜営の順番は男性陣で請け負ってくれる。

さて、ではシエロのところに行って色々と準備しましょうか。


「シエロ、一緒に寝ようね!」

「マリー、僕、ご飯もっと食べたい。この小屋の中なら、ちょっと居なくてもわからないでしょ?」


おおっ!

確かにそうだよ。これなら色々と忘れてた結界石とか、果物をさらに追加とか、出来ちゃうよね。

そして今回一番忘れてはいけない、各種調味料を忘れてたという痛恨のミスをしている。

塩、胡椒は持っていたけど、砂糖、醤油、味噌などがない。

それらはすべて、シャンスの収納の中にあるのだ。

どうせならもっと美味しいものが食べたい。


よし、帰っちゃおう!


次回「マリー、感傷に浸る」

読んで頂き、ありがとうございます。


題名が難しい・・・。

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