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アラフォー女転生 卵ガチャで目指せスローライフ! 【完結】  作者: 桜田 律 
第一章 5歳 スキル『ガチャ卵』の真相
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4.『テーレ』チート

いつもの食事、固めのパン(全粒粉でできたパンに近い)に水、屑野菜を入れたスープ。そして昨日がスキル授与の日だったから、お祝いで用意されていたポム。洋ナシのような形をした甘酸っぱいりんごの様な味がするフルーツである。

テーレはどれも食べられるようだったが、ポムが好きなようだった。やっぱり木の精霊だから、自然の物が好きなのかな?ちょっとずつ確認して行かなくちゃ。


テーレが小さく切られたポムを小さな手で持ち、一生懸命食べている姿は凄く癒される。それはみんなも同じようで頬が緩みまくりである。


あたしが見ていたのが気になったのか、父はごほんと咳払いして話を始めた。

「では、テーレについて話そう」

父が鑑定をかけてわかったことは、あたしの守護者になっていること。スキルが3つあり、『結界』『癒し』『眷属育成』ということだ。

「結界は一般的には非常にレアなスキルだが、持っている人はいる。ただそういう人は王族や貴族に囲われている場合が多い」


ああ、やっぱり貴族とか王族とかいるんだ。記憶を取り戻す前なんて完全に野生児で、目の前のことにしか興味なかったもんね。記憶戻ってからは、スキルが手に入ることを楽しみにしすぎて他は何も考えられなかったし。村人だと学校もないし、魔法もスキルがあれば発動するのが当たり前で、何故発動するのかなんて、考えることもない。そういうあたしも、スキルが使えてワクワクしかない。


「結界を張る範囲はその人の持つ熟練度で違うとも、素質とも言われているが情報が表に出てこないから定かじゃない」

「そうね。周りにも持っている人いなかったわね」

「すげー!」

「マリーの守護者で結界もちとなると、マリーに仇なすものは近寄ることが出来ないのだろう。どの程度なのかは、追々調べるために一緒に森の入口まで行ってみるか」

「おおおおおおおお!森にいける!」

「入口だぞ、入口!」


あたしのあまりにも高いテンションに若干引き気味の父は、あくまで入口だと言う。それでも7歳まで禁止だと言われて、昨日までエディについていくことも出来なかったのだから、薬草や果物を取りに行く野望(髪や体を洗う為に必要な物を揃える)の一歩前進だ。


「そういえば、マリーはどうしてそこまでして森に行きたいの?」

母よ。言い方は柔らかいが、何故か目が光っている気がするのは気のせいなのだろうか。


「テーレにおいしいくだものあげたい。そして、かみの毛つるつるに…」

「入口と言わず、森へ行きましょ」

母、即決。

最近あたしを見るたびに無言の重圧を感じていたのは、気のせいではなかった。野生児でしかなかった娘のぼさぼさの髪の毛に、突然艶が出てきたのをみて、何をしたのか絶対に気になっていたに違いない。


「いきなり森へ入るのは、危なくないか?」

「大丈夫よ。私も行くから」

「じゃあ、僕も行く!」

どうやら家族みんなでピクニック?になるらしい。


「テーレ、みんなもまもる!」

テーレが可愛い、可愛いよ!手を腰に置いた(置けてないけど)どや顔に癒される…。


「まあ、レアな癒しの力も持っているみたいだから、毒消しのポーション持っていけば、どうにかなるか」

うんうん。


「この眷属育成というのは、初めて聞いたが」

「うーんとね。テーレ大きくなったら、けんぞくふやしてサクレそだてる」

「サクレを増やせるってことか?」

「うん、そう」


「サクレがあるだけで、周りが浄化されると言われている幻の聖なる木を増やせると…?」

「テーレのけんぞく、ふえるの?」

「ふえるの!たのしい」


父、母ともに、フリーズしました。

どうやらテーレは規格外のようだ。チートキターーーーーー!


あたしのテンションに当てられて、テーレが部屋の中を飛ぶ。宝石の緑碧玉の色のような力強く深い緑色の髪の毛が靡くたびに、ハーブ園のいる時のようなさわやかな香りが辺りに漂う。

テーレがいるだけで森林浴をしている気分になりながら、あたしとエディは山に行ったら何をするかを話し始めた。


冒険、冒険がこれから始まるよ!

スローライフの第一歩だ!


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