26.マリー7歳になりました。近状をお知らせします。
第二章 マリー7歳 です。
よろしくお願いします。
マリー7歳になりました!
幼女は脱しましたが、残念ながらまだまだ子供です。なので、まったりと村で過ごしています。
村はこの2年間でかなり発展しました!もう町と言ってもいいのではないかと思いますが、皆の総意でまだ村ということになってます。
――――――というのも、ちょっと近隣がうざい。元々この村は色んな所から色々と行き詰った方が集まって出来たところ。父さんは「元精霊の森」と呼んでいたけれど、世間では「魔の森」とか「死の森」と呼ばれどこの国にも属していなかった。当然川を隔てただけのこの場所に村を作っても、誰も咎めることもなく今までやってこれていた。
だというに!精霊の森として復活したとしった隣村の奴らが、森の所有を主張してきた。なんともフザケタ話である。隣村と森はどこにも隣接しておらず主張できるものは何もない。悔しかったら森に入ってみたら!!って煽ってやりたかったよ。母さんとエディにはやっちゃう?なんてノリノリだったけど、胃をそっと押さえた父さんが止めていた。
誠に残念です。ハイ。
「なんで母さんに似たんだ・・・」
その独り言聞こえたら後が大変だから、ボソッと言うのやめて。
まあ、DNAを少しだけ感じることはよくある。元の性格では「強いものには巻かれろ」間違えた「長い物には巻かれろ」で争いを好むほうではなかった。まあ、晩年はおばちゃん根性である程度主張することも、あったかもしれないけれどね。
あ、何故母さんって話?ここだけの話だよ。
聞いた話によると母さんは隠してはいるけど、実は父さんと同じ元A級冒険者で「水爆の女王」という二つ名があったんだって。凄いよね。二つ名だよ。思わずwwwwwwって感じだった。
二つ名を示す通り、怒らせると手が付けられ・・・。何でもないです。
背筋に寒さを感じましたので、母さんの話はここまでにします。
そういう訳で、好戦的な者に好戦的に返そうとするあたしに、父さんは焦っている。まあ、チート精霊たちがいるといっても7歳だからね。あたしでも7歳がこんなに自由にしていたら、以前のように胃を壊していたと思う。
だけど、使える能力を使わないとかあり得なく、持てる力でもって村を魔改造したよ!
まずサクレを増やして村の周辺に植え、浄化されたところを村に取り込み外壁を強固にした。
その結果、村の外にあった畑はすべて外壁の中にある。村の人たちが獣や魔獣、それだけでなく不届き者に襲われる心配がなくなった。
砂糖は作れるし、塩はソルをはじめとする地の精が運んできてくれるし、野菜やお肉も心配ない。
衣食住の衣も綿や羊を飼うことで解決。周りは未開拓地だらけだから、いくらでも使う場所があるのはいいことだ。町だったら水量問題や臭いの問題など出たと思うし、村って最高!
トイレも浄化槽にしたし、公共のお風呂男女別をちゃんと作ったよ。
女性用は二つ。その内一つはヒノキのように香りのする木のお風呂、もう一つはあたしが川の砂で錬金で作った白い艶やかな窯のお風呂。木のお風呂には日替わりで体が温まる植物を入れ、白い窯の方にはイメージ通りに肌が綺麗になる実や果物を入れ、香りとともに潤いをアップ。
女性には若返ったととても評判のお風呂だ。
男性用も二つ。一つは女性用と同じで木のお風呂で作用も同じ。二つ目はごつごつした岩風呂にした。同じようにしようとしたら、エディに文句を言われた。チャラいお風呂は嫌だと。ちょっとムカついたけれど、まあエディも12歳。そういうお年頃のようで、色気づき始めた結果なので仕方ないと思うことにした。
ただ村だけにそういう場所がなく、色々と女性に関しての情報を得られることがないために、アプローチは掠ってもいない。
せめてプレゼントは自分の好きな肉じゃなくて、せめてお花とか果物とか、可愛いもふもふとかにすればいいのに。
まあ、エディのこともこれくらいにして。
村の様子に戻ると、野菜、果物は充実し、米・小麦ともにも安定しているために食い扶持も充実。錬金により蒸留器が作られ、果実酒やビール、米酒、焼酎など安定して出来ているので、村の人たちも精霊も大喜び。森、水、地、火の精も成長し中位精霊が増えてきたんだよ。中には村の人たちと信頼関係が取れ、契約する精霊たちも出て、みんな嬉しそう。
ちなみに、父さんは森の精、母さんは水の精、エディは地の精と契約している。スキルからして相性も抜群で、納得の組み合わせだった。
残念ながら、空の精とは会えてない。みんなが森へ行って誘っても頷かないらしく、しょんぼりして帰ってくるテーレ、ソル、グンミ、リュビを見ていると、切なくなる。
あたしが行って話をしたいところだけど、流石に森奥深くには護衛代わりの精霊たちやフェンリルのシャンスが居ても、父さん、母さんともに了解が取れない。みんなで行けば…と言っても、子供二人抱えて冒険は無理だと言われた。世間的には、ごもっともな話。
戦力で言えば、過剰なほどなんだけどね。色々とやらかして魔改造してても、7歳として扱ってもらえるのも嬉しいから、強くも言えない。ここで押しすぎると、子供では通用できないんじゃないのかという恐れもある。
シャンスの背に乗っていっても、普通に行けばどんなに早くて二日もかかるそうだ。会って説得が成功すれば、帰りは転移魔法で一瞬だと言っていた。
流石空の精。時空間を操るのはお手の物らしい。
7歳ということで言い訳にしてきたけれど、そろそろ本気を見せる時がやってきたのかもしれない。
空間魔法に負けたわけじゃないよ。でも、憧れはあってもいいよね?収納カバンが錬金で出来たらと思うロマンでしょ?
それに危ないことや不便なことは嫌だけど、今なら快適に旅が出来る気がする。そう、冒険ではなく、旅である。
そうだよ!みんなで旅というのなら出来るのではないだろうか。村で自給自足が出来るため荷馬車は作ったけれど、ちゃんと人が乗れる箱型の馬車は作っていない。
これは作るしかないんじゃない!
え、森だから馬車が通れるかどうかわからない?
なかったら作ればいいだけでしょ?通れるようにだけ、切らせてもらえばいい。
え、何テーレ。切らなくても、テーレが木を移動させることが出来るの?それ凄いね。流石ドライアド。
ちなみにテーレはあたしの成長を追い越して、どこからみてもお姉さまにしか見えない。始めに思ったイメージ通りのドライアドになった。ボンキュッボンだよ。
あまりそれに触れると色々と怖くなるので、それは置いといて。
まず馬車を作ってみてから、家族旅行を提案してみよう。