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アラフォー女転生 卵ガチャで目指せスローライフ! 【完結】  作者: 桜田 律 
第一章 5歳 スキル『ガチャ卵』の真相
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24.やってきたもふもふ団と魔道具

「シャンス、酷いじゃないか」

どうやら大きくなったシャンスが楽しくなって走った結果、とーさんを置いてくることになったようだ。

「くぅん~(ごめんなさーい)」

耳が垂れた様子も可愛いのであたし的にはうふふなのだが、とーさんにしたらフェンリルと言えども昨日まで庇護する対象だったぐらい小さかったのだから、大きくなったとしても焦っただろうな。

そんなとーさんには果実水ポーションで癒してあげないと。


「とーさん、これ」

水筒を渡すと一気に飲み干した。シャンスを追いかけるのが大変だったらしく、必死で果実水ポーション飲み回復しながら追いかけてをしていたら、足りなくなっていたらしい。

お疲れ様です・・・。


「生き返った」

果実水ポーションを飲んで体力は復活した父だが、精神的には疲労がたまっているらしく顔の皮膚がくすんでいる。まるで前世のあたしの週末みたいで、早く帰ってビールでも飲んで一息ついてもらいたい。


「帰るぞ」

「とーさん、狩りはできた?」

「ああ、かなり大量にある。シャンスが冬の間食べるのに困らないぐらいはあるんじゃないか?シャンスの母親とその兄たち2匹もシャンスの成人祝いだと張り切っていたからな」

「スゲー!フェンリルってやっぱりスゲー!」

エディのスゲーはお肉が狩れるという点だが、あたしは大型もふもふが目の前にあったことが凄い!と思う。もう少し大きくなったら、会いに行きたい。

とりあえずお風呂も作ったし、食事は美味しくなってきているし、このまま魔改造やっちゃって、美味しいものを持って行って、フェンリルという極上のもふもふの中に突入という目標を持つのもいいのでなかろうか。

うん。良いと思う。



帰りは大きくなったシャンスの上でウトウトと舟をこいでいた。錬金をやって魔力を使ったこととお昼寝をしていない為、体力が限界になっていた。

シャンスの毛並みが成人したからなのか、もふ具合が増えふわふわで気持ちがいい。そのまま突伏するように白い毛の中に沈んでいった。

もふもふベッド最高!

黒い卵はシャンスの上でバランスをとるように揺れているが、そのことに誰も突っ込むことはしない。




朝、起きました。

テーレがいうには、どうやら自覚ないまま魔力の使い過ぎらしいです。

果実水ポーションを飲み切っていれば、魔力切れにならなかったみたいだけど、あの場合は仕方ないと思う。

さて、今日することはいつものように卵に魔力を上げることと、米をひっそりと作ること。

岩塩のことも気になる。

だけど、一番はかーさん孝行しないとね。


というのも、あたしはもふもふベッドの上で、お昼寝タイムに入っていたので詳しくは知らないのだが・・・。

テーレが言うには、表立ってはグンミが『酒』のことを言っていたから、あたしが引き起こした騒動だと知ることもなく、村人はこちらも食料融通してもらっているから、「お互い様だよ」と、慣れた様子で収穫をしてくれたみたいだけど、かーさんは、てんてこ舞いだったらしい。


ごめんなさい・・・。

村の皆さん、美味しい物を作るからそれで許して!

冬が来る前に色々するリストが増えたから、頑張らないと。


「マリー!マリー!」

「おきてるよ、かーさん」

「そうじゃなくて、そうだけど、ちょっと来て」

かーさんが慌てるのは凄く珍しい。色々精霊たちがやらかしたのにも、一番馴染んでいるのに。



「マリー、サクレの下に集まっている子と宝石いしはソルが関係してない?」

抱っこされてそのまま外に出たら、とーさんが途方に暮れていた。

降ろしてもらい、てくてくと歩いていくとそこには、お宝の山だった。

「ほえぇ~」


間抜けな声が出てしまったが、それも仕方ないと思う。

そこは本当にお宝の山だったのだ。ソルより一回り小さいもふもふ団とそのもふもふが出す宝石や魔石らしき物が小山になっている。あ、あのうすいピンクの塊は岩塩?


ソルが話をしているが、どうやら探していた仲間たちのようだ。

ソルの仲間が増えるのは嬉しい。ソルも寂しくないだろうし、色々村も助かる。だけど岩塩のように消耗品ではなく、目に見えて価値のあるものが沢山あるのは、正直争いのもとになるイメージしかない。

「シャンス、しまって」

とりあえず隠すだけでは解決にはならないけれど、目に見えない分落ち着ける。


「なんで仕舞うんだ?」

「ソル、にんげんにはみのたけにあった物がだいじ。いし、たくさんはあぶなくなる」

「ああ、そのことか。大丈夫だ。魔道具にするから魔石以外なくなる」

「なくなる?」

「材料として使うからな。溶けてなくなるから問題ない」


いやいやいやいや。ソルさんや。溶けてなくなるって、それはそれでどうなのよ。始めから使っていることをしならなければ怖くないけど、事実を知ってしまったらおいそれと使えないよ。壊れたらどうすんのよ! 弁償できないじゃん。


「しかも俺たちの秘儀だからな、壊れない。魔石を交換するか魔力を入れればまた使える。便利だろ?」

便利だろ?って、済ませていいもの?いや、いけないと思っているけど、色々便利になるのは正直嬉しい。だから、いいのかな?

「ちなみに、なにをつくるの?」

「まず始めに錬金釜と、肉を凍らせる入れ物にトイレだ」

「れんきんがま!!にれいぞうこ!トイレ!」


テンション上がる!思わず両こぶしを握る。

いいんじゃない?いいんじゃない?便利になる世の中万歳だよ。

この際中途半端な魔改造でなく、徹底的に文明を起こして突き抜けたほうが、いい気がしてきたよ。ちょっとずつ便利に慣れてもらって、ないと困ることになれば誰も反対しないと思う。

あたしの中で決定事項となっている魔改造に、覚醒したとーさんが待ったをかけた。


「ああ・・・ソル、便利になるのはいいことだが、何でもかんでも精霊たちに任せてしまうことが当たり前になって、我々が驕ってしまいまた昔のように袂を分かつようなことには、なりたくないのだ」


父のその言葉を聞いて、頭を鈍器で殴られた気がした。

そうだった、そうだったよ。人間のせいで同胞が狩られて行くのを見てリュビは苦しみ、精霊王は嘆いて消えて行った。ソルだって、ずっとボッチだった。

あたしが一番気が付いて確かめなければならないことだったのに、魔法少女になる!とか痛い子になっちゃってたし、自分がしたいことを優先させてた。

ごめんね、ごめんね、色々ダメな子で。


「気にするな」

肉球のぷにぷにで頭をポンポンされた。それは、ご褒美・・・。

リュビもグンミをやってきて、あたしにくっついた。何故かやってきていた黒い卵までも足元にいる。


「ホセ、これは報酬です。ずっと精霊王を呼び戻したかった私たちの願い。それが順調に進んでいるのは、村人たちの手伝いがあってこそ。私たちの事情に巻き込んでいるのだから、それが少しでも楽に出来るのならば、お互い様になるでしょ?」


テーレ、凄い。カッコいい!

脳内のあたしより言い回しとか、言い方とか大人なんですけど。


「でも、なあ・・・」

父がそれでも言い募ろうとしたとき、あたしの足元で異変が起こった。

な、な、な、真っ白で何も見えない!

何事!!

もしかして!


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