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アラフォー女転生 卵ガチャで目指せスローライフ! 【完結】  作者: 桜田 律 
第一章 5歳 スキル『ガチャ卵』の真相
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23.錬金と米 そしてシャンスの能力

夢中になって遊んだ砂遊びは、思いのほか楽しかった。リュビもソルも毛の中に砂が思いっきりかかって、面白いことになっていいる。

あたしも服の中は砂だらけで凄いことになっているが、やり切った感がある。

笑い転げる毎日。

あたしのスローライフだよ。


お昼にはエディと一緒にパンをもぐもぐ。お昼のパンはドライフルーツを混ぜたパンで、少し歯ごたえがあるが、ほのかに甘い匂いと噛んだ時の甘さで美味しい。

ぐびー。果実水は体に馴染むね!

エディもお昼前まで木刀を振り回し気が済んだのか、パンを食べた後は砂で遊び始めた。

この砂の良さがわかるとは、エディ流石だよ。


あたしは果実水飲んで気合十分になっているので、当初の目的魔法少女の続きをしてみることにする。

「れんきん」

おお!形だけはどこぞのショップぐらいのお皿にはなった気がする。

調子に乗って幾つか作ってみると、楽しくなってきた。

カレー皿みたいなの次は、やっぱりお茶碗。大・中・小と4つ作ったところで、エディにスープに入れるには浅すぎないかと言われて、我にかえった。

米、米がない。

村には無いものと諦めていたけど、そうだよね。そうだよ。なければ、作ればいいんじゃない?

「ねえ、グンミ。コメで作ったおさけ、のんでみたくない?」


あれ、辛口も甘口もどちらも味わいがあって美味しい。バブル時代には呆れるほど呑んだけど、嫌いにならなかったなぁ。特に凍らせたお酒なんて、絶品!

しずく酒、呑めないけど、呑みたいね。

黒卵もそうだそうだと、凄い勢いで縦揺れになりましめた。

もう、卵という生き物でいいんじゃないの?あたしの思考読んでいるし、もう生まれてるよね?

相変わらず、よくわからない卵だ。

卵が変なのは今更だ。返事がないグンミを探してみたが、居なかった。


「グンミ?」

さっきまでその辺りを、飛んでたよね?

「マリー、グンミに酒の話はな~」

「そうだぞ。わしはまだ酒にそこまで執着はないが」

えっ、とー、やっちゃった?

ソルとリュビが揃って頷いた。


あああああああ!マジで!あたしどれだけやらかしたらいいの?!

現在お砂糖と胡椒をテーレや森の精が増やしている最中だと言うのに、また魔改造させてしまうとか、規模が大きくなるという自覚がなさ過ぎた。

米が出来たらいいな、そんな軽い気持ちがまずいことに。

軽はずみな言葉を気をつけなければと思っていたのに、欲望に負けてしまった。


ただ、ちょっとだけワクワクすると言ったら、怒られるかな?

米、米だよ。お弁当と言えば、おにぎりだよ。

醤油も味噌もあるんだから、つけて焼いたら絶対に美味しいよね。お魚はないけど、お米にお味噌汁ってありだよね!

そんなことを思いながら、ルンタッタ、ルンタッタと体を揺らしながら、鼻歌を歌っていた。

黒卵も一緒に横揺れする。


お米、お米、美味しいお米。

味よし、香りよし、腹持ちよし、日持ちよし。みんなの救世主その名もお米!

遠出のお供にお米は如何ですか?

なんちゃって。


「なあ、マリー。浮かれるのは早いと思うぞ」

「そうだな」

「なんで?」

「さっきグンミに米を食べるなんて話、出てこなかったぞ。お米のお酒の話はしてたがな」


え、え、ええぇっ

してない。した覚えない。

ショックで膝をついた。

あたし騒ぎを大きくしただけで、自分の望みは叶えられないってこと?


「何やってるんだ」

膝をついたまま動かないあたしに、エディに不思議そうに聞く。

「おコメがおさけで、たべられない」

「意味わかんねー」

自分でも何言ってるのかわからない。

「食べたいなら、作ればいいんだろ?」

復活!


そうだよね。自分が食べたい分は自分が育てればいいのだ。自分が魔女っ娘になってたの、忘れたよ。

「エディ、えらい!」

「そうだろ、そうだろ。だから、美味しいお肉頼むな」

安定の肉大好きエディだった。


それからは早くとーさん帰ってきてよと、まだかまだかと森を見ていた。

それから一時間ほど経った時、やっと森から出てきたシャンスの姿が目に飛び込んできた。


「シャンス!」

ん?大きさ可笑しい。可笑しいよね?

なんでまた大きくなってるわけ?この世界の法則が全くわからない。完全にあたしの大きさを超えているのを見ると、子フェンリルの域は超えてる気がする。

「シャンス、大きくなったね」

『そうだよ。これが僕は大人になったんだ。かあさんにマリーから名前貰ったこと伝えたら、成人の儀をしてくれたからね』


成人の儀なんてあるんだ。フェンリルの世界も人間と変わらないのかな?

『マリーをいつでも乗せられるよ』

森への行き来は楽かもしれないけど、カンガルーみたいなもので袋に入って移動は出来ないのは残念だ。落ちないように、乗る練習が必要だ。

『マリーを落とすなんて絶対にないよ。僕は空間を操れるからね。マリーを僕に固定できるから』


なんですと!来ましたよ。空間魔法。あの収納魔法とかが使えるやつですね。所謂アイテムボックス。あれはあたしに欲しかったね。あればどこでも生きていけそうだし、今日作ったお皿とか砂とか全部持って帰れる。

『大丈夫、全部持って帰れるよ』

その言葉にホクホクしてしまう。

「ソル、おねがい」

「ハイハイ、砂の追加だな。仕方のない奴だ」

はい、仕方ない奴なので男前ソルさんや、頼んだよ!

早く帰りたいのも間違いではないが、砂が欲しいのも間違いではない。しかもとーさんがまだ帰ってきてないからね。戻ってくるまでの時間の有効活用である。


とーさんが心配じゃないのかって?

とーさんがそこいらの動物に、魔獣が出たとしても負けると思っていない。とーさんは、強いんだもん!

しかも!とーさんにもあたしよりは質は劣るけれど、結界と治癒が付与された宝石いしがミサンガに編み込まれているので、問題ない。もちろん、エディもかーさんも身に着けているよ。



シャンスより遅れて30分ほどした時に、とーさんが息を切らして戻ってきた。

かなりお疲れのようだ。

頑張れ、とーさん!

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