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164.海の精「タラサ」

船の5mは結界が効いているからそこまで来てくれたらテラバードも入って来られないし、海の精も一休みできる。本当は30mぐらいに設定したかったんだけど、魔物を狩ろうと思ったらそうしないと出来なかったんだよね。

さて、テラバードを一掃した方が早いんだけど、3人が楽しそうに狩ってるから邪魔できない。海の精も襲われて体力もないだろうし先に捕獲しに行こう。


「シャンス、あそこまで行って」

『わかった!』


一気にそこまで飛んでもらって、その子のところまで行けば勝手にテラバードが弾かれた。

何が起こったのかわからないらしく、かなり怒ってる。

風刃のようなものが飛んでくるけど、逆に跳ね返されて自分の羽を切り落としてた。

テラバードが落ちていくのをシャンスが寂しそうに見ている。

仕方ないなぁ。

シャンスに甘くなっていると思っても、極上の鶏肉なんて注釈が見えちゃうとね。落下していくテラバードの首をポンと刎ねた。

シャンスがもう一つの羽を噛みしっかりと確保したのを見て、船に戻ることにした。首が下に向いているのでいい感じに血抜きしながら戻るのはいいけど、血の匂いに誘われていろんなのがこちらの気配を探り出した。そしてその気配が森の王者フェンリルのものだと分かると、引いていくモノが殆どだ。ただ海の精を執拗に追いかけていたテラバード残り4匹だけは別で、フェンリルの気配すらわかっていない。Bランクの魔物如きが・・・なんて長が居れば一噛みでおわらせそうだけど、それだけじゃない気がする。


「シャンス、取りあえずそれ仕舞って」

『うん』


「さて、初めまして海の精さん。怪我大丈夫?」

『大丈夫・・・』

「大丈夫じゃない感じがするね。怪我してるなら治すよ?」

『えーと、お腹空いた』


え、海の精って何食べるの?

『魔力を渡すので大丈夫』

テーレがシャンスの上に現れて、答えた。

魔力ねぇ。

この子に注入する感じでいいのかな?


指先で触れ、水をやるように注いでみる。

体の中から抜けていく魔力、始めはゆっくりだったのに、一気に抜けていく感じがあった。

ちょ、ちょっと待って。

あんた遠慮なさ過ぎでしょ。

慌てて杖を出して自分の中の魔力を補った。

それでも遠慮なくなくなっていくので、無理やり手を放した。

悪者に精気吸われているのかと思うぐらい酷い。


「テーレ、これはないよ」

「うーん。この子から魔力を強制的に抜かれてるわね」

「なに、それ!」

「繋がりがないから、状況はわからない。この子がマリーの契約精霊になれば助けることも出来るけど、これ以上は危険な気がするわ」

目を瞑って魔力を受け取っていた海の精の目がカッと開いた。


「なる!お願い!」

それだけ叫ぶように言葉を発したと思ったら、そのまままたぐったりとしてしまった。


契約精霊じゃないから詳しく見れないけど、この子が呪われているのは分かった。だったらクロやグンミの助けも必要になるかもしれないから契約してしまおう。大概のことならどうにかなる戦力はあるし、世界樹の葉もアリアもいる。


「海の精、あなたは『タラサ』精霊島の守護者に」


その瞬間可愛い感じのイルカから迫力あるクジラのようなフォームに変わった。

ええええええええええ――――――――――――――――ッ。


デカッ。

1mぐらいのイルカが5mのクジラになったら驚くよね?

こういうところが異世界あるある?


いや、そんなことを感心してる場合じゃなかった。


タラサ(海の精) 聖女マリーの契約精霊 精霊島の守護者

元 マレアイスラ(潮流に囲まれた島) に囚われたいた海の精霊 聖女マリーとの契約により呪縛が解き離れた。


なるほど・・・?

そんな国があったのか。

で、憶測だけど、七色草のことを知ってるから、国の海に呪縛して作らせた?ってこと?


『そうだと思うわよ。この子から強制的に魔力が流れるようにしてて、作らせてたみたい』

杖を握り、ソルとテーレに意識して繋がれば、遠く離れた海の底が見えた。あたしの流した魔力が充満したのか、七色草が生えてきている。

ムカつく。


七色草が生えてきたことで大騒ぎしているような気配があるが、こんな奴らに渡したくない。

『では、手伝おう』

精霊王の声が響いたと思ったら、七色草がごっそりと海の底に沈んだ。

消えていく七色草を必死で捉まえようとする人間たちがいるが、精霊王の力の前に敵うはずがない。引きずり込まれそうになり手を放した。


その瞬間、ずりっと魔力が戻ってくる感じがあったと思ったら、七色草が目の前に生えた。

『我らの子を助けてくれて、ありがとう』


「いえ、良かったです。助かって・・・えーと他の子もここに呼びますか?」

『それはタラサがやるので、目の前にある七色草を与えてもらいたい』

「わかりました」


精霊王の魔力を浴びたからか、七色の輝きが凄くて眩しさが増し増しで若干目が痛い。

タラサの口元に持って行けば、目が開いた瞬間それらを丸呑みした。

ゴォ――――――――。


流石にあたしは呑み込まないように気を付けた様だけど、シャンスがあたしを抑える程凄い吸引力だった。流石5mのクジラ。

凄いなぁーって見ていたら、タラサから水刃のようなモノが放たれた。

電光石火でテラバードを水刃で叩き落したと思ったら、不思議な声で鳴き始めた。

いや、詩に近いのかもしれない。雰囲気が森の精の輪舞のようだ。


『タラサはマリーの契約精霊になると同時に本来の力を取り戻した。それ以上に精霊島の守護者という称号を得たことで、大精霊になった。海の精の長となったタラサが仲間をここに呼んでいるのだ』


大精霊!そんなつもりで言ったわけじゃなくて、海にわかめが生えたらいいなーって言うちょっとした思い付きだったんだけど、結果オーライ?

まあ、やらかしたことは確かだけど、精霊助けだからね!

結果よければすべてよし!



なんとか書けた!

拙い文章を

読んで頂きありがとうございました。


今年の更新はこれで最後です。

来年もよろしくお願いします。

良いお年を!


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