表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
150/193

149.妖精村の決断

午後、お昼を食べてから妖精村にお邪魔した。妖精村でも水の精が炭酸を作って勧めたのもあって、それなりに浸透していた。遊びに行って出されたのが今までのように果実水じゃなくて、炭酸水と言うところからよくわかる。

お酒を原酒に近い状態で飲むのが好きなドワーフの皆さんには微妙みたいだけど、その他の人には好評のようで何より。

「今日はね、海魚を持ってきたの」


初めて食べるだろう魚を物珍しそうにみんなが集まってみている。捌き方は今度代表で誰か習ってもらうとして、捌いたものを持ってきた。


「今度ね、発見した島で獲れるんだよ」

「ほお~。島とな」

「うん。サクレ植えたから、その範囲は結界が効いてるから問題ないよ。まあ、奥の山にはワイバーンがいるけど、シャンスいれば絶対に来ないし、浜にはこの貝や蟹たちが食材になりに来るから、食べる物には事欠かない感じ?」


色んな種類を出して食べ方を伝えた。醤油もワサビも渡したから酒の肴にしてもいいし、食事にしてもいい。それぞれ好きな食べ方をして欲しい。


貝の中に入っている真珠に興味を示したのはフェアリーたち。この真珠の凄さを理解できるなんて、凄いよ!

ネックレスとか、ピアスに加工するというので、貝ごと渡した。

自分が身に着けるというのは想像がつかないけれど、見るのにはいいと思うんだ。目の保養になる。


「じゃあ、食べてね!」


まさか、これが妖精村の人達の運命を変えるとは思ってもみなかった。


3日後、精霊村にやって来たヨルじい。いつもの物々交換ではなさそうで、何事かと父さんと一緒に話を聞いた。

「聖女マリーよ。今まで匿って頂きありがとうございます」

「ヨルじい?」

「我々の傷は十分癒えました。このままずっとなんの悪意もない、危険もないダンジョンで匿って頂くのは・・・」

「そっか。そうだよね。今まで培ってきた経験が活かせないのも、廃れていくのも、駄目だもんね」

「はい。安定した生活の中で、子も生まれ始めましたし」

「うん。子供に伝えていく技術も、大事。精霊島でいいの?」

「お許しを頂けるのなら、一から始めてみるのもいいかと思っています」

「勿論大丈夫。誰か住んでもらったらって思ってたから」


「ありがとうございます。まずは少数人数からと思っています」

「うん、わかったよ。だからヨルじい。いつもの話し方でお願い」


「はぁぁ。相変わらずじゃ」

「人はいきなり変わらない」

「凄いことをしている自覚は、あまりなさそうじゃ」

「おお!分かってくれるか、ヨルさん。マリーは無自覚で色々やらかしてな」

「父さん!」

「まあ、そのやらかしのお陰で誰かの役に立っているなら、いいことだ」

「その恩恵に預かっているわしらが言っていいことかわからんが、無理はしないで欲しい」

「無理?ああ・・・チョコレート事件以外では、そこまでじゃないかな。島だって魚が食べたいってあたしが言い出した結果だったし」

「チョコレート、な」

二人で遠い目になった。あれは、本当に怖かった。


「いいかのぉ」

「ああ、ごめんね」「すまない」

どうやら違う世界に二人とも入り込んでいた。


それから三人で話し合いをした。妖精族が独立することはとても良いことだと喜ふ。ただ3日前にメリットばかりを話したから、デメリットもしっかり理解してもらってから決めてもらいたい。

人間から拘束される危険性はまずないが、それ以外の脅威は今まで以上になる。結界から一歩でも出れば、危険に常に晒されていることを理解してもらわないと。

周りの魔物は高ランクばかり。海の食材を取るのは、命懸けだと思う。畑はサクレの中で作ればいいから問題ないけど、動物類っているのかな。ワイバーンがいる時点で、小動物がいるイメージがない。実際に自分の目で確かめてからじゃないと何とも言えない。


そのことを話した上で、もう一度話し合いをしてもらうことにした。

それでも移り住むという決断が出たなら、まあ、手が打てないわけじゃない。島全体を魔改造するつもりだったからね。



さて、移り住むことを前提に一度しっかりと調査してみようか。


護衛にとシャンスを連れ精霊島に飛んだ。

島全体に鑑定を掛けたいから、クロにも手伝ってもらう。


脳内に3Dの画像が浮かんでくるが、まだ負荷がかかるので2Dに切り替えてもらう。

大雑把な生態をみるが、ワイバーンを筆頭にAランクの魔物ばかりしかみえない。植物はかなり珍しいこの島ならではのものが多くあるようだけど、海、山ともに、ヤバいよ。あたしたちにとっては食材でも、このままなら妖精族が食材になりそうな気配しかない。


うーん・・・。駄目だと思う。

ん?あれ?

近くにある地図にも載ってないような小さな島、発見。

って!ちょっと!

あんたたち、どんだけチートなのよ!

島を作るとか、恐ろしい子達。

あ、いや、怒ってないよ。素直に凄いなぁって思うよ。あたしの常識が崩されるだけで。

丁度いい島がないなら、作ってしまえ、精霊達。って感じ?全くまとまってない句だけども。


そしてサクレを植えてしまえば、あっと言う間に自分たちの島だ。

ここなら今飼育している動物たちを連れていけばタンパク質は補える。畑も耕せば出来る。ただ狩り(漁)をするのは少々デンジャラスって感じかな。


さて、後は実際島に行って確認だ!



読んで頂きありがとうございました。

ちょっとずつブックマーク&評価が増えて嬉しいです。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ