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148.宴会と網の使い道

戻ってすぐにお風呂に入った。慣れない手つきで捌いたのと、海水が飛び散ったから身体とか髪がベトベトだ。

すぐにまたベトベトになるのにって?そういう問題じゃないんだよ。


父さんと母さんに魚たちを一つ出しては説明し、長に小さくしてもらってから捌いてもらい、また大きくする。それを繰り返して一種類ずつ出来たならそこで止めた。足りない分は貝を出せばいいと思うし。


生で食べるのが苦手な人は、簡単に焙って食べて貰うようにして大皿に盛りつける。丸呑魚だけは多分生姜で炊いたほうがいいと思うので今日は出してない。鬼ダコは酒と砂糖を入れた醤油タレに付け込んでいるから、各自焼いてもらうことにしている。今度はてんぷらで食べてみたいものだ。


続々と集まってきた村人たちがテーブルにお皿を並べていく。子供たちも初めて嗅ぐ匂いに、鼻をひくひくさせながら出来上がるのを待っていた。


父さんの乾杯の声で宴会が始まった。

子供たちの面倒をみんなで見ながら、ワイワイと食べる。それを見ながら手巻き寿司もいいかもと思ったが、海苔ってどう作るんだっけ?海の中に海苔の元なんてあるのかな?あれば増やすのはすぐにできそうだけど。海の中に潜るってことが出来なかったからね。次回かな。

後、わかめと昆布も。


さあ、まずは食べるぞ!


縄を作ってくれたおじさんのところには、今回ここに出してない丸呑魚を持って行くことを約束した。煮つけだったら食事にも酒の肴にもなると思うと話したからだ。ただおばさんは作るイメージが沸かないというので、明日一緒に作ることにしている。

ただ困ったのは網どうだったとアマンダと一緒に聞かれたことだ。

あの大きさじゃあ、対応できなかったと項垂れながら言えば、お腹を抱えて笑われた。

なんでだ。

もう慣れたけど普通は10歳の子供が自分より大きいのを獲って来て、大変だったってあり得ないからと。

まあ、そうだね。


きっとこの世界でレベルなんていう概念があったなら、きっとあたしはもっと喜々として狩っていた気がする。近年のゲームは難しくてあまりやらなかったけれど、初期のファミコン時代にはそれなりにやった。レベルアップの音や強い相手が倒せる感覚はそれなりに楽しかった。その感覚をもってこの世界に来たなら、ドラゴンとか自ら突進しに来る人がいそうだよね。バカのすることだけど。


「折角作ってもらったのに、ごめんね」

「仕方ないわよ。まさかそんな大きさだなんて思わないから」

「だよね。普通の魚がいないとか、どれだけ凄い場所なのかと思った。だけどやっぱり勿体ない」


丈夫な網か。狩りに使うにしてもこの村の子達は魔法でどうにかなるし。それなら思い切ってハンモックみたいに使ってみるかな。もしくはつり橋のようにして、アスレチックとか。子供も増えたから公園も改造したかったことだし、やってみるかな。


「何か思いついた?」

「うん。どうせなら公園を改造するのに使うことにする。足りない分は木の枝で補えるし」

「そう、使って貰えるならいいことね」


さて、明日の予定も決まったことだし、もう少ししたら寝よう。やっぱり転移の往復と未知との遭遇は疲労が凄い。

だけど、久しぶりの海のものは美味しかった。定期的に手に入れられるようになれば、みんなもっと喜ぶかな。

あ、妖精村にも魚持って行ってあげると喜びそう。でも持って行くと気を使いそうだから、湖でもつくって淡水魚が獲れるようにしておくのもいいかも。海を作るのは流石にやり過ぎだと思うしね。

行ってから要相談かな。


眠たい時ほどいいアイデアが浮かぶって、前世の名残か?

あははははぁ、心の中で空笑いが出てきた。本格的に眠った方がいい。母さんが近くに居たので欲しい食材を聞く。

念のため貝を出しておいてと言われたので、食べられる茶色の貝を2つだしておいた。余ったら長かシャンスが食べるでしょ。


「おやすみー」

「お休み、ゆっくり寝てね」

「はーい」


****


ああ、良く寝た。動いて魔力使って、美味しい物を食べたら目覚めバッチリだね。

皆と一緒に朝ごはんを食べたら、今日一日の行動の確認だ。

父さんは第二弾でボルテモンテ町へ行く者の最終調整に入ったそうだ。決まれば明後日出発になる。旅慣れているぴこちゃんが今回もお供に付いていく。一緒に行く大人たちは3人でもう決まっているそうだ。


母さんは小さな子供たちと一緒に、午前中は庭でキノコ狩り。午後から干すらしい。

エディは午前中、皆と一緒にお勉強。午後からクッキー作り。あのクッキーが保存食としても効果が認められたから、沢山作って道中のおやつにするとのこと。確かにそれは、いいかもね。

あたしは午前中、公園の改造。午後は丸呑魚の料理を教える。ついでにあたしが作った物は、うちの夕ご飯にもなる予定だ。で、時間があれば妖精村に行く。


それぞれやることが明確になったために解散だ。


公園に行って網を取り出し、テーレに手伝ってもらいながら、樹と樹の間に少し垂らして張ってみる。それをみた精霊達は、橋が出来たとばかりに渡りだし、揺らして楽しそうにしている。今までも同じようにロープで遊んでいただろうに、感覚が違うと楽しいらしい。

だけどあたしがイメージしたつり橋とはちょっと違う。今まで作っていた物の方が現実的だ。それならやっぱりハンモックみたいな感じかな。

木と木の間の枝にぶら下げ、地面から乗れるぐらいの場所に張る。そこに試しに入ってみたが、悪くはない。悪くはないが魚に壊されないよう網目に金属を絡ませている為に、寝心地が悪い。それならとそこに端切れを合わせた布を置いてみる。

悪くはないけど・・・まだ固い。

「ソル!この金属をゴムと変えるのって大変?」

『全部を変えるのは大変だけど、この上からコーティングするのは簡単』

「なるほど!それいいかも。だったらもっとゴムで網目を小さくできる?」

『出来るよ』


ということで、網は1つ残してみんなで遊べるトランポリンとハンモックに生まれ変わった。小さい子は今まで通り地面に置かれているもので遊んで、更に遊びたい子はこっちで遊ぶ。基準は自力で上がれる子。12歳以上を対象にした。

今は精霊達の玩具になってるけどね。


それから一通り自分でも村の中を回ってみて、作ってから少し時間が経っているので綻びがないか確認した。精霊達がいつもいるお陰でどこも傷んでもなかった。

これならいいでしょ。


午前中の予定はこれで終了だ。



読んで頂きありがとうございました。

なんとか更新。

寒くなってきたので、体調に気を付けてくださいね。

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