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147.漁?

先ほどと同じところに到着すれば、先ほどと同じ目にあった。

ちょっとアリア!これのどこがいい島なのよ!食材の宝庫かもしれないけど、リゾートには向かないじゃん!完全に狩りに来てるだけじゃんか!

いい島の定義違い過ぎない?!いい島って食材豊富ってこと?確かに、確かに魚食べたいとは言ったよ?言ったけどさ、魚とるだけなら島じゃなくていいと思うのは、まぁ、あたしだけなのかもなぁ・・・。この世界とあたしの基準が違っていたこと、忘れてたよ。遠足のこと言ったら、みんな驚いてたもんね。

こりゃ・・・遠足なんて夢のまた夢だ。


さあ、落ち着いたところで漁という言いたいところだけど、食べられる魚が獲れるのかな。なるようになるか。

「シャンス、長。さあ、行こうか」


二人に網の端と端を軽く噛んでもらって海上2Mあたりを飛んでもらう。影が出来たことで鳥がやってきたと勘違いしているのか、下を見ればそれなりの大きさの魚影が映りだす。

「大きくない?」

蟹たちがあの大きさだから、もしかしてとは思ったけど。1つが2M前後ありそうなんですけど。網の大きさは広げて6Mぐらい。ということは魚が3M超えるものは難しいということだ。いや、3Mなんてクロマグロしか浮かばない。美味しいからいいのか?


それよりも網で捕るほうが難しそうなのも見えるんですけど?

一度電気ショックで浮いたのを二人に運んでもらっちゃう?

シャンスも長も自分たちが噛んだほうが早いんじゃないか?みたいな顔をしてあたしを見てくる。

「一度電気流しちゃうから、二人とも水から離れてくれる?」


初めてのことなんでやり過ぎないように。

鬼蟹をやっつけた電気の5倍ぐらいを想定して。

エイっと。


って!思った以上に電気が海の中走ったのが分かった。そんなに気合入れてないよ!それともこの世界の海はイオンが多く含まれている?

あ、いや、長たちを食べようと顔を出したところに、あたしが電気を流したのか。浮いてきたのは10ぐらいだけど、大きさがありすぎて思った以上に多いようにみえる。

「ごめん、二人ともこれらを浜辺まで運んでくれない?」

「我が収納しておこう」

「そうだね。お願いできる?」

ちょいちょいと浮いてきた魚たちに触れて長が全部収納してくれた。後で鑑定してみないとわからないけど、食べられるのかな?」


取り合えず砂の上に置かれると汚れるから、置いてもらう場所を固めて血など流れてもすぐに洗い流せるようにしてみた。

全身トゲトゲに覆われているハリセンボンみたいな魚は、剣山魚。

鑑定・・・剣山のような針で敵を寄せ付けない。見た目は凶暴だが、脂がのって美味しい白身魚。生食可。


真っ赤な鱗に包まれ、フグのように丸い巨体な魚は、丸呑魚。

鑑定・・・なんでも呑み込んで強力な酸で溶かして食べる。胃袋は毒。その他は少し癖のある白身で、刺身には向かない。


ウナギのようなつるりとした長い胴体に槍のような頭、羽がある魚は、一番槍魚。

鑑定・・・羽で飛んで激突し、一撃で仕留める。淡白な白身と赤身。生食可。


カラフルな魚はカメレオン魚。

風景に溶け込めるよう姿の色を変えることが出来る。脂ののった白身魚。生食可。


鬼ダコ・・・毒を吐いて敵を倒す。その為胴体は毒。10本~20本ある足は、噛み応えのある珍味。


まあ、食べられることがわかって良かった。これらは一度長に小さくしてもらって捌いてみるかな。鑑定をしながらじゃないと毒が回ると最悪だし。


「長、これら全部30cmぐらいに小さくしてくれない?一度捌いてみるよ」


長とシエロはもっと美味しい食材がないか探してくると、島の周りを探索に出かけた。シャンスは傍に居てくれるらしく、背もたれになってもらって捌くことにした。

鑑定を発動しながら捌いてみる。

剣山魚が一番面倒だった。頭を斧のように包丁を思いっきり振り落として飛ばして、お腹だけ棘がないのでそこに包丁を入れるのだけど、手で押さえることが出来ないからメッチャ切れるミスチル包丁で一気に切れ目を入れなければ厳しい。内臓は水で洗い流せば簡単だったのが救いだ。ただ、開いてもこの棘が邪魔で皮をきれいにはぐことが出来ない。身をスプーンで掻きだすようにしてかき集めた。タタキにして食べるのがいいのかもしれない。生食可だったから一掬いを醤油をかけて食べてみる。

ブリっぽくて美味しい。

『ぼくも』

シャンスと一緒に捌いては味見して、思いつく料理方法を浮かべながらマジックバック(リュック)に仕舞っていった。


全部種類捌いて終わったところで、島探索に言っていた精霊たちが帰ってきた。

『ただいまー』


「どうだった?」


にたぁーっていうのがピッタリな顔をした。

ああ、既に魔改造したのね。

聖女の森と同じようにサクレを植え、家を作ったようだ。当然その周りに精霊の泉を作ったみたいで、何日か生活できるぐらいにはなっているらしい。

なるほど。まあ、細かく言い出せば魔道具類があるわけじゃないから、ずっとだと不便かもしれないけど、一泊二日で漁に来るぐらいなら問題ない感じかな。

ただ、サクレの範囲を超えたら襲われるのは必然と。

で、長が獲ってきたのは、ワイバーン!

そんなのが島の上で飛んでたの?!鬼蟹どころの危なさじゃないじゃんか!

『我らがいる間は近寄っても来ない』


あ、・・・そりゃそうだ。

「でも蟹たちは?」

『あいつら思考能力が低い。ずっと強者がいなかった為に、危機能力が低いのであろう』

「なるほどね」


ここに来るときはシャンスが一緒に、ってことだね。理解した。

それにしてもこの島、あたし達じゃなければデンジャラスすぎて無理だね。この島、貰っちゃってもいいかな。

というか、もうなってるね。サクレ植えた時点で決定したのか。

精霊(ガイスト)(インゼル)】 

あたし大丈夫かな?近隣を征服してるとか思われてないよね?


誰のものではないところを精霊たちが住み着いた。それだけのこと、そう、それだけだよ、うん。


「じゃあ、最後に魚獲って帰ろう」


シャンスと長が張り切って海で暴れる。浮かんできた魚を爪パーンチで一撃。どこへ行っても無双だね。結局同じような魚が獲れて、大漁だ!と帰った。


さて、なにから食べようか。



読んで頂きありがとうございました。

来週になったら更新速度落ちるかも?


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