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146.鬼蟹最高!その他も鑑定

母さんに蟹本体を茹でてもらっている間に、エディには挟みの部分にミスリルのナイフで切り込みを入れてもらって中身を出してもらうことにした。その間にあたしは庭の裏に行き、ワサビなるものを森の精に生やしてもらう。ワサビの葉っぱなんて覚えてないから、人参みたいになったけど本体がちゃんとワサビなら問題ない。

ズボッと土から抜いて水魔法で洗う。先の方をちぎって潰してみれば、香りは間違うことなきワサビ。きっとこれで大丈夫なはずだと2本だけ握りしめて家に戻った。


話し合いから戻ってきた父さんにワサビを擦ってもらって、あたしは醤油とストックしてあるおにぎりを並べたら準備完了だ。


「マリー茹で上がったみたいだけど、これどうやって食べるの」

「これはスープにしたり、炒め物に入れたり、ご飯を炊くときに入れたり、サラダにしたり色々。それは夕ご飯でもいいんじゃない?生で食べるこれを先に食べようよ」


大きなはさみだったから、2つある内の一つを半分ずつに切ってシャンスと長に。残り1つを刺身用にと食べやすいように切って大皿に盛れば完了だ。

食べ方を簡単に伝えたら、すぐに食べなければ。


「いただきます」

お子様な舌のあたしは、ワサビはほんのり匂わす程度にしょうゆに溶かす。そして蟹の身をつけて実食!

おおおおおおおお!久しぶりの蟹!刺身で食べる蟹!ぷりぷりの弾力に、噛んだ時の甘味。メッチャ美味しい!タバラガニの刺身よりも歯ごたえがあって、ぷりぷり。流石異世界の謎!倒し方が特殊だということを考えれば、完全に狂牛と並ぶ高級食材化も!


あたしの感想はほぼ皆同じようで咀嚼音だけが響き、大皿の蟹が半分になることやっと一息ついた。

「生で食べるというからどんなものかと思っていたが、これは旨いな」

「そうね。鋏とか凶暴なものが付いているから大丈夫かと思ったけれど」

「美味しい!」


『中身だけ食べると旨いな』

そうだね。殻ごと食べると今一だよね。

『ぶりぶり!』

わかるよ、わかるよシャンス!

『これはもっと狩るべきか?』

「いやいやいや、長待って。まだ鑑定もしていない色々なのがリュックに入ってるから」

正直前世の記憶から言えば、ヒトデは微妙なんだよね。食べられるものがあるというのは聞いたことあるけど、食べたいとは思ったことないし、あの感触でどんな味なのか想像もつかない。

ヤドカリはまあ、エビだと思えばいけるか?いい出汁になるのは想像できるんだけどなぁ。

唯一貝だけは大人は酒蒸しで食べるの好きそうだし、エディはバター醤油が好きそうだし、色々とイメージは沸く。果たしてどうなのか。

1つずつだして鑑定してみる。


鬼ヒトデは全長1・5Mぐらい。あたしを捕まえられる大きさだ。 

鑑定・・食用。塩ゆでして皮を剥いて中身を食べる。独特な味わいで、珍味になる。干して乾燥させたものをあぶって食べるとベスト。


珍味。うん、納得。


鬼ヤドカリは全長1Mぐらい。殆ど見た目は貝殻にしか見えなかったけど、中身は人間の指ぐらいは切断しそうな、中々凶暴な鋏を持っていた。

鑑定・・・鋏は出汁に適している。体は殻を剥けば生でも可。ただし頭の部分は魔石があるので切断すること。


鬼貝は、全長1M。貝の柄が色々で中にはオブジェにいいかも?と思うような虹色のものや、真っ白なもの、茶色なものと様々だ。

鑑定・・・食用可と不可に分かれる。真っ黒な貝は魔力たっぷり含んだ黒真珠が採れ、虹色は光が当たると虹色に輝く真珠が採れる。それらは食するのは不可。その他のものは食用。


貝って種類じゃなくて柄で分かれるのか。分かりやすくていいけど、不思議だ。

どうせなら貝をそれぞれどんなのか捌いてみればわかるかな。


「父さん、この黒いと虹色の貝開けて欲しい」

「これは食べられるのか?」

「食べられない。だけど、中に綺麗な真珠が入っている可能性があるの。ネックレスとかピアスとか装飾品になる奴だね」


まずは黒の貝の蓋をあけてみれば、そこには立派な黒真珠が3つ。しかもあたしのこぶし大とか、値段ってどうなんだろう。こういう装飾品になるものは、価値観がそれぞれだからね。母さんを見ればそれが良くわかる。黒い珠としかみえてないようで、ふーんって感じだ。あたしからしたらドレスに合わせて着けたら、映えるだろうなと思うんだけど。

「ソルが持ってくる宝石の方が高そうね」


基準がそこか!それはふーんにしかならない。勿体ないというべきなのか、仕方ないというべきなのか。

母さんに興味がなさそうなので、回収して柔らかな綿を下敷きにして箱に入れる。虹貝も同じような反応なので、すぐにしまった。ちなみに虹貝の虹真珠は、小振りながらも思わず唾を飲み込んでしまうような輝きだった。それが5つ。大人になったらネックレスとして付けてみたい。

「マリーの杖に付いているダイヤモンドの方が凄いよね?」


大事そうに仕舞うあたしが珍しいのか、そんな母さんの呟きを拾ってしまえば、苦笑するしかない。だから、それを基準にしたらどれも微妙にしか見えないって。

みんなには食べられる物の方がよさそうだ。すぐに茶色の貝を出して開けてもらう。バターを落として母さんに渡す。

「これを網の上で焼いて、バターが解けてきたら醤油垂らして。火が通ったら切って食べると美味しいよ」


長とシャンスも興味を示したので、もう一つ出す。同じようにして出来上がったらやけどに気を付けてカットして、さあ実食だ。


「う~~~ん」

これはかなりイケる。これは村の皆に食べさせてあげたいかも。食べやすいし、分けやすい。それに匂いも漂ってるから、なんだなんだと・・・集まってきたね。

「父さん、夜宴会にする?」

「そうしてくれるか」

「うん」


この後魚も獲ってくるし、1つでこの大きさだ。人数分あるでしょ。


「じゃあ、行ってくるよ。長、シャンス行くよ」


読んで頂きありがとうございました。

ブックマーク&評価ありがとうございます。

取り合えず需要があるということで良かった、良かった。

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