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141.チョコレートブーム

聖女の森へ飛んだら、既に森の精がサクレの木に鈴なりになって勢ぞろいしていた。

「気合入ってるね」

「そりゃそうでしょ。この森限定のものなんて、やりがいあるし、食べ放題だし・・・だからね」

どうやらテーレも興奮しているらしく、気が付いて丁寧に言い直したつもりらしい。精霊もチョコレートが好きらしい。ちょっとだけ頬を染めたレアなテーレを横目で楽しみながら、気が付かなったフリをした。


「まあ、確かに。作り過ぎて土地に影響が出るなんてことがなれば、問題ないし。逆に魔素使った方がいい感じ?」

「人がいないからね」


この森の外れにはそれなりに大きな街があった。妖精族も住んでいたし、魔素がいい循環で回っていたのだろう。だけどここにいるのはフェンリルとドラゴンだけとか、余るね。


「じゃあ、チョコレートの種類を増やそうか?平均的なスイートチョコにしようと思ってたけど、ブラック、ホワイト、ミルク、スイート、ビターの5種類いっとく?どうせならナッツ類もいっとく?くるみとアーモンド・カシューナッツは鉄板よね」


森の精のウエーブがサクレの枝で起きた。どこで覚えてくるんだろう、その知識。

どう考えても、あたしだね。

それは、まあいい。


「どの組み合わせが美味しいかやってみればいいし、同じビターチョコであっても、配合で味も変わるから研究してみたら?A・B・C作って多数決で決めるとか。途中出来たチョコは全部適当にくれたらいいし」


またウエーブが起きたのは、了承の意味かな?


サクレがある場所から少し離れた場所に生えている雑木が取り除かれ、次々にサクランボのような実がなるものが植えられた。どうやら軸(柄)を取れば食べられるようにしたようだ。

試食用にとサクランボ大のチョコが種類ごとに並べられる。それらを作った森の精が味見しろと目の前にスタンバっている。ブラックを一番初めに食べた。あ、うん。ブラック。苦い。お子様の舌にはあわないけど、自分好みにするのはいいのではないだろうか。健康にいいって感じの味だ。


うん?これの改良?舌触りがもっと滑らかだといいかも。艶が出て美味しそうに見える。

この色はビター?フムフム、甘いのが苦手な人はいいかも、疲れた時の一口って感じで。それとは別にブランデーか日本酒を入れて酒飲みの人用があってもいいかも。水の精とか好きそうだよね。

早速水の精のところに行くとか、やる気十分だね。


スイート。うん。おこちゃまなあたしにピッタリだ。あ、もうちょっと生チョコっぽく柔らかくてもいいかも。噛まないで、口の中に入れたら溶けるようなくちどけのいい感じ。両方あってもいいと思うよ。


ホワイトはブラックと同じような感じでいいと思う。これ自体が甘いし、クッキーにかけても挟んでも美味しいから。

ミルクチョコもこれだけで十分甘いし美味しいと思うよ。まあ更に甘さを楽しむなら、ケーキやクッキーの生地に入れたらいいしね。


え、幾つか作るから作ってくれ?

えっ?

あ、いやー、うん。・・・はい。

母さんに一番に試食させてあげるから作ってと言えば、作ってもらえるかな。

いや、思い浮かべたあたしがいけないいんだけど、チョコレートだけやたらと進化しそうなんですが。これがきっかけで争いとか起きないよね?考えすぎか。食べなければ、しらないままなんだしね。


さて、こんな感じでいい?


「テーレ、程々にね」

「フフフっ♪」

チョコブームが終わるまで、どうやら続くようだ。精霊たちは太らないからいいよね。

あたし?子供で代謝がいいのと、これだけ頭も体も動かしていたらエネルギー切れる方が多い。ただ、油断は出来ないけどね。


「試作のチョコ今ある奴全部ちょうだい」

種類別に詰められたチョコをしまい、聖女の森を出た。チョコは好きだけど、チョコレートばかりだと口の中が甘すぎる。しょっぱいのが食べたくなったよ。簡単なのはポテチかポテトフライだね。お昼に作ってもらおうかな。

そう、今日ぐらいはいいと思うのだ。


「ただいま!」

チョコレートのことを聞きたくてウズウズしている母さんは、お昼が遅くなったことに怒りもしないで、にこにこと用意をしてくれる。

ついでにエディもニコニコ。

これは渡すか話すかしないと落ち着かない感じ?狂牛と同列に考えていたけど、甘い物を食べ慣れていないこの世界の人にとってそれ以上なのかもと、改めて思った。

でも、食べる!口の中が甘すぎて、今はチョコの話よりもご飯なのだ!

 

今日はどうやらサンドイッチのようだ。具はトマトにキュウリ、ベーコンを挟んだものだ。ベーコンの塩が美味い!

冷蔵庫が出来たら卵安定してきたし、マヨネーズも常備にしてもいいかな。サンドイッチの幅が広がる。妖精族の人がソーセージ作ってたし、ケチャップも作ったらもっと美味しいよね。ケチャップは誰でもレシピあれば作れるから、みんな自分の好きな味にアレンジすればいい。

このあとポテトフライ作って、塩とケチャップ食べ比べしようかな。


分かってますよ。チョコ出しますよ。ポテチのチョコレート掛けとか思ったりしてないよ。


「お母さん、これは取引です。クッキーのレシピを渡すので作って下さい。森の精が所望です」

「わかったわ。口の堅い人たち数人呼んでもいいかしら?」

ああ、母さんも付き合いあるし、聞かれるんだろうな。それは仕方ないし、量が欲しいから願ってもない。


「取引成立です!」

「え、僕は?僕もクッキー作ればいい?」

「エディは子供たち集めてもっと簡単なクッキー作ってくれない?みんなのおやつにして、配ればいいと思う。その報酬として、というのはどう?」

「いいよ」

「じゃあ、それで。材料は薄力粉、バター、砂糖のみ。捏ね捏ねすればいい。量は計りに薄力粉のせて、バターと砂糖の重さが少しばかり少ない感じ。砂糖とバターなら、バターの方が多めね」


計り。いるね。だけど、ちゃんと重さ(グラム)覚えてないからあっても同じことかな。

さあ、二人はクッキー作り。あたしはポテトを切るのだ!






読んで頂きありがとうございました。

ブックマーク&評価ありがとうございます!


まだ、訂正出来てません<m(__)m>

風の精→空の精  全部一斉に変換できたらいいのに。

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