異世界からの防衛戦
誰かが言った。
"数十年前の戦争より酷い所だ"と
一度戦闘が始まれば機関砲や迫撃砲、そして様々な携帯火器から生まれる銃声が
辺り一帯に響き渡り、時として大声でも会話できなくなるような場所。
少しでも油断すれば死につながる場所
それがこの"異世界からの最終防衛線"だ。
「今日もモンスター共は大変だな!これだけ手厚い攻撃を受けてんのになにも返せる物がねぇ!」
「・・・なんだって!?周りがうるさすぎて聞こえない!」
モンスターが顔を出した側から40mmのランチャーで吹き飛ばしていく仲間の隣で
一体一体の頭を確実に狙撃しながら怒鳴る。
「冗談を言っただけだ!」
「ならいい。どうせいつもの寒いジョークなんだろ!・・・・っ!?」
前方、170m先の森から大きな火の玉が飛び出し、草や木を焼きながら飛んでいく。
次に瞬きをした瞬間には右にいた部隊の大半を吹き飛ばした。
「右3番隊に範囲攻撃着弾!繰り返す範囲攻撃着弾!囲いが崩れた!支持を乞う!」
すぐ隣の塹壕に飛び込んだ火球はどうにか生き残っていた仲間も尽く焼き尽くす。
俺は狙撃銃をひっつかみ、裂け目から離れた別の後方にある塹壕に走り出した。
開いた穴からモンスターが湧き出し、幾つもの攻撃が飛び、その幾つかが身体を掠める。
・・・ここに来てから覚えたことは撃ち続けろ、止まるな、躊躇うなだ。
守れない奴は2度目を生き残れない。
守れば少なくとも5度目までは生き残れる。
そして・・・・
援護部隊がやってくるまでに追加で8人が、死んだ。