自称嫁
?「まーた、私の旦那さんはこんな所で。もーう、しょうがないなー。」
シュドラス「誰がお前の旦那だ!エノラ!」
赤毛のボブカット、背丈は155センチ程、剣帯にはピースメーカーとマグナムを提げ、
ホットパンツにブーツ、強気な瞳が慈しむようにシュドラスを見下ろした。
ポケットに手は突っ込んだまま。
挑発するように、胸を張る。彼女の革鎧の胸当てを、自重しない胸が押し上げる。
エノラ
「将来はアタイと結婚するんだから別にいーじゃーん♪」
シュドラス
「エノラと婚約も結納もした覚えはねーよ!」
セパは夫婦漫談が始まってすぐに、さっさとブラッドオレンジをジューサーに放り込んでいる。
エノラはポケットに手を突っ込んだまま、テーブルに直接腰掛けると、
半身だけ反らしてシュドラスに話しかける。
胸の位置が突っ伏しているシュドラスの顔にやけに近いのは、恐らく偶然ではない。
エノラ
「アタイ、シュドラスを養うのが夢なんだよねー。トロトロに甘やかしてさー。」
シュドラス
「聞いてねぇー。大体、俺は年上が好きなんだよ。お前2個下じゃねーか。
お淑やかで相手を立ててくれて、それでいて芯の通っているような…」
マルフィス
「巫女様だな。」
セパ
「巫女様だねぇー。」
(セパからジュースを受け取りながら)
エノラ
「アタイ、メッチャ尽くすよ?介護士さんもびっくりなレベルで!」
シュドラス
「それが嫌なんだよ。エノラ、軍でも無双状態じゃないか。
俺達どころかヤキュラ教官ですら勝ったこと無いのに。力でも負けて、
家でも養われるって立つ瀬無さ過ぎだろ。
ヒモ王子とか聞いたことないわ!
エノラ、それだけ腕も見た目も
良いんだから、もっと良い男見つかるって!マルフィスとかどうだ?」
エノラ
「真面目だけの赤眼鏡とか興味ない。」
マルフィス
「いきなりダメージ!?私関係ないよな!?眼鏡をディスるな!」
砲撃音
「ドガオーーン!!!!!!」
一同「!?」
カンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカンカン
カンカンカンカンカンカンカンカンカン!
敵襲を知らせる警鐘が王都に鳴り響いた。