不思議な出会い1
男の子の独白です。
ある男の子の独白
今日は僕も10歳ということで社交界に出なくちゃいけない。
凄く面倒くさい。
ヘラヘラ笑って媚びを売るだけしかない奴らがたくさんいると思うと憂鬱だ。
とうとう到着してしまった。
案内された場所まで行くと扉の前で突っ立ってる女の子を見つけた。
凄く邪魔だ。
女性に話しかける時は丁寧に接することと教えられていたがしったことではない。
そんな面倒なこと誰がやるか。
いつもの調子でその女の子に声を掛けた。
「ちょっと、さっきから扉の前で立たれると迷惑なんだけど。」
自分が思つていた以上に機嫌が悪かったらしく冷たくし過ぎたかと思うとさらに面倒くさいと思った。
女の子が振り返って僕と目があった。
驚いた。
その子の目がとても深い黒に青みがかった目をしていたからだ。
引きずり込まれるような感覚に陥る。
女の子は僕と目が合ってから何も言わないからこっちからまた、声を掛けた。
「君、聞こえなかったの?
そこ、邪魔なんだけど、どいてくれる?」
そう言ったら女の子が体を動かす仕草をしたので前に進み出ようとしたその時、さっきまで何も話さなかった女の子が声を掛けてきた。
「あの、ご一緒に入りませんか?」
突拍子なことに驚いてつい「はっ⁉︎」
と、声をあげてしまった。
「な、何言ってんのあんたっ!
な、なんで僕が君と一緒に入らなくちゃいけないの⁉︎
一人でいけばいいじゃんっ。」
焦って言葉を噛みながらもまくしたてるように言ってしまった。
思わない失態を犯した自分に後悔していたところ彼女がまた、声を掛けてきた。
「それが、その、、、、
お恥ずかしながら一人で行くのが怖いのです。
なので一緒に居てくれませんか?」
一人で入るにはあまりにも荷が重くて。
と、不安そうに僕を見てくる女の子の顔が僕の目に焼き付いて離れない。
「っっっっ!
しょうがないから一緒に居てあげるよっ!
仕方なくだからねっ!
勘違いしないでよっ!」
誤魔化すように言ってそっぽを向く。
女の子が嬉しそうにお礼を言ってくるからちゃんと付いて来るように言って扉を開けた。
入ってからおんなの方をチラッと見たら固まっていたから行くよと声を掛けた。
ついてくるのが見えたから安心して歩いていたのが馬鹿だった。
女の子がいつの間にかいなくなってていた。
はぐれてしまった。
まぁいいか。
とも思ったが不安そうな顔をしたあの子の顔が頭から離れない。
クソッ!面倒くさいなっ!
しょうがないから探すことにする。
見つけた時は説教だと考えながらあの子を探し始めた。
面倒だと言いながらも気にしちゃう男の子です。