社交界デビュー出発前
シュヴァルツが主人公を独占しています。
弟への愛情がたくさんあります。
10歳になりました。
10歳という年齢は貴族の間で(金持ちという悪趣味な連中がいる)社交界デビューが催され、それに参加しなければなりません。
今回の社交は私と同じ10歳の子だけでなく少し歳の離れた18歳までの人たちがいます。
憂鬱です。
ですが私は体が弱いので長いあいだ参加する事はありません。
ダンスの方は軽く受ける形になると思いますが、そのくらいは頑張らなくてはなりません。
弟のシュヴァルツは一つ下の9歳なので参加できません。
凄く残念です。
弟は家族になってからというもの時間がある時はいつも一緒に過ごしています。
うちの家には嫡男が居なかったのでシュヴァルツを嫡男にするために連れてきたそうです。
お父様はあれでも宰相様ですので、シュヴァルツの身分なんて圧力で黙らせてしまいます。
そうして養子縁組として家族になりました。
お父様にシュヴァルツを選んだのは何故かと疑問に思いまして聞いてみたところ。
たまたま見つけて目に入ったから。
でした、はた迷惑にもいいことです。
目に入ったからって、
酷いです。
でもまぁ、私にとってシュヴァルツに会えたことに感謝しています。
弟というのは良いものですね。
姉さん、姉さんと追いかけてくる姿を見ると微笑ましくて良いものです。
でも時々変だなと思う事があります。
それはシュヴァルツがお父様と話すときの口調が私のときとは違うことです。
私に話しかける時はこんな感じです。
「姉さん、今日は魔法の基礎を勉強しました。姉さんの方はどうでしたか?」
と、言った感じに嬉しそうに話してくれます。
対してお父様との会話はこんな感じです。
「この前行った視察で気づいた事があった。
その事て話しがあるから部屋を変えてくれ。」
、、、、、全然違います。
、、、どうしましょう、、、
こんなに違う事に今気づきました。
嫌われてはいない事はわかるのですが、不安です。
今度シュヴァルツに直接聞きましょう。
話しが逸れてしまいましたね。
すみません、、、
そう、社交界デビューの話でしたね。
お母様は今、うきうきしながら私のコルセットを締めています。
今の私はまだ細いので痛いなぁといだけですが、大人になったらもっと痛いんだろうな、と思うと現実逃避してしまいます。
前世での中世ヨーロッパ時代の人たちはこれに耐えていたと思うと尊敬の意を唱えます。
凄いです。
と、実際に現実逃避していたら全ての準備が整いました。
さぁ、出発です!
と、足を踏み出した瞬間、姉さん、と呼び止められました。
後ろを振り返ると弟のシュヴァルツがいました。
「姉さん、気をつけて行って下さい。」
そう言ったシュヴァルツに頷きます。
さて、行きましょうとなった時何か言いたげな顔をしていましたので話すまで待つことにしました。
シュヴァルツの方が優先第一です。
「後、、、その、、、は、早く帰って来てくださいっ!」
真っ赤な顔でそう言って自分の部屋の方に走り込んでいきました。
呆気にとられていたので直ぐに反応出来ませんでしたが、シュヴァルツが早く帰って来て欲しいと言ったことを理解し、早々に終わらせましょうと思いました。
照れながら走って行くシュヴァルツが可愛すぎてつらいです。
自慢の弟ですね。
これからも守っていきたいです。
結論
私の弟、可愛すぎです。
シュヴァルツがいかに可愛いかを語りました。