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GAME 1−2

安田社長は本社に帰り次のプロジェクトの支度をする。




[まずはイベントだな。ネット社会と現実世界をリンクするイベント。楽しいだろう?ネットワークRPGのナイトやウイザードが出てくる。それが反映する。場所は…………そうだなー…………六本木のジュリファーレ!世界最大規模のダンスアリーナ!貸し切りだ!チケットには懸賞を!抽選でレアカードを!良いな。メディアには明日、報告!思い立ったら吉日だ。盛大なイベントになるぞ。グッズも考えとけよ]





その日は黒い暗雲が渦巻いていた。




[社長。今、帰宅ですか?雨、止みますかね?長引きそうですがね][君達タクシー乗るか?駅まで送るぞ][ありがとうございます。ではお言葉に甘えて]二人の女性がタクシーを止める。[イヤー。凄い雨ですな。お客様。今晩は止まないみたいですぜ]運転手はラジオの音量を上げた。[………現在、雷注意報が…………皆様、お気をつけ下さい。では一曲…………][アッ!コレ好き!良いわよね][流行りか?アレか?ラップか?][ヒップホップですよ。知りません?][アア!アレか!私はジャズが………]





ビカッ!ゴロゴロゴローッ!




[近いなー。どこに落ちた?][このタクシーですぜ。お客様。参ったなー。オーバーヒートしちまった。スンマセンネ。このポンコツ。お待ちくださいね。すぐ直りやすから]運転手は外に出てボンネットを開けた。





[社長。どうしました?顔色が………][イヤ。何でもない。顔が悪いのは生まれつきだ]




安田社長の鼓動が早くなる。





トックン!トックン!





[メザメヨ!ニンゲンヨ!ナニヲノゾム。チカラカ?][………何だ?俺の心の奥底で呼ぶ声………][ワガナハ ネットシャカイノ コウテイ シヴァ][皇帝シヴァ?ネット社会の皇帝?何の話だ!][チカラヲ サズケル。ワガハイト ケイヤクセヨ!][ネット社会の力か?欲しい!天下をこの手に!誰にも負けない力を!][契約は完了した。人の血とネット社会の血流がリンクする。さあ私を呼べ]




安田社長の目前に鏡が現れシヴァが向こう側にいた。手を伸ばすと鏡は波紋の様に波打つ。





ポチャン。ポチャン。水の滴る音が聞こえる。[我、降臨する。闇の世界に。そして同化する。仮の姿に]





安田社長は鏡の世界から向こうへ行き、今来た道を見返す。自分の影が変形していた。




シュカーン!





激しい光と共に彼はタクシーの中に戻る。





[アノ〜………社長。ご気分でも?お水を………][アア。悪いね。ングッングッングッ………プフアー。喉が渇く。暑いな。蒸すな][今は冬ですが?暑いですか?][雨………か………]安田社長は傘もささずに外へ出た。




[ダンナ!危ないですわ。今、直りやすから。車で…………ハテ?止んでら。おかしな天気だな。直った!お待ちどさんです。行きましょう。






…………コレが世界か。虚しい。空っぽの空、機械化されたシステム、コンクリートジャングル。考えた事も無かった…………安田社長は笑いが止まらなかった。





[私を闇に包め。永遠の闇に]





[始まったか?奴の覚醒が][エエ。その様で][奴等の覚醒は?][イエ。まだ………][皇帝シヴァ。急がなくては。アイヴィー。旅の支度を][アイニャー!カーシコマリー!]蝶々が現実世界に向かう。何処か違う世界から。





続く

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