GAME ―TRANSACT OF EVIL
凶悪ネット犯罪。機械化した社会。仮想現実の神話は緩に崩れ落ちるだけだった。
日本政府。総理大臣はいつになく落ち着きがなかった。原稿を読み返したりミネラルウオーターを飲み干したりしていた。[アー………メイクはこの位が映えるかね?もっと明るい方が………][………総理。お時間です。会見場へお急ぎ下さい][ウム。待て。水だ]いつになく緊張の面持ちで会見場に向かう。[朝のトップニュースには間に合うか?][イイエ。夕刊の一面に][そうか。長い夜になりそうだな。タバコあるか?][禁煙ですがね]秘書はタバコの火を付ける。[人前では止めて下さいね][わかってる。原稿は目を通したか?][それが日本政府の計画なら。ですが、暴動は避けられませんね。支持率の低下も][覚悟はしている。この国の未来の為だ。嫌われ役は馴れてる。サア行こう。新たな時代へ]
会見場の扉を開けると無数のフラッシュが彼を照らす。
[ウオッホン……………では、緊急会見を始めます。昨今のネット犯罪。それを阻止する為に作られた日本政府極秘任務課のステラ部隊。ですがステラだけでは進行を食い止める事は出来ません。そこで我が国ではそれに対抗する為、来るべき時代のモデルケースになる為にネット規制をいたします。人が人である為の法律です。今回の法律を簡単にご説明しましょう。ネット社会を縮小します。使える人材を規制し、管理するシステムです。企業様にはその使う人材を報告して頂きたく思います。このカードで管理します。このカードには見た物をメモリーする機能が付いております。つまりカード無くしてはネットは使えない。そんな理想世界の為に私は嫌われ役になりましょう。皆さんも我が国の未来の為に一肌脱いで頂きたい。期限は5年。5年後の今日。施行致します。それから最後にネット犯罪を企てる諸君らに告ぐ。我々は君らを許さない。人間的立場に於いて裁かせて頂く。これは我が国のそして全世界からの挑戦状と考えていて欲しい。全ては人が人である為の手段なのだ…………]ざわめく記者達。
[オイ。ネット環境を国が規制するって事か?][良いじゃないか。うちも被害に逢ってるし。俺は賛成だな][そうか。やったな!総理。変わるんだな。これからは][そうだよ!俺達もそうさ。悪い者は悪い。徹底的にスクープしないとな。発行部数、云々じゃ無いんだよ!新人]
気がつくと満場の拍手のシャワーとスタンディングオベーションが会場を包んでいた。
[良いのだな。これで][最高の演説でしたよ。世界からも称賛の声と協力の声が届いてます][なら良いが。これからだ。気を抜くなよ]総理大臣はミネラルウオーターを飲み干しペットボトル越しに東京の町並みを見た。[おかわりは?][ウム。ならコーヒーを。苦くて濃い目のやつを][かしこまりました]
続く




