罪悪感/君は誰
精神科から帰ってきた夜、夢を見た。
夢には精神科で目があった女が立っていた。
女は静かに口を開いた。
「こっちへ来て。」
そう言って、手招きしている。
俺は、ついていきたい。
そう思ってしまった。
一歩を踏み出した瞬間目が覚めた。
現実であの女に会える。
俺は、そう確信した。そして、会ったらついていこう。
そう思った。
ダルい体を無理矢理起こし、朝起きた。
「今日は学校に行けそうか?」
父の気を使ったような声が聞こえる。
「無理そう。」
俺は、一ヶ月経っても学校に行けないままだ。
そんな自分の心は、自分への嫌悪感と罪悪感でいっぱいになってしまう。
いつもそうだ。
「そうか。無理するなよ。」
父が気にしないフリをして、柔らかい声で言った。
両親に気を使わせてしまっている。
最近、いつもそうだ。
少し前は心配されなくて落ち込んでいたのに、今では心配されて罪悪感を抱いている。
自分を矛盾の塊のように感じてしまう。
そんなことないと、頭では分かっているはずなのに、
心が――「そうだ、お前はそういう奴なんだ」と、叫んでいる。
その心をどうしようもできなくて、白い光のことを考えてしまう。
アネンの中に入れば、この痛みから解放されるだろうか。
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