想い出の行方
想い出の断捨離はもう 終わったと思っていたら
ベッドの下にオレンジ色の表紙のアルバムが1冊
開くと 何枚か剥がした跡があり
賞味期限切れになるずっと前の私の写真が数枚 残っていて
剥がした写真には誰が写っていたのだろうと
茫々とした記憶を辿っているうちに
すっかりコーヒーが冷めてしまって
私を女にし 私を烈しく愛してくれた
当時の想い人だったのだろうか…と
まとまらない記憶に蓋をして
数枚だけを残しアルバムを処分した
残しておきたいセピアグレージュ色の写真は
誰にも見つけられない小さな宝箱にしまっておこう
捨てられない
片方だけのピアスと一緒に…