初めてのスキル
どうも!最近腰を痛めてしまったドロッPです!いや〜失敗しましたねw久しぶりに重いものを持ち上げたら逝ってしまいましたよwwwそれじゃ作品をお楽しみ下さい!
第二章 初めてのスキル
「それじゃ今から【スキル】を与えますね!」
「頼む!」
【スキル】それは地球と大きく違う物の一つ。神がその世界の生き物に与えた【力】その力は人それぞだ。その世界は【強者こそ絶対】のルール。全て自己責任の、ハードすぎる世界なのだ。そして俺は記憶を残したまま異世界に行く事を選んだ。正直怖いし、不満も沢山あるが、このまま何もせず俺と言う存在が消えてしまうのはあまりにも残念すぎる。それに楽しそうじゃないか!
「覚悟が決まった顔ですね!それではこの3枚から好きな一枚を引いて下さい」
そう言いスファルは三つの黒いカードを選ばせて来た
「それじゃ、コレ!」
俺は迷わず真ん中のカードを引いた
「どうして、真ん中を?」
「真ん中に良いカードがある!そうだろ?」
「さぁ〜?使う人によれば神スキル、使う人によればゴミスキルですから〜」
そう言うと吹けもしない口笛をひゅーひゅーと吹きニヤリと笑った
「それでは、魔王を倒しそして再びここで会える事を楽しみに待っていますね!」
「なんだ、もう行かなきゃなのか」
(少しだけ寂しい気もするが、まぁそこそこ楽しめたからな)
俺は目を瞑りスファルとの日々を思い出していると、耳元からスファルの声が聞こえた
「今度は、ちゃんと見つけてね」
急いで目を開くと彼女が遠くで手を振っている様子が見えた。俺も彼女の方へ手を伸ばす。だか気がつくと、広い草原に横たわり青い空へ手を翳していた。俺は異世界に来たのだ
「よし!取り敢えず適当に歩くか!」
俺は寝ていた体勢から立ち上がり。森の方へ歩いて行った。
この世界の事はスファルからある程度聞いている。まずこの世界には大きく分けて五つの組織があると言う。一つは【ヒューマン】と言う種族。ヒューマンの中には獣人と言う種族も存在し、この世界では奴隷や売買などに使われると言うだが、獣人だけの国もあるらしい。次に【魔族】と言う種族。コイツらが今のこの世界を崇拝している種族であり、俺が殺すべき魔王がいる。そして、そいつらには階級という物が存在する。下から下位種、中原種、上位種、魔王、と言う階級らしく、上位種のTOP4を四天王と言い、王直属の護衛隊とも言っていた。次は【竜種】、コイツらは一応人間側とスファルは言っていたが、コイツら自身は人間の事が大嫌いらしい。原因はやはり獣人達を奴隷や金目的で捕まえている事や品が無いとか、色々気に食わないと言っていた。最後に白銀族と呼ばれる種族がいる。【白銀族】と言う種族はこの世界独特の種族らしく魔族側にも人間側にも付かず唯一無二の種族だ。その力は魔族にも秘剣を取らず、むしろ単純な魔力量なら白銀族全員が魔族の上位種以上だと言う。そして奴らは自分以外の種を見つけると、その者の目の前に姿を見せ自分達の敵かどうか確認するそうだ。そして自分達に危害が無いと感じると力ずくで追い出すらしく敵と判断されれば容赦無く殺される。だか奴らは自分達の領地からは滅多に出る事がないため、遭遇するとしたらこちらが彼方の領地に足を踏み入れる時だと言う。外見は白銀の髪に小麦色の肌、眼は黄金に輝き、その輝きはどんな獲物も逃れる事は出来ないという。そんな連中には出来れば関わりたく無い。その他の生き物は全て魔物として扱うらしい。例えばエルフやドーフなんかも魔物として扱うと言っていた
そんな事を考えながら森を進んで行くと、目の前をとてつもない速さで去って行くデッカい犬の様なものが見えた
「な、何だあれ!」
俺は気になったのでその犬が走って行った方向を辿ってみた。すると「キャーー!!!!」と言う悲鳴が聞こえ、その方向が今向かっている方からと分かり、全力で走った
「いた!」
森を抜けると黒い3匹の狼が一人の少女を今にも殺しそうな勢いで威嚇していた
「助けて、、、」
恐らく、恐怖のあまり動けないのだろう。
(試しにやってみるか)
俺は良い機会だと思い、スファルからもらった能力を使ってみることにした
「狼共!!こっちだ!!!!」
俺の声に3匹とも反応し、こちらの向かって様子を伺っている。その隙に俺は少女に話しかけた
「おい!そこの赤髪のお嬢さん!!!」
「は、はい、、、」
「お前が思う怖い武器は何だ!!!」
「なに、を?」
戸惑いの表情を浮かべとても混乱している様だった。俺は申し訳ないと思いながらも先程よりも強く彼女に当たった
「だから!お前が怖いと思う武器だよ!!さっさと言わねーと!!死ぬぞ!!!」
その言葉を放つと、彼女はグチャグチャに泣きながらこう叫んだ
「剣、、私は!長い剣が怖いです!!!」
(上出来!)
俺は彼女に向かい叫んだ
「スキル発動!【恐怖の武器】」
そしてそれと同時に狼たちが三匹とも俺に向かい飛び掛かってくる
「遅い!」
狼達の攻撃を右にかわすと、右手に赤髪の少女が恐怖する武器。【ロングソード】を持っていた、その武器を狼共に振りかざす。その威力は俺が想像してたよりも遥かに凄まじかった。振り翳した先には狼の生々しい死体は無く、半径10メートル程の木々達が綺麗さっぱり無くなってしまった
俺がスファルから貰ったスキルは二つ 一つは【恐怖の武器】その能力は相手が最も恐怖する武器を生成する事が出来るというもの。ただし生成される武器は様々、例えば相手があの少女の様に剣が怖いと思えば剣が生成されるし、はたまた木の棒が怖いと感じれば木の棒が生成される。生成される武器は俺の魔力量によって決められている。そして複数生成する場合その力は一部例外を除き半減してしまう。つまり作り置きは難しいと言う事だ、それに生成した武器は僅か二日足らずで消えてしまい、クールタイムは五分。そして例外とは双剣や二つで一つの武器として扱う物。その場合は両方とも俺の魔力の100%で生成される。それ以外は50%、25%とドンドン半減して行ってしまう。そして複数相手の場合、その者の中で最も戦闘力の高い者の武器を生成する事が出来る。取り敢えずわかっている事はこれだけだが、もっと仕組みを理解出来ればより強い武器を生成できるという
二つ目のスキルは【カラミティーハント】このスキルは、カラミティーウエポンを使い、生成に利用した者の武器でその人を殺さなければならない。簡単に言うと生成に使った者以外の者を殺してもこの能力は発動しないと言う事だ。そして対象を殺すとその者のスキルを一つ貰う事が出来る。貰った能力は使い放題!でも条件が条件な為、複数相手だと難しい。
(って言ってたのに、、この威力何だよ、もう俺最強じゃん)
流石に強すぎるとも思ったがこれから先どんな相手と会うか分からない以上強いに越した事は無い。狼を倒し終わるとその武器は消えてしまった。勿論スキルは無し
「なるほど、やっぱ狼の方にすれば良かったな」
何故狼の方にしなかったと言うと正直心配だったからだ。想像する【者】の対象が例えば人間だけだったら?そんな考えが瞬間的によぎり反射的に少女の方に意識がいってしまった
(早速改善点が見つかったな)
俺は今だに座り込んでいる少女の所へ向かった
「さっきはすまなかったな」
そう言い手を差し伸べると、彼女は更に青ざめ泣きながら命乞いをしてきた
「お、お願いします、、何でもしますから、、殺さないで、、、、殺さないで!!!!」
恐怖に震えた彼女は俺を敵として見ている様だ
「平気だよ、俺は君を殺したりなんかしない」
「・・・ほ、本当、ですか?」
上目遣いで自分を見つめる少女は先程よりも安心している様だ
「うん!それじゃ気をつけて帰るんだよ」
俺は長居をしては彼女に悪いと思ったのでその場から姿を消す事にした
「ま、まって!!!」
その声を聞き後ろを振り返ると、足を振るわせながらこちらへ歩いて来た
「無理を、承知で助けて下さい、、」
見るからに痩せ細った体に、ボロボロの服、この少女を見ていれば帰る場所がない事くらい分かりきっている。だがそれを知って俺は彼女を置いてい行こうとしたのだ。スファルは言っていた。「良い?蓮!もしも旅をする時は仲間はちゃんと決めないとダメよ!足手まといと感じたら誰が相手でも無視しなさい!その決断が長生きするコツよ!」その言葉を最初に聞いた時は意味が良く分からなかった、だが話を聞いていくうちに段々と言葉の意味が分かってくる。軽々しい考えは、時に自分を殺す。仲間が危険になればきっと俺は何が何でも助けに行ってしまうだろう。だがそれはこの世界に生きていく上で最も無謀な事だ。【弱肉強食】それがこの世界の掟。弱い者は死に、強い者のみが生きる。だから今この子を助けるのはダメ、そう感じた。だからきっとこの判断は正しい物だろう
「悪いなお嬢さん、言い方を変える、邪魔だ!俺の前から消えな!」
そう言い放ち俺は再び歩みを始めた
「何をしているんだ?」
「は、離しません、、、」
だが少女は俺の言葉を無視し、後ろから抱きついて来た
「私は、、まだ、、、死にたく、無いです!!」
「つっ!」
俺は仕方なく彼女を力ずくで地面に倒した。だが彼女は諦める事なくすがり寄ってくる
「鬱陶しいな!離れろよ!!」
「いやです!!絶対!絶対離しません!!!」
更に強く背後から抱き締めてくる
「何でそこまでして!俺に助けを求めるんだ!」
「私の家族は死にました、、一週間前、盗賊に襲われて私の村は盗賊共の住処になってしまって、やっとの思いで逃してもらって、生きるって村の皆んなと誓いました!だから!ここで死ぬわけには行かないんです!私は絶対!絶対にアイツらを殺す!!その為なら悪魔にだって!魂を売ってやる!!!!」
少女は震えながら涙を流し、俺に訴えかけていた。
(そんな事言われたら、、無理だよ)
俺は自分を一発殴り、目の前にいる少女に歩み寄った
「え、?」
その光景を目の前で見た彼女は少し動揺していた
「分かった、それじゃ俺がお前にとっての悪魔になってやるよ」
「良いの、、?」
「ただし、泣いたりぐずったりしたら殺すからな」
「わ、分かった!」
「ならよし!」
俺は少女の頭を優しく撫でた。今の彼女の目は明らかに先程とは違う。覚悟が決まった目だ
「あ、お前の名前なんて言うだ?」
「名前、、ルビー」
「そうか、それじゃルビーまずは水浴びが先だな」
「うん、」
こうして馬鹿な俺はルビーにとっての【悪魔】になった。
今回のお話はいかがだったでしょうか?とうとうヒロインが出て来て面白くなってきたのでは無いのでしょうか!それでは次回作をお楽しみ下さい!
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