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二人の世界で君は何を見る?  作者: ドロッP
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女神様のご機嫌

初めまして!ドロッPです。二人の世界で君は何を見る?(フタセカ)は私の手掛ける2作品目の物語です。是非楽しんで下さい!

        二人の世界で君は何を見る?

   

         第一章 女神様のご機嫌

   



 眩しい朝日が俺の安眠を支配する。要するに眠いという事だ。そして優しく少し幼い声が俺の耳をつつく


「朝ですよ蓮様〜いつまで寝ているんですか〜?」

「もうちょっとだけ、、、あと5分」


 俺の我儘わがままを聞くと「は〜」とため息を吐き、無理やり布団を剥がそうとして来た

「はいはい蓮様のあと五分は、怪しい魔女から林檎を貰うくらい信用と信頼がありませんので、そのお願いは叶えられません」

 必死に布団を掴み抵抗するが、メイドの【ルビー】にあっさりと剥がされてしまった


「ルビーさんよ俺はと〜っても疲れているんだ、だからその布団を返してくれ」


 ベッドの上で丸まりながら、気怠そうに布団を返してもらえないか頼んだ。するとルビーは再びため息を吐き冷たい眼差しで俺の事を見つめる


「蓮様、私はあの日貴方に拾われてから、貴方に一生ついて行くと誓いました。ですが今の光景を見ているとあの時の決断を少し後悔します」


 突き刺さる言葉の刃で俺は思わずベッドから飛び起きた


「た、頼むルビー!!俺はお前がいないと何も出来ない駄目人間なんだ!!!だからそんな事言わないでくれ〜!!」


 そう言いながらルビーを抱きしめると、とても甘い声で「もう、次は無いですからね」と頭を撫でてくれた


「いや〜にしてもビックリだよな!ルビーともあろう人物がブラックウルフごときに腰抜かして喰われそうになってるんだから」

「む、昔の事をあまり掘り返さないで下さい!!」


(ムスッとした顔もまた可愛い)

 ふと、こんな会話をしていると俺が転生した時のことを思い出した

 

  

 俺の名前は神道蓮しんどうれん。十八歳、高校三年生、友達は幼馴染の女の子二人と学校に一人の男友達がいる。我ながら少ないと思っている。だか仕方が無いのだ、なんせ俺はコミュ症なのだから!自分でもその欠点は何とかしようと思っている。そして、そんな自分を相手してくれる三人には感謝してもし足りないくらいだ

 

「ふぁ〜寝み〜」


 どうして学校の通学中はこんなにも怠いのだろうか、あぁ、癒しが欲しい


「バカね!ほんっとバカ!朝は眠いのが当然!そんな事もろくに考えないの?」


 この絵に描いたようなツンツンキャラは幼馴染の一人愛薔薇千智(あいばらちさと)。頭脳明晰、運動神経抜群、それに結構可愛い。皆んなに天使の様に優しくそしてどの花よりも美しい少女。と、言われている。だが俺の前ではこんなんだ


「も〜お姉ちゃん!そんなに言ったら蓮くんが可哀想だよ〜」


 そして!この俺に天使の様に優しく接してくれ、癒しを与えてくれる少女は!!愛薔薇千智の妹、愛薔薇咲あいばらさき。学校では物静かであまり人と喋らない。運動神経、成績は姉より、と言うか平均以下だかその容姿は姉に劣らずとても可愛い。


「うわ、両手に花ってか?羨ましい限りだなぁ〜」


 コイツは唯一の男友達、十輪寺友也じゅうりんじともや。こんな俺とつるんでいるが、メチャクチャイケメンでメッッッッチャモテる。正直クソ羨ましい。だがコイツは誰とも付き合わずにいる。本人曰く面倒いからだそうだ。なんて贅沢な理由なんだ、俺も言ってみてーよそんなセリフ


「うるせーよモテ男!」

「あ、わり〜お前には皮肉に聞こえたんだな」

「んな!」

 俺は友也に軽く拳を肩に当てる

「お、やるね〜」

 すると友也は俺に肩組みをし頭を軽くグリグリしてきた

「ちょっと!目の前でイチャイチャしないでくれる?」

「あ、そう言うのだったら私達先に行くよ?」

「いやそんなんじゃねーわ」

「そうそう、コイツにはもう決めてる人がいるからな〜」

「ちよっ!友也!」


 その言葉を聞いた瞬間、目の前を歩いていた二人は歩みを止め一斉にこちらに向かって来た


「え!なになに?蓮ってば好きな人いるの〜?」

「蓮くん!私相談乗るよ!」

「いや、本当にそんなんじゃ無いから!」

 捕まったら絶対ろくな目に遭わないので取り敢えず、その場から逃げる事にした

「蓮〜私から逃げられるかな〜」

「逃げてやるよ!」

「いい度胸ね!」


 その言葉を口にした千智は俺をまるで殺す勢いで追っかけて来た

(昔なら俺が圧倒的だったのに!今はこの距離でも逃げ切れないと言うのかー!!)


 俺はその場にバックを捨て全力疾走モードに入った。その光景を目にした千智はニヤリと笑い自分のバッグを俺のバックと同じ位置に投げ捨て、さっきより速さが増した


「おい!少しはハンデってもんが無いのか!!」

「ある訳!無いでしょ!!!」


 そして俺は呆気なく千智に捕まり、その場で押さえ付けられてしまった。


「さ!白状しなさい!!だれ!蓮の好きな人って言うのは!」

 上に乗っかって来た千智は息一つ乱れていなく、手加減されていた事に気づく

「お手上げです、言いますから降りて下さい」

「よろしい!」


 そして千智が離れたと同時に再び全力疾走をしようとした瞬間、千智の「駄目!!!」と言う声が耳に入りそれと同時に体が宙に浮かび上がり、頭に強い衝撃が走った。俺は右から来るトラックに気付かなかったのだ。


(声が、、、でない、)


 そして硬いコンクリートに頭を打ちつけ、血が大量に出ているのが分かった。意識が段々と薄れて行くと同時に叫び声と大きな泣き声が聞こえた


(あぁ、、だれかが、、、、泣いて、る)


 視界が暗闇に閉されると同時に俺の意識は突然途切れた


(これが死ぬって事なんだな)


 初めて死という人生の終点を迎えた途端とても悲しくなった。アイツに思いを伝える事が出来なかった事に死に際、とても後悔した

 

 

 

 どれほど経ったのだろうか?体がとても軽い!それに何だかとても柔らかい物を手に感じる


「ふ、ふにゃぁあ♡♡」


 手を動かすと目の前からイヤらしい声が聞こえた。そして段々と意識が戻って来て実感する。


 「これは!おっぱ」

 [バコーン!!!]


 そこまで言いかけた瞬間、後頭部に強い衝撃が走った


「痛っっってぇええええ!!」


 思わずその場でもがいていると二人の女の人の会話が聞こえて来る


「スファル様!!こんな!不埒ふらちな変態!速攻で地獄行きで良いですよね!!」


「まぁまぁアルト、この人は【特別】私達の不都合でつれて来てしまったのだから責めてこの先の道はこの人が決めるべきです!!」


「そ、それにしたって!・・・スファル様のお、おおお、おっぱいを!!イヤらしく揉みしだいていたではありませんか!!!わ、私だって、揉んだ事無いのに、、、」


「おやおや、たかが人間如きに触られたからと言って私は全っ然問題ありませんよ!むしろ貴方が過剰過ぎるのです!」


「そ、そうなのですね、、、出過ぎた真似を失礼致しました、、、あぁ〜でも!やっぱり納得いかない!!!!」


「全く、貴方と言う神は、、、」


 そろそろ会話に混ざらないとまずいと思ったので取り敢えず元気よく!意気揚揚と話しかけてみた


「あ、あの〜、、説明してもらう事は可能でしょうか?」

「あ?」

「ひ、ひゃ!やややや、やっぱいい、です」


 そう、いつもこうなのだ!!意識してもこうなってしまうのだ!!!!だからしょうがない!!!俺を睨み付けている人?は人間とは思えない容姿をしていて、着ている服もアニメやゲームでしか見た事の無い様な服装だ。少し幼い顔立ちに肌白の皮膚はどんな宝石よりも綺麗で、整った顔立ちはまさに【神級】白銀のツインテールは彼女の魅力を最も忌避立てている。


「これは失礼致しまた。自己紹介がまだでしたね!私の名は【スファル】【転生を仕切ジャッチメントする者】です。人間で言う所の【神】です。この様な形での挨拶、どうかお許し下さい神道蓮様」

(どうして俺の名前を知っているんだ?て言うか俺死んだ、よな?にしてもこの人たち?何言ってるんだ?神だとか、正気か?てか胸でっか!)


 先程の怖い人とは違い、今度は優しい微笑みが美しく、スラリと長い足、ふくよかな胸。ストレートの金髪姿はまるで女神様その者だった。

 状況が掴めず唖然と目の前の二人に見惚れていると、俺の事を睨みつけている人が単刀直入に俺の疑問を解決してくれた


「要するに死んだのよ!こちらの不都合、いや運命によって!だからアンタには前世の記憶を共有したまま転生させるって事!あ、でも地球には二度と転生出来ないからね!理由は簡単。前世の記憶を背負ったまま同じ世界に転生させると時系列が狂って貴方自身が崩壊するからよ!例えこの事を伝えたとしても貴方は確実に崩壊するわ!だから駄目なのよ!だから剣と魔法の世界言わばファンタジー世界に行ってもらうわ!」


(ヤバイ、色々状況が読めないまま話がどんどんと進んでいく、、要するに異世界に行けって事だな!てか今コイツ不都合でとか言ってなかったか?)


 俺は自分の伝えたい事を伝えてみる事にした。例えこの決断が今後の人生に関わって来るとしても、あまりにこの状況は理不尽すぎる


「あっと、えっと、そちらの、、不都合で、その、俺が死んだと、、言うなら、、えっと、そ、その!お、俺にも選択権が!あるはず!で、です!!なので!そんな自分勝手に!俺の人生、を!!決めないで!!下さい!!」


 伝えたい事を初めて人に言えた。なんだ、割と楽勝じゃん。だがその言葉を耳にした神達はコチラを先程よりも強く睨み、初めて【殺気】と言う物を感じた。そして口元が開きコチラに向かい怒りの籠った声が鼓膜を刺激した


「は?人間如きが私達に何言ってるの?こっちが下手に出てれば自分勝手だの俺に選択権があるだの抜かして、良い気になってんじゃねーよ」


 そこの言葉は俺が今まで聴いて来た、どんなに怒りに満ちた声よりも遥かに【怖い】そう本能が教えてくれた。俺は死ぬのだ。あ、もう死んでたわ


「もう良い、魂ごと消えろ!」


 そう言い放ちコチラに右手をかざした途端、美貌が美しい女神様がその女神に向かい「やめなさい」と言った。その言葉を聞いた女神は顔を青くさせ、その場から瞬間的に居なくなった


「一体、何が起こったんだ?」


 あたふたしている俺にスファルと名乗る神は、人間である俺に膝をつき胸に手を当て頭を下げて来た


「申し訳ありません蓮様。こちらの不都合だと言うのに無理やりコチラの要望を言ってしまって、可能なのであれば許して頂けないでしょうか」


 その姿は王にひれ伏す家来の様だった


「や、やめて下さい!スファル様!!そんな、人間如きにひれ伏すなんて、、あの事は俺が火種になったので俺が悪いです!!こちらこそ!すみませんでした!!!」


 俺は思わず土下座をした。その姿を見てスファルは唖然としていた


「人間?本当に貴方は人間なのですか?」


 驚きと不満の声が響く


「えーと、まぁ、はい一応人間です」


 その言葉を聞きスファル様はスタッと立ち左手で指を鳴らした、するとどう言う原理か。さっきまで何も無かった空間から、オシャレな部屋へと切り替わった


「ん〜!はぁ、、」


 スファル様の方を見ると先程とは打って変わり人間で言う【部屋着】の様な格好になっていた。訳も分からず彼女を見つめていると今度は右の指を弾いた、すると何も無い空間から二つの椅子と一つの机、そして茶菓子と紅茶が現れた。


「あ、そこに腰掛けて下さい」

「は、はぁ、失礼します」


 俺はスファル様の言う通りに指名された場所に座った。


(なんだこれ!さっきよりだいぶ緩い空間になったぞ!!てか、部屋着姿のスファル様メチャ可愛い)


 スファル様は紅茶を飲み、一息ついた後に話を始めた


「あ、失礼しました急にこんな格好になってしまって」

「あ、いえ気にせず」

 すると少し頬を赤らめながら事の話題を切り出した

「えっと、ですね、、言いづらいのですが私って割と神様の中でも偉い方なんですよ」


(なんだ、自慢か?てかさっきより迫力というか覇気が無いな)


「それで、ここ数百年友達もあまり居なく少しだけ寂しいのです」

「えっと、話のビジョンが見えないのですが」


 俺の発言を聞くと机に両手を勢い良く付け、コチラに体を押し出して来た


「ですから!わ、私の話し相手になって下さいって言ってるんです!!」

「な、何でそうなるんですか!?」

「はい!実は貴方の人生を私の魔力【未来を見る者】で見させてもらいました!その結果貴方は私が見て来た中で一番珍しかったので、もうこれは行くしか無い!と、思い行かせていただきました!」


(なるほど、これがギャップと言う物か、初めて見た)


 言いたい事を言い終わったのか彼女は席にスッと戻りまた紅茶を飲んだ


(でも急に話相手になれとかどうすればいんだよ)


「あの、どう言った所が人と違うのでしょうか?自分では全然意識した事無かったので教えていただけると嬉しいです」


 すると今度はムッとした顔をされ、少し怒った様に発言をした


「あのですね!私が友と認めているのですから敬語はやめて下さい!それと私の事はスファルって呼んで下さい!!」

「そ、それじゃ、スファルさんで」


 神を呼び捨てとかできる訳もなく俺は呼び捨てで呼ぶ事が出来なかった。彼女は少しがっかりしている様にも見えたがそんな表情もまた美しい


「やっぱり、貴方はまた私の事を、、、」

「スファルさん?」

「えっとそれじゃ私が飽きるまで貴方には私の話を寝ずにず〜っと聞いてもらいますからね!覚悟して下さい!!」

「ね、寝ずに!?」

「はい!」


 ニコッと笑った彼女の姿は女神というよりも小悪魔みたいだった。






 

 そして…気づくといつの間にか訳30年が過ぎていた。その間寝る事は無く、机の上に並べられたお菓子や紅茶などを飲んだり食べたりしているだけ。この空間はとても不思議だ、眠くはならなしいお腹も空かない、それにトイレにだって行きたくならないのだから。俺はこの三十年間ずっとスファルの話を聞いていた。その話は一言一句忘れる事は無く頭の中へ入っている。

 

 

「それでどうなったんだ!」

「実話ですね〜訳1000年そのままなんですよ」

「そうなのか、、酷い男だな!」

「ウフフ、そうですね」


 スファルの話の中で度々ある【男】の話題が上がった。その人は元勇者だったらしくその男の武勇伝はとても聞いていて楽しい物だった。だかその話を口にするスファルは何処か悲しそうで落ち込んでいる様に見えた。そしてその男の最後を聞いた所、その男はスファルに一言「いつかまた、お前に会いに来る」そう言って姿を何処かに消し、今は何処に居るか分からないそうだ。その話を話し終わるとスファルは「そろそろ時間ですね」と言い立ち上がった


「どうしたんだ?」

「そろそろ貴方には決断をして貰わなければなりません」

「決断?」

「そうです、貴方には三つの選択肢があります。一つ目は今の記憶を消し、新たな人生を歩むか。二つ目は今の記憶を残したまま異世界へ行き、魔王を殺すか。一つ目はオススメしません理由は貴方と言う存在が消えてしまうから。オススメは二つ目です。貴方にはこの三十年間、異世界の情報のみを与え貴方に知識を与え、生き方を教えました。なので勝手なお願いで申し訳無いのですが、、」


 言葉を口にするスファルは何処か寂しそうだった。理由はよく分からない


「三つ目は?」

「え、、?」

「だから選択肢は三つあるんだろ?」


 俺の問いに少し戸惑いを見せ、一息ついて話した


「こ、この選択肢は私の勝手な判断で作った物なので、ただの独り言として聞いていただければ幸いです」

「分かった」

「三つ目、その選択肢は、、、、いえ辞めておきましょう」

「な、何でだよ!」


 すると先程の少し悲しげな表情とは打って変わり、満面の笑みで、可愛らしく


「へへーん!今度私に会いに来た時に教えてあげます!その時までに貴方の考えを聞かせて下さい、そして答え合わせをしましょう」


 その言葉を口にした。どうやらこの女神様はとてもご機嫌な様だ。


初めまして!ドロッPと申します。二人の世界で君は何を見る?【フタセカ】を読んでいただきありがとうございます!本作品は気合を入れた一品となっております。是非最後までお付き合いお願いします。Twitter【X】の方もフォローして頂けると嬉しいです!

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