猛きヒーローとリトルプラム楽団
アインフェニックスとガルドが激戦を広げている中、物陰で人知れず戦いの様子を観察している黒ずくめの騎士がいた。黒騎士カースウェッジである。
「あれがカシオペアの継承者か……まだ年端もいかない子供じゃないか。あのあどけない表情からするとまだ自分の運命を何も知らないと見える」
そうつぶやくとまるで考え事をするような表情をした。
「まぁ、今はそれでいい、私はカシオペアの継承者が現れることをずっと待っていたんだから……赤き戦士よ、しっかり守ってやるんだぞ」
そして、意味深な言葉をつぶやくとマントを翻し、カースウェッジは姿を消した。
「これがリトルプラム楽団の絆か……これで形勢逆転だな!」
アインフェニックスはフェニックスセイバーを構える!
「人質を解放したからと言っていい気になるなよ……今度は奥の手を使ってやる」
ガルドは人質を解放された怒りに燃え上がっていた! ……ゴゴゴゴゴとガルドは気合を入れると周囲に漂う魔力を吸収し始めた! アインフェニックスは嫌な予感を感じフェニックスセイバーを構え身構える!
すると突然ガルドの肉体が通常の三倍の大きさに膨れ上がる! その姿は正しく禍々しい悪の使徒そのものであった!
「こうなったからには貴様はもうおしまいだ……命乞いの準備をしておくんだな!ギャハハハハ!」
「オレはお前なんかに負けない! どこからでもかかってこい!」
その言葉を言い終える前にガルドはオークインパクトを叩きつける! 禍々しい漆黒のオーラを放ちながら振り落とす一撃は食らったら即死は免れない! アインフェニックスは前転回避! そして放たれる衝撃波を跳躍回避!その隙にアインフェニックスはフェニックスセイバーでガルドに斬りつける!
「今のオレは通常の三倍の強さだ! この程度の斬撃に勝てると思うなよ!フンッ!」
ガルドのキックがアインフェニックスを襲う! アインフェニックスは緊急回避! ガルドのキックは虚空を蹴る!
「どこかに隙があるはずだ!」
アインフェニックスはガルドのパワーアップした攻撃を回避しながら、ガルドに付け入る隙を探す!
「カケル! あのオークの背中に紋章らしきタトゥーが! そこを狙うのよ!」
ガルドの弱点に気づいたレミィがアインフェニックスに向けてアドバイスする!
「レミィ、アドバイスありがとう!」
「何がたがた言っているんだ! 今度こそ殺してやる!」
ガルドは再び漆黒オークインパクトを放つ! アインフェニックスはタイミングを計りハンマーの上に乗り跳躍!
「なんだと……貴様何をする気だ!」
そのままガルドの頭上を飛び越え背後を取る!
「させてたまるか!」
ガルドは回し蹴りでアインフェニックスを吹き飛ばそうとする! しかしアインフェニックスは回し蹴りを前転回避で潜り抜け再び背後を取り、背中の紋章じみたタトゥーに向けてフェニックスセイバーで斬りつけた!
「ウギャー! このオレが! 貴様ごときにやられるなんて! 信じられない!」
ガルドは断末魔の叫びをあげて爆発四散! アインフェニックスの勝利だ!
アインフェニックスは変身を解きレミィとサリーのもとに駆けよる!
「レミィ、君のアドバイスのおかげで勝てたよ……ありがとう」
「カケル……足手まといになってごめんなさい。でもあたしのアドバイスに勝てたのならとてもよかったわ」
「サリーもアシストしてくれてありがとう」
「まぁ、僕は魔導の天才だからねこのぐらいのことは朝飯前だよ」
「みんな、劇場艇に戻りましょう……さっきの出来事を自慢しましょう?」
そして三人は笑い合いながら劇場艇に帰還した。