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ハーレムパーティーのリーダーは苦悩する

掲載日:2020/06/17

勇者はパーティーメンバーに苦悩していた。@ 短編その29

俺だけがいれば良いんじゃね?

最近頓に思う。


我が冒険者パーティー『英(はなぶさ)』は俺を入れて4名。


俺、AT(アーティ)は21歳、勇者だ。

他は魔術師のレンチは女で23歳。僧侶のゴーチェも女で22歳。魔剣士で盗賊のスタイナも女で23歳。

・・・全員適齢期を過ぎている。しかも俺より年上だしな。


正直俺一人で熟せる。勇者の能力半端ねぇ。もう俺一人で魔王倒しちゃおうかな?とか真剣だ。

最近頓に思うのは何かと言うと・・


『結婚して』圧が、物凄い。マジ貞操の危機。まあチェリーでは無いけどな!

もう、ドアどころか窓でさえ、結界張る勢いだよ。

風呂だって、外の大衆風呂に行っている。男用だからな!


俺だって恋人くらい欲しい。

たまに休みには二人でイチャイチャして癒したい。まだいないけど、そう言うの良いなと思っている。

俺はな?ハーレム、全然興味無いから。

だって、俺が好きな子が、一妻多夫だったとして、他の男と彼女を共有なんて、絶対にやだね。

他所の男で、いろんな子を侍らすのを見た事がないわけでは無いが、話が合わないというか・・・

友人にはしたくない。

俺はひとりの子を、愛して愛して愛し潰したいんだ。俺の愛が重いとか言わせたいんだ。


ところがうちの女共は・・・


「私達でATを共有しても良いし、ATが好きなら、何人でも入れて良いんだよ」


とか吐(ぬ)かしやがった・・・気持ち悪過ぎて、思わずトイレに駆け込んで吐いたわ。


とにかく、怖い怖い怖い・・・気持ち悪い。俺と考えが合わない。共有なんかしたくないわ。

このパーティー、8年やってきたけど、もおええわ。

最近、仕事というか、討伐もちゃんと自分のことしないと言うか・・・

魔法を唱えない、防御や攻撃強化とかを唱えてくれないとか、敵の場所探知や弱点調査とか!!

お前らの仕事だろうが!!

え?女を守るのは、男の仕事だ?えーー・・・俺が言ったって?

それはな?俺の『恋人』には、って話で、お前らじゃないから!!勘違いすんな、と言うか、恋人と思った事も、言った覚えさえ無いわ!

で、戦っていない時は、やたら俺に張り付いてくるわ、甘えたな声で擦り寄るわ・・・

気色悪い。

本当、2年くらい前の、お前らに戻って欲しい。



「なあ!お前ら、戦えよ!なんでパーティー組んでいると思っているんだ!!」


俺はブラックオーガの首を飛ばしつつ、3人に怒鳴った。


「えー。男は女を守るもんです〜」

「ほら、後2体だよ!頑張れー!」

「あたしらが手出ししなくても倒せるじゃん」


俺は黙った。




ギルドに戻り、受付で回収したブツを渡し、次いでに水晶玉を渡した。


「はい、了解しました。しばらくお待ちください」


水晶玉を持って、受付嬢が奥に引っ込んだ。

この水晶玉、ギルドの貸し出し物だが、これで3回目だ。



「『英』様、奥へどうぞ」


俺が先頭、他3人は何事?と言う顔だ。


「3回とも検証しましたが・・これは酷いですね」


ギルドマスターとギルドの監査官が、俺が録画した水晶玉の記録を見て顔を顰めた。


「リーダーの言うことを聞かない、戦闘に参加しない、挙句に無駄口喋っての怠慢」

「これは言い訳もたちませんね・・リーダーATの申し入れを許可します」

「『英』は解散、よろしいですね」


それを聞いた3人は、呆然とした。


「さて、パーティー共有のグッズやアイテムの選別や譲渡はここで行って、すっきりとしてから出てください」

「外で行うと、うやむやにされる事がありますからね」

「私どもが確認でいますので、安心してください」


この安心は、俺の為だな。

ここに相談しに行った時、このギルドマスターと監査官が、それはもう親身になってくれたんだ。

同じ悩みでパーティーを解散した経験があるそうで。

次組むなら男がいいや。

男なら子供で揉めないし、いやこれは冗談だけどな。

男と組んだ事が無いし、次は男パーティー組もう。

仕事終わりに飲みに行ったり、たまに女遊びにしけ込んだり、ワイワイ楽しいかもしれない。

ホモはお断りだが、そっちに流れるかもしれない。ははは、やばい!!

とりあえず、女は懲り懲りだ!!


俺は金を4等分、アイテムも自分に重要なもの以外は全部渡した。

はっきりと、言ってやった。


「俺、仕事しろって言ったよな?何度も言ったよな?俺達は仕事でパーティー組んでいるんだ。俺は恋人は戦わせない、と言うかパーティーに入れない。パーティー組んでいるってのはそういうこった。仕事しない奴はいらん」


すると3人はぐすぐす泣き出して、


「仕事するから辞めないで」

「頑張るから」

「一緒にいたい」


とか言うから、


「うるせえ。お前らなんか、仕事しない奴なんかクソだ。消えてくれ」


と、ぼそっと呟いた。そしたらもう黙ってしまった。


「あーー、清々した」


本気の本音が、まろび出た。本当に、自然に声になった。

あいつらは先に出て行って、顔を見る事も無かった。


俺はギルドマスターと監査官に礼を言い、その地を後にした。





その後、俺は男でパーティーを組んで、魔王攻略を進めている。

男はいいな!

さっぱりとして、喧嘩しても翌朝にはウジウジしない。

酒も楽しい!!

風呂でもワイワイとして、気楽だ。裸だからって遠慮しなくていい。

野宿でも、外での排泄も、全然気にしない!!

髭面でも構わないし!

そして戦闘では、背中を預ける良き仲間!!最高!!


・・・こういう感じで、どんどん男に惚れていくんだなぁ・・・

女に対して思った事がない、胸キュンってやつを、最近体験した。


あ。

ヤバイな。

うん。

ヤバイ。


でも前の女3人よりも嫌悪感が無い。


そうか。


男同士って、ちょっとと思っていたけど・・


一瞬だ。

一瞬だが・・・


俺が女目線か。今の俺は『ネ○』か。

胸板がたくましいとか。

ギュッと抱きしめて欲しいとか。

どう『ピーーーー』てくれるかとか。

こういう感じで、流れちまうのか。

してみたいとか思うようになっちゃうのか。


・・・・・・・・・。


うん。

ここでストップだ。

俺は友情を、取る。



今もパーティーでみんなと仲良くやっている。

みんなで雑魚寝もする。

だが、そこまでだ。



最近前のパーティー仲間だったレンチに再会した。

結婚したそうだ。子供、抱っこしてたし。

おめでとう!!良かったな!!と、めっちゃお祝いしてやった。お祝いも渡した。

幸せそうで何より。パーティーの頃のことを、謝ってくれたので俺もほっこりした。


ああ、あいつらと別れて3年くらい経ったんだな、としみじみ。

他の奴らも幸せだといいなぁ・・・



・・・俺の今のパーティーも誰かが抜けて、誰かが入ってを繰り返し・・


今は俺がリーダーだ。

そして、また悩みが出てきた。

そう・・・

恋愛だよ!!男だけど!!ヒエッ・・


なんと聞いてくれ・・・俺がターゲットだよ。またか!!

男ハーレムの頂点だよ!!

ストイックにしてきたのが災いしたのか?

美男で凛々しい、細いのにたくましい、指が長くて綺麗とか・・・怖すぎる。

あいつら男だからな・・・全員で来られたら、俺、マジヤバイぞ!!


ツッこむのもツッこまれるのも嫌です。でも俺の役目は『タ○』だそうです。

ジ●グレス進化?


ああ〜〜ん、楽しい男パーティーがーー!!!俺の魅力が半端ない?


ギルドマスターと監査官に、また相談しなくちゃいけないんですかねぇ・・・


魔王に相談したいレベル。


はっ・・

も、もしかして、この調子だと、魔王にも愛されるかも?なんちゃって。

とか思いつつ、一抹の不安・・・





そして1年後。


ATはたった一人で魔王と対峙、そして退治出来ちゃいました。


「我をここまで追い詰めるとは・・・貴様に我の・・『心』を差し出そうぞ」


と、魔王に惚れられたようだ、ヒエッ・・・


魔王は男にも女にもなれるそうです。あら便利、じゃねえ!


「こ・・・これは、めでたしめでたし、でいいのか??」




勇者(俺)は責任持って、魔王を娶った・・・ぜ。



ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。

どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。

pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。

https://www.pixiv.net/users/476191

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