ハーレムパーティーのリーダーは苦悩する
勇者はパーティーメンバーに苦悩していた。@ 短編その29
俺だけがいれば良いんじゃね?
最近頓に思う。
我が冒険者パーティー『英』は俺を入れて4名。
俺、ATは21歳、勇者だ。
他は魔術師のレンチは女で23歳。僧侶のゴーチェも女で22歳。魔剣士で盗賊のスタイナも女で23歳。
・・・全員適齢期を過ぎている。しかも俺より年上だしな。
正直俺一人で熟せる。勇者の能力半端ねぇ。もう俺一人で魔王倒しちゃおうかな?とか真剣だ。
最近頓に思うのは何かと言うと・・
『結婚して』圧が、物凄い。マジ貞操の危機。まあチェリーでは無いけどな!
もう、ドアどころか窓でさえ、結界張る勢いだよ。
風呂だって、外の大衆風呂に行っている。男用だからな!
俺だって恋人くらい欲しい。
たまに休みには二人でイチャイチャして癒したい。まだいないけど、そう言うの良いなと思っている。
俺はな?ハーレム、全然興味無いから。
だって、俺が好きな子が、一妻多夫だったとして、他の男と彼女を共有なんて、絶対にやだね。
他所の男で、いろんな子を侍らすのを見た事がないわけでは無いが、話が合わないというか・・・
友人にはしたくない。
俺はひとりの子を、愛して愛して愛し潰したいんだ。俺の愛が重いとか言わせたいんだ。
ところがうちの女共は・・・
「私達でATを共有しても良いし、ATが好きなら、何人でも入れて良いんだよ」
とか吐かしやがった・・・気持ち悪過ぎて、思わずトイレに駆け込んで吐いたわ。
とにかく、怖い怖い怖い・・・気持ち悪い。俺と考えが合わない。共有なんかしたくないわ。
このパーティー、8年やってきたけど、もおええわ。
最近、仕事というか、討伐もちゃんと自分のことしないと言うか・・・
魔法を唱えない、防御や攻撃強化とかを唱えてくれないとか、敵の場所探知や弱点調査とか!!
お前らの仕事だろうが!!
え?女を守るのは、男の仕事だ?えーー・・・俺が言ったって?
それはな?俺の『恋人』には、って話で、お前らじゃないから!!勘違いすんな、と言うか、恋人と思った事も、言った覚えさえ無いわ!
で、戦っていない時は、やたら俺に張り付いてくるわ、甘えたな声で擦り寄るわ・・・
気色悪い。
本当、2年くらい前の、お前らに戻って欲しい。
「なあ!お前ら、戦えよ!なんでパーティー組んでいると思っているんだ!!」
俺はブラックオーガの首を飛ばしつつ、3人に怒鳴った。
「えー。男は女を守るもんです〜」
「ほら、後2体だよ!頑張れー!」
「あたしらが手出ししなくても倒せるじゃん」
俺は黙った。
ギルドに戻り、受付で回収したブツを渡し、次いでに水晶玉を渡した。
「はい、了解しました。しばらくお待ちください」
水晶玉を持って、受付嬢が奥に引っ込んだ。
この水晶玉、ギルドの貸し出し物だが、これで3回目だ。
「『英』様、奥へどうぞ」
俺が先頭、他3人は何事?と言う顔だ。
「3回とも検証しましたが・・これは酷いですね」
ギルドマスターとギルドの監査官が、俺が録画した水晶玉の記録を見て顔を顰めた。
「リーダーの言うことを聞かない、戦闘に参加しない、挙句に無駄口喋っての怠慢」
「これは言い訳もたちませんね・・リーダーATの申し入れを許可します」
「『英』は解散、よろしいですね」
それを聞いた3人は、呆然とした。
「さて、パーティー共有のグッズやアイテムの選別や譲渡はここで行って、すっきりとしてから出てください」
「外で行うと、うやむやにされる事がありますからね」
「私どもが確認でいますので、安心してください」
この安心は、俺の為だな。
ここに相談しに行った時、このギルドマスターと監査官が、それはもう親身になってくれたんだ。
同じ悩みでパーティーを解散した経験があるそうで。
次組むなら男がいいや。
男なら子供で揉めないし、いやこれは冗談だけどな。
男と組んだ事が無いし、次は男パーティー組もう。
仕事終わりに飲みに行ったり、たまに女遊びにしけ込んだり、ワイワイ楽しいかもしれない。
ホモはお断りだが、そっちに流れるかもしれない。ははは、やばい!!
とりあえず、女は懲り懲りだ!!
俺は金を4等分、アイテムも自分に重要なもの以外は全部渡した。
はっきりと、言ってやった。
「俺、仕事しろって言ったよな?何度も言ったよな?俺達は仕事でパーティー組んでいるんだ。俺は恋人は戦わせない、と言うかパーティーに入れない。パーティー組んでいるってのはそういうこった。仕事しない奴はいらん」
すると3人はぐすぐす泣き出して、
「仕事するから辞めないで」
「頑張るから」
「一緒にいたい」
とか言うから、
「うるせえ。お前らなんか、仕事しない奴なんかクソだ。消えてくれ」
と、ぼそっと呟いた。そしたらもう黙ってしまった。
「あーー、清々した」
本気の本音が、まろび出た。本当に、自然に声になった。
あいつらは先に出て行って、顔を見る事も無かった。
俺はギルドマスターと監査官に礼を言い、その地を後にした。
その後、俺は男でパーティーを組んで、魔王攻略を進めている。
男はいいな!
さっぱりとして、喧嘩しても翌朝にはウジウジしない。
酒も楽しい!!
風呂でもワイワイとして、気楽だ。裸だからって遠慮しなくていい。
野宿でも、外での排泄も、全然気にしない!!
髭面でも構わないし!
そして戦闘では、背中を預ける良き仲間!!最高!!
・・・こういう感じで、どんどん男に惚れていくんだなぁ・・・
女に対して思った事がない、胸キュンってやつを、最近体験した。
あ。
ヤバイな。
うん。
ヤバイ。
でも前の女3人よりも嫌悪感が無い。
そうか。
男同士って、ちょっとと思っていたけど・・
一瞬だ。
一瞬だが・・・
俺が女目線か。今の俺は『ネ○』か。
胸板がたくましいとか。
ギュッと抱きしめて欲しいとか。
どう『ピーーーー』てくれるかとか。
こういう感じで、流れちまうのか。
してみたいとか思うようになっちゃうのか。
・・・・・・・・・。
うん。
ここでストップだ。
俺は友情を、取る。
今もパーティーでみんなと仲良くやっている。
みんなで雑魚寝もする。
だが、そこまでだ。
最近前のパーティー仲間だったレンチに再会した。
結婚したそうだ。子供、抱っこしてたし。
おめでとう!!良かったな!!と、めっちゃお祝いしてやった。お祝いも渡した。
幸せそうで何より。パーティーの頃のことを、謝ってくれたので俺もほっこりした。
ああ、あいつらと別れて3年くらい経ったんだな、としみじみ。
他の奴らも幸せだといいなぁ・・・
・・・俺の今のパーティーも誰かが抜けて、誰かが入ってを繰り返し・・
今は俺がリーダーだ。
そして、また悩みが出てきた。
そう・・・
恋愛だよ!!男だけど!!ヒエッ・・
なんと聞いてくれ・・・俺がターゲットだよ。またか!!
男ハーレムの頂点だよ!!
ストイックにしてきたのが災いしたのか?
美男で凛々しい、細いのにたくましい、指が長くて綺麗とか・・・怖すぎる。
あいつら男だからな・・・全員で来られたら、俺、マジヤバイぞ!!
ツッこむのもツッこまれるのも嫌です。でも俺の役目は『タ○』だそうです。
ジ●グレス進化?
ああ〜〜ん、楽しい男パーティーがーー!!!俺の魅力が半端ない?
ギルドマスターと監査官に、また相談しなくちゃいけないんですかねぇ・・・
魔王に相談したいレベル。
はっ・・
も、もしかして、この調子だと、魔王にも愛されるかも?なんちゃって。
とか思いつつ、一抹の不安・・・
そして1年後。
ATはたった一人で魔王と対峙、そして退治出来ちゃいました。
「我をここまで追い詰めるとは・・・貴様に我の・・『心』を差し出そうぞ」
と、魔王に惚れられたようだ、ヒエッ・・・
魔王は男にも女にもなれるそうです。あら便利、じゃねえ!
「こ・・・これは、めでたしめでたし、でいいのか??」
勇者は責任持って、魔王を娶った・・・ぜ。
ほぼ毎日短編を1つ書いてます。随時加筆修正もします。
どの短編も割と良い感じの話に仕上げてますので、短編、色々読んでみてちょ。
pixivでも変な絵を描いたり話を書いておるのじゃ。
https://www.pixiv.net/users/476191




