あの日、君と出会えて
君は突然僕の前から消え去った。
僕だけじゃない。全ての人々の前から。
ついこの間まであんなに笑ってた君がいなくなったなんて、狭い棺に納められた顔を見届けた今でも信じられないよ。
君とは色々有ったね。
本当にたくさんの思い出が残ったよ。
学生時代の偶然が運命的な出会いだなんて、あの頃の僕には感じ取る余裕が無かったんだ。
時々僕を持ち上げてくれたりもしたけど、君より優ったことなんて何一つなかったじゃない。
いつも教えてもらってたのは僕の方だったのに。
最後の最後に生きた時間で花を持たせてくれたって、僕はちっとも嬉しくないんだよ。
君はいつもI’m busy.と言ってた。
照れくさそうに、頑張ってやらなくちゃと付け加えてたよね。
忙しさと使命感が身体を蝕んでるのも忘れて。
残された者たち、そう、君の最愛だった人は途方に暮れているよ。
何で先に逝っちゃうんだよ!?
抜け駆けはご法度だったろ?
君が遺してくれたものはどれも掛け替えがなかったんだと、悲しみを伴って思い知る。
でも、僕は君の分まで生きるなんて言えない。
おこがましくて重過ぎるもの。
君がやりたかったことに対してどれほど悔しかったか、愛した者に対してどんなにも悲しくて心残りだったか、少しずつでもわかりたいと思ってる。
僕は死ぬまで君のことを忘れられないよ。
刻んでくれた思いがあまりにも多すぎるから。
僕は、いや、僕たちは君の人生の一ページになれただろうか?
ほんの小さなしあわせを運べたのだろうか?
もう君に訊くことは叶わないけれど、僕たちは強く信じたい。
しあわせな時を過ごせていたと……。
まだ気持ちの整理はついてない。
でも、これだけは言わなくちゃ。
今まで本当にありがとう。
そして……さよなら、君。
ご拝読ありがとうございました。