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あの日、君と出会えて

作者: 天ぷら3号


 君は突然僕の前から消え去った。

 僕だけじゃない。全ての人々の前から。


 ついこの間まであんなに笑ってた君がいなくなったなんて、狭い棺に納められた顔を見届けた今でも信じられないよ。


 君とは色々有ったね。

 本当にたくさんの思い出が残ったよ。



 学生時代の偶然が運命的な出会いだなんて、あの頃の僕には感じ取る余裕が無かったんだ。


 時々僕を持ち上げてくれたりもしたけど、君より優ったことなんて何一つなかったじゃない。

 いつも教えてもらってたのは僕の方だったのに。

 最後の最後に生きた時間で花を持たせてくれたって、僕はちっとも嬉しくないんだよ。


 君はいつもI’m busy.と言ってた。

 照れくさそうに、頑張ってやらなくちゃと付け加えてたよね。

 忙しさと使命感が身体を蝕んでるのも忘れて。



 残された者たち、そう、君の最愛だった人は途方に暮れているよ。

 何で先に逝っちゃうんだよ!?

 抜け駆けはご法度だったろ?



 君が遺してくれたものはどれも掛け替えがなかったんだと、悲しみを伴って思い知る。

 でも、僕は君の分まで生きるなんて言えない。

 おこがましくて重過ぎるもの。


 君がやりたかったことに対してどれほど悔しかったか、愛した者に対してどんなにも悲しくて心残りだったか、少しずつでもわかりたいと思ってる。



 僕は死ぬまで君のことを忘れられないよ。

 刻んでくれた思いがあまりにも多すぎるから。



 僕は、いや、僕たちは君の人生の一ページになれただろうか?

 ほんの小さなしあわせを運べたのだろうか?


 もう君に訊くことは叶わないけれど、僕たちは強く信じたい。

 しあわせな時を過ごせていたと……。


 まだ気持ちの整理はついてない。

 でも、これだけは言わなくちゃ。

 今まで本当にありがとう。

 そして……さよなら、君。


ご拝読ありがとうございました。

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