ヤケド
言いたいことは多くないんですよね。よく三十話も続いたものだと思います。ここで三十話を区切りに終わりにしてしまってもよかったのですが、黙っていられない事案も後を絶たず、思い切りがつきませんでした。
独りが怖くて紛れ込んだ群れの中
結局は誰かに都合のいい捨て駒か
見てきたんだろ容易く返される掌
大事な話をするんだ俺の目を見な
痛みを知れば火傷したくないけど
ずっと諦めていれば痛くないけど
その手を伸ばさなきゃ掴めないぜ
お前だけのものだから比べないで
誰だってそりゃ怪我したくないが
あの夢の続きを目指したくないか
少しだけ賞味期限を過ぎたスープ
廃棄されるのがお決まりのルール
誰もが誰かの真似をして匙を投げ
お前が諦めたときこそが最後だぜ
誰かが投げ捨てた匙を拾い上げた
そして冷めたスープを一人食べた
乞食同然と後ろ指を差されながら
お前らが御託並べたタラレバなら
俺の人生にはそいつは不要だから
掴む未来はスターかな浮浪者かな
教祖は毎度ながら担がれてるけど
もう梯子ならば外されてるでしょ
気がついたときには蚊帳の外でさ
みんな嫌ってたんだよ腹の底では
逆らえませんでした仕返しが怖く
そんな言い訳をして見返りは貰う
偉そうな総理だって死んじまえば
小悪党を束ねていたチンピラでさ
言われんだよ本当は嫌だったって
ただ仕返しが怖いから従ったって
よく三十話も続いたものだと書きましたが、黙っていられない事案が後を絶たないとも書きました。本当にテーマ選びには毎回苦労するのですが、やっぱりその時の大きな事件が関係しますね。今回なら関電の資金還流。総理は常連。押韻は結構楽しんだというか、脚韻を踏みながらの「後ろ/指を」「並べた/タラレバ」には存分に遊び心が発揮されているかと。「怪我したくないが/目指したくないか」が最初に思いついて、夢をテーマにしようと思ったところに、何故か関電の資金還流問題が割って入りました。病気ですよね。