題未定
以前に同時並行で書いていた三本のボツネタを繋ぎ、続きを書いて作品っぽい体裁を整えました。なんでしょうねー。私には書けるときと書けないときがあるようで、今は書けない時期のど真ん中にいる感じです。
お伝えしましょう拝啓
お送りする映像は8K
自爆テロが頻発の背景
過激思想だなんて最低
これが敷かれたレール
超法規的措置のケース
誤爆の情報はフェイク
こちら正しさより敬具
睨み合う両者よ笑ってごらん五分だけ
それを分け隔てなく笑顔と呼ぶんだぜ
ある時計によれば世界終末まで二分前
愛しき人にアイラブユーと言うんだね
残された時間は少ない
憶えておこうつぶさに
君の何気ない振る舞い
TVのCMがうるさい
時代の先端はささくれ
君との思い出は甘くて
訳も知らず涙を流すね
草木も生えない砂漠で
かれこれ七十七年前のことであります
ラジオが伝える開戦に列島が沸き立つ
二年も経たずに学徒を死地へ駆りだす
消耗品と呼ばれて彼らは任務に旅立つ
帰って参りませんと家族に最後の挨拶
それは七十三年半前のことになります
ラジオはいよいよ一億玉砕を謳いだす
武器などなくとも兵隊ならば余りある
噂にあった新型ウラニウム爆弾の開発
今も追悼の尽きることのないあの八月
日華事変という記憶に埋もれた実体験
言った期限は守られたのかあの一回戦
政治家の話に天気予報
あんまり信じるのは止そう
保証なんてない空模様
徒労に終わる未来の予想
とても甘い汁だけを吸ってたい
少し甘いだけの汁を捨てたり
とにかく旨いもんだけ食ってたい
レンジで温めたはずのパスタが冷たい
どこかでは黒い雨が降ってたり
誰かが汚染された水に濡れたり
自分に降りかからないようにすればいい
自分に降りかからないようにクレバーに
自尊心を守るためだけに群れたり
虚栄心を繕う理由を付け足し
強く手を握っていてもはぐれたり
無害を装ってみてもあぶれたり
どうやらミスのない毎日なんて送れない
最近疲れすぎていてよく眠れない
アクセルを踏み込んでみても滑ったり
行くべき道が曲がりくねったり
それでもあの日見た未来に触れたい
値段や価値がなかろうと譲れない
直接示された民意に
問われる総理の認識
受け止めて参ります真摯に
また口先ばかりのインチキ
負担軽減のために寄り添いながら
そんなデタラメは懲り懲りだから
どうしようもない副総理
発言内容がまた不都合に
謝罪と撤回は心底不服そうに
繕う身なりに気取り被る帽子
地元には道路を造ります
貧しい子供がすすり泣く
僕らを誘導するのは緑の矢印
適当に調子を合わせてた相槌
みんなに配られた当たりくじ
金属の輪と鎖で繋がれた足首
一斉に逃げ出すための合図に
期待しながら気付かない振り
僕らはどこへ向かうのだろう
誰かから何かを奪うのはもう
やめにして一切合切を諦めて
汚職と不正の残した掃溜めで
放射性物質と一緒に笑おうか
汚染された島で何を語ろうか
いかがでしょう。まさにボツネタって感じですよね。ダメだなーとは思いつつも、何かを投稿してみることで状況を打破したいという心づもり。韻としては「真摯に/インチキ」「寄り添いながら/懲り懲りだから」がやりたかっただけです。後は惰性。それでも「副総理/不都合に」は言い得て妙といいますか、我ながら笑えるなと思ったり。そうなんです。頭にくることを笑っちゃおうという行き方が私の作品の肝にあるはずなんです。