エピローグ
「ねえ、お母さん」
「どうした?」
火星周辺のコロニー『セイギ』
ガードナーの関係者が多く居住している。
そのコロニーに住んでいる一人の少年が、妹とのテレビゲームを終え、使い方が分からず洗濯機とにらめっこしている母親に聞く。
「お母さんはお父さんとどうやって出会ったの?」
そういうのが気になるお年頃なのだろう。
少年は自分の母親に聞いた。
「気になるのか?」
「うん、気になる。だってお父さんとお母さんは軍人さんでしょ?」
少年からすれば、軍人として人々を守っている親が誇りなのだ。
「少し長くなるぞ?」
ようやく洗濯機との格闘を終え、母親が息子である少年の側へと来る。
「あ、お母さんにやけてる」
「知ってるー!そういうのってのろけっていうんだよね」
息子と娘に指摘されて母親は微笑んだ。
「そうだな……あれはもう今から十年以上前の話だ」
SC暦二百五十六年
世界は度々ぐらつきながら均衡を保ちつつ、ゆっくりと、平和に、穏やかに進んでいく。
「……そしてお前達が生まれた、これがお父さんとお母さんの出会いだ」
話を終えた母親は息子と娘にどうだったと感想を聞いた。
「「つまんなーい」」
二人揃ってあくびしながらの返答に、母親はそうかと言って立ち上がり台所へと向かった。
もうすぐ旦那が買い物から帰ってくる。
そう考えていると、玄関の方から扉の開く音がした。
「おかえり」
「ただいま」




