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タブラ・スマラグディーナ・Ⅷ



「──卑金属を貴金属に変えるがごとく、人間の魂を変成させる錬金術の奥義の「一切の不明瞭を消し去る」こと。つまり、自然のなかに隠され、それに触れたものを純化し、覚醒に導くという「賢者の石」の秘密を読み取るとこである。──すなわち、卑金属を貴金属に変成させるときにたどる「精妙なものを粗雑なものから分離する」ことは、そのまま、人間の魂を「大地から天へと」昇華させていく修道階梯であるというのだ。──そして、魂は「ひとつのものの若い衆によって」最終的に神聖なるものと合一するのだという」



 そう、言葉を紡ぐのはディー・ジョン。デヴァナガライを統治している錬金術師だ。

 彼女が紡いだ言葉は錬金術師の記憶に刻まれている、もうひとつの戒めだ。

 道を見失わないために世界の主が与えた戒めであり、精新統一をする時に引用される文でもある。



「おーい、ディー。お客さん〜」



 そう言いながら、部屋に入ってきたのは人工生命ホムンクルスのリィナカーナ。「お客さん?」とディーが聞き返す。



「タブラ・スマラグディーナ」



 告げられた名前にディーの方眉があがる。



「あの二人が?」

「ソロモンを一気に集めたいんだと」



 なるほどね、とディーは納得し、リィナカーナに案内するように伝えた。














 土地を統治する錬金術師が住む屋敷には人工生命を造るための部屋が必ずある。その部屋は「変換パリンする場所ゲネシス」と呼ばれているのだが、アーヴィガイヌとサルサディアが大きなウェイを使っても大丈夫と許可された「変換する場所」はふたりのために少し造りが違う。影響が出ない造りになっている。



「ソロモンを一気に集めたいから、ここに来たのはわかるけど、プリムム・モーベヴェンスでもよかったでしょうに」



 そう言うディー。

 マサク・マヴディルとプロトプラストゥス、最果ての地を除く、六つの大陸のひとつが──プリムム・モーベヴェンス。

 シヴァートマとデヴァナガライがある大陸──エウェストルムの隣にある大陸だ。

 


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