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ソロモン・Ⅱ
「サーディア、私が先に集めるから、そのあとでアンタね」
『了解』
彼女の提案にサルサディアは頷き、それを確認してから、アーヴィガイヌは双眸をゆっくりと閉じた。
「──「根源の世界」、「創造の世界」、「形成の世界」、「表現の世界」、「生命を吹き込まれた石」……〝ソロモン〟、この場所に集え」
紡ぎ出された言葉と共に空中に魔方陣が出現し、数分後──その魔方陣の上に石が現れだした。
魔方陣が消えると、石は静かに机の上に降りてくる。その数──九。それにディーから受け取ったのをいれて──十だ。
「よし、ちゃあんと、あいつの所にあるのも来たわね」
己のソロモンが無事に揃ったのを確認して、アーヴィガイヌはにんまりと笑う。
「えーと……「偉大なる者」、〝ソロモン〟よ……破壊の再生を再生の破壊にと」
言い終えた瞬間、ぱしんっという音が響いた。その言葉が解除の言葉だったので、ソロモンからは印章が消えていた。