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終始無音

自室。仰向け。読書。


一区切り。時計を見る

いつの間にか日付を跨いでいるのにもかかわらず、まだいくらかすることが残っている。

目薬を点す。滲む。

しばらく悶え、部屋の床でごろごろと。


自室。俯せ。読書。


目薬のせいなのか、

眠気のせいなのか、

目に何か入ったのか、

眼鏡が汚れているのか。

酷く視界がぼやけた。


心臓が、物理的に、酷く痛んだ。

しかし、心電図までとって 大丈夫 と言われたので目を瞑り、再び転がる。


だいぶ落ち着いてきた。と、同時に、目を背けていた様々な事象が雪崩込んできた。

一番は、彼女のことであった。


そういえば、メール無視しっ放しだ。などと思いつつ、携帯を壁に投げつけた。壊れているといいな。


明日、つまりは今日。塾がある。

当然塾に行けば顔を合わせるだろう。

嫌で仕方ない。


私は、何かの原因で、彼女がとても嫌いだ。

とてもとても嫌っていて、もはや生理的に受け付けない。

ただ、原因は、分からない。

漠然と、拒絶している。


他の事でもよくあることだ。

第一、塾には、そういった理由で会いたくない人が何人もいる。

今やストレスの塊だ。


塾、行きたくないな。てか、生きたくない。

どうせ、今死んでも、いつか死んでも、何も変わりやしない。

いや、変わることというと、私の死が与える、私が死後に与える影響が多少異なるだろう。

担任はそれなりのストレスを喰らうだろう。病むかもしれない。

親しき知人は、もしかしたら、悲しむかもしれない。どうでもいいものを失い、訳の分からない絶望を味わってくれればいいと思う。

そして、私が死ぬとしたら、学校なので、合唱祭はつぶれていいと思う。あと、まったく関係ない生徒も惨状に吐けばいいと思う。


と、ここまで回想して思い出す。

私は、担任に、呪いを掛けられたのであった。

「五年寿命が伸びる呪い」を。

それも、あたかも偶然を装い、授業の真っ只中で。

何てことをしやがる。


どうしたものか。

いっそ、家出でもしてやろうか。

幸い、タダで得られる寝床さえあれば生きていられるほどのお金はあるのだ。

未成年と言うのが惜しいが。


・・・・・・・・・・・・怠い。とてつもなく、怠い。

月曜日、騒ぎだけでも起こしてしまおうか……

それで、もしかしたら、私の気は済むかもしれない。


あるいは、「死んだ」といって、すべて清算したいな。

何もかも。 もう、この記憶はいらないよ。


……ま、この記憶もどこまでが事実なんだか…

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