序章 少女と猫とたまに鴉
ひっちゃかめっちゃかな世界
銀神月美
序章 少女と猫とたまに鴉
今朝は綺麗に晴れています。空には大きな太陽が燦々と輝いて、今日も熱線攻撃を仕掛けています。
視線を落とすと雲に包まれた廃墟群が相変わらず広がっています。所々光ったり、爆裂音が轟いたり……きっとあそこは雷なのでしょう。
「にゃう~」
足に何かの感触が。見ると黒いにゃんこが擦り寄っています。お腹でも空いたのでしょうか。
帰宅して朝食の支度。水瓶から水を汲んで、後は竈に火を入れます。とっても原始的な台所ですが、ガスとか電気とか勿論水道も、文明の利器なんてものはとっくの昔に失われております。
竈に鍋を掛けてスープを作ります。味付けは塩。味噌とか醤油とかその他諸々の調味料を作る技術は残念ながら私にはありません。
そんなこんなで朝食が出来ました。焼き魚とサラダとスープ。お米が食べたいです……。
にゃんこに魚をやってこちらもいただきます、と手を合わせた時に、
「かー」
不良鴉がやって来ました。この鴉、最近何処からともなく現れて、ここに居付くようになりました。にゃんこも迷い猫なのですが、鴉の方はただ好き勝手に飛び回っているだけで、何の可愛気もありません。
桟に止まってただいまとでも言っているのでしょうか。兎に角、ご飯を要求しないところを見ると、何処かで何かを食べてきたのでしょう。
鴉のことは放っておいて、さっさと朝食を片付けましょう。生きていくにはやることが山のようにあります。だから、食事にそこまで時間を掛けられません。
自分の猫舌に苦労しつつの朝食を終え、食器を洗って午前の農作業に向かいます。
文明が崩壊してもう数年が経ちます。どうしたものか私だけ――地球の裏側までは分かりませんが――ここにこうして残ることになったのでした。
祖父母の残してくれた時代遅れの畑が役に立つなんて、と皮肉めいたことをいつものように考えながら、畑の手入れをしていきます。無農薬で有機栽培とまるで体に良さそうな響きの栽培方法ですが、収穫量はほんのちょっぴり。それこそ一人に必要な分。
土と汗に塗れながらの農作業。祖父母の手伝いをしたことがある程度で、こんな風に生きる糧を得る為にするとは思いもよりませんでした。
適当なものを収穫して帰宅。その後は汚れた服を着替えて洗濯です。そしてその後は……。
こんな生活を始めてもう……何年が経つでしょうか。季節なんてとっくになくなってしまって、精々ちゃんと一日があるくらい。それも時間できちっと決められた訳ではありません。太陽が出てから沈むまで、それがこの世界の一日。夜の間は寝る時間。
さてさて、綺麗になった作業着を干して、洗濯は終了しました。この後はちょっと遅目のお昼ごはんを食べて、自由時間です。まあ、夕方にまた畑に行かないといけないのですけど。
お昼ごはんと言っても質素なもの。さつまいもを蒸したものと、ちょっとしたサラダとか……。塩味でいいのでおにぎりが食べたいです。
時代が時代ですので――今更に時代とは皮肉と言うか何と言うか――贅沢は出来ません。こんなことならお米の栽培方法を教えて貰っておけば良かったです。
後悔しても意味がありません。取り敢えず、お弁当を持ってお散歩です。行く場所は気の向くままです。
にゃんこを連れてのお散歩。不良鴉は……何処へ行ってしまったのでしょうか?
家のある小高い丘を下って、廃墟と化した街に入ります。朝は雲に隠れていましたが、今はすっかり晴れて大きな太陽を見ることが出来ます。
水溜まりを避けつつ雹を蹴りながら、通いなれた道を進んで行きます。そして辿り着いたのは……。
「ただいま」
旧我が家は相変わらず荒れ果てていました。玄関先には落ち葉とかが吹き溜まり、小さな庭は草が縦横無尽に伸び放題。そして家の壁には蔦が這っていたり、屋根にはタンポポが咲いていたり。
すっかり廃屋となった旧我が家を暫く眺めて、私は近くの公園へ向かいます。
錆だらけの遊具を横目に近くから拾って来たダンボールの上で昼食を食べます。これが晴れた日の私の日課。昔住んでいた家を外から眺めてから公園でお昼ごはんを食べる。以前は家に入って必要な物を探したのですが、今はなるべく入らないようにしています。何故って、床が抜けて大変な目に遭ったのですから。
にゃんことごはんを食べながら、まったりとした時間を過ごします。こうしていると昔と変わらない日々のように思いますが、あの頃とは全然違う日常になってしまいました。それこそまさに崩壊した世界に。
「にゃ~」
ごはんを食べ終わったにゃんこが甘えてきます。本当に愛い奴です。ぐるぐるうるさいですけど。
にゃんこがいなかったら、私は完全に独りきりになっていたでしょう。もしかしたら孤独に耐えかねて自ら命を……いや、それでも生きていたでしょうか。兎に角、にゃんこのお陰で、話し相手には困りません。不良鴉のことなんて忘れて、にゃんこと戯れます。
自分とにゃんこ以外誰もいない公園。以前は近所の子供がきゃっきゃしていたものだけど、今ではしんと静まり返っています。
どうしてこんなことになったのか、詳しいことは私にはよく分かりません。分かることといえば、私が家でお留守番をしていた時に何かが起きたということ。
真相を知りたくないと言えば嘘になるけれど、今は生活を維持するのに必死で余裕が無い――こうしてお散歩に出る時間はありますが。
さて、そろそろ帰りましょうか。
ぽつぽつ――
帰宅しようと思い立ったその時、雨粒の叩く音が。とは言っても、降るのでなくて下から昇って行きます。
他の人がいなくなってから、この世界の物理法則はおかしなものになりました。雨は縦横無尽に飛ぶようになりましたし、雲は地面付近にも出来るようになりました。幸いに野菜は畑で育てられますけど。
雨が止むまでの間、ダンボールの上で過ごさなくてはいけないようです。にゃんこを撫でながらそして雨が染み込んでこないか心配しながら大人しく待ちます。
上からの雨は地面に落ちて終わりますが、下からの雨はその後どうなるのでしょうか。そんなことを考えながらにゃんこを愛でます。
この世界は本当にどうかしてしまったと、以前からずっと思い続けています。自分以外の人間がいなくなったのもおかしなことですが、全く予期しないことが起こるようになったことはもっとおかしなことです。下からの雨なんて、その内重力とかで降ってくるのではと考えてしまいますが、どうやらそうではない様子。まさかそのまま宇宙空間に行ってしまうなんてことはないですよね。まあ、きっと何かあって巡り巡っているのでしょうけど……。知識が無いので分かりません。
今の暮らしにある程度適応したとはいえ、まだ驚かされることばかりです。この前なんて霧の中で魚が泳いでいました。凄く美味しかったです。
この辺りはあまり霧が出ないので、あいつを食べる機会はそう簡単には訪れません。美味でしたので非常に悲しいことです、とにゃんこと嘆いております時には、既に雨は止んでおりました。
折角のお散歩でしたのに……と感傷的になってはいけません。今の世界ではよくあることですから。兎に角、時間が大分過ぎたようで、太陽が西に傾こうとしております。ちょぴり急いで畑に向かいましょう。
夕立後の街を歩く私。雨だったとはいえ路面は濡れていません。来た時水溜まりだった所は乾いていて、蹴っていた雹も今はありません。
にゃんこと一緒に帰宅して、そのまま畑へ直行します。さて、お夕飯は何に……!?
不良鴉が熟れた野菜を食い散らかしていました。
それからは説教タイムです。私の大切な食料を食い漁るなんて、言語道断も甚だしい所業です。
「お腹が空いたからって畑に手を出すなんてっ! 大切な場所だって何度も言ったでしょ! それなのにどうしてあんなことするかな。ねえ、聞いてる?」
不良鴉は返事をしません。ちんまりと体を竦ませて私の説教を全身に受けています。
「聞いてるの?」
「……」
「聞いてるなら返事をしなさい!」
「……」
「返事は!?」
「にゃー」
……横槍が入りました。聞けばにゃんこはどうやらお腹を空かせていたそうです。改めて考えてみますと私もお昼から何も食べていません。どうりで説教の際中に虫の音が聞こえてくる訳です。
説教はこのくらいにして夕飯の支度をしましょう。勿論、畑を荒らした不良鴉の分は抜きです。とは言うものの、実のところ支度がとても面倒になってきました(不良鴉の所為)。ここは一つ調理をしなくてもいいような料理にしましょう。
「いただきます」
そして出来たのが丸々一個のキャベツ。にゃんこにはもうちょっとちゃんとしたものを上げてますが、にゃんこは私の夕食を見て明らかに心配しています。
私としては心外です。見た目のインパクトは測り知れないですが、味は問題ありません。軽く塩を振ればいいお味になります。下手に料理するよりも圧倒的に美味しいです。それに丸かじりが夢でしたし。
そんなことを呟きながらキャベツを食します。味は中々のものですが、予想以上に歯応えがあって、段々顎が疲れてきました。それに、最初は甘味を感じていたのですが、次第に苦味が目立つように。あれ、おかしいですね。こんなはずではなかったのに。
小さめのキャベツでしたが、食べ終えるまでにかなりの時間を要しました。確かに美味しかったのですが、その代わりに顎が痛くなりました。とほほ……。
さて、後は就寝するだけです。片付けやら寝支度やら整えて、灯りを消して床に入ります。
こうして一日が終わります。畑仕事をして、お散歩をしての生活。そう言うと単調な日々のように聞こえますが、私としては楽しい限りです。にゃんこもいますし、それと不良鴉もいますし。
さて、明日も早いです。
††††
早朝、目覚まし時計の音で目を覚ます。寝惚け眼を擦りながら階下に降りると、朝ご飯の匂いが漂ってきた。完全に覚醒する為に冷たい水で顔を洗う。鏡に映し出された私の顔はまだ眠たそうにしている。
何度かの洗顔で無理矢理に頭を起こして、今日という一日が始まるのだと自分に言い聞かせる。そして自室に戻って制服に腕を通す。
もうこの制服を着始めてから暫く経つけれど、どうも着慣れないというか、居心地が悪い。勿論、制服のデザインがなどの不満ではない。ただ、これを着ている自分が未だにちぐはぐだと感じるだけ。
「にゃーん」
頭から爪先まで念入りに整えていると、扉の向こうから猫の鳴き声が。どうやらご飯のお呼び出しだ。
「待って、今行くから」と猫に答えて、最終チェックを行い再び階下に降りる。食卓には既に朝食が並べられて、いつでもいただきますが出来る状態だった。
「もう、遅いじゃない」
母にそんなことを言われつつ、手を合わせて食べ始める。食卓には私しかいない。父は既に出勤して、母は弟と一緒に食べるのが常。
いや、よくよく考えると私だけでなかった。私に寄り添う形で猫が餌を食している。私の食事はいつもこいつと一緒だった。こいつがうちに迷い込んで来てから、どういう訳か私に懐いてこんな状態になっている。
無言で食事する私達は決して互いに干渉することなく、目の前の食糧を片付けた。
今日は綺麗に晴れている。雲に隠れることなく太陽が輝き、強い光線を放射している。
今日も暑くなりそうだ。翳して太陽を覗き見、私は深く息を吐いた。まだ朝の涼やかな空気に包まれているが、あと少しでも時間が経てば茹だるような暑さになって、やる気も何もかもが削がれてしまう。
平和な通学路を通って駅へ向かう。最寄り駅までの距離はさほど無いけれど、毎日で変化するその様は通い慣れていても飽きさせない。道行く人、付近に立つ家々、その全てが大きくそして微かに変わっていく。
気温の高くならない内にジョギングする人や朝の練習に向かう中学生と擦れ違いながら駅に辿り着く。こじんまりとした駅の改札を抜けてホームに立つ。
電車の到着まで少しの待ち時間がある。けれども、私は何をする訳でもなくて、ただ電車の到着を待つ。
ホームでは待ち時間に様々なことをしている人がいる。本を読む人、携帯電話を弄る人、友人達と屯する人達、構内の清掃や保全をする人。何をする訳でもなくと思っていたけれど、本当のところは、私は人間観察をしているのかもしれない。
そう考えた時にはアナウンスがあって、そのすぐに電車がホームに滑り込んでいた。
車内は乗客でいっぱいだった。けれども、人の数に反して中は静かだった。口を開いているのは友人と乗り込んだ生徒くらいで、それでもホームでの音量と比べれば静かだと言えるだろう。
つり革に掴まりながら、窓の外を眺める。車窓からは流れ行く田んぼしか見えない。他には何もないただの田園風景。この風景を見てテレビなどだと日本の原風景との言葉を使って保全を促しているけれど、毎日のように見ている私からすれば、それがどれほどに大切なものなのか実際のところいまいち分からない。
それでも、田んぼが潰されて住宅地になるのは何か寂しいものがあると考えている内に、電車は目的駅に着いた。朝なのに既に意気消沈している車内のどんよりとした空気が車外へ放出される。
纏わり付いてくる冷気を振り払いつつ、私は学校を目指して改札を後にした。
正直なところ、私にとって学校生活は退屈なものだった。授業は主体的とは程遠く、自分が何の為にここにいるのか偶に分からなくなる時がある。
朝のホームルームまでの時間、私は何もやる気が起きなくてただ外をぼんやり眺めていた。
こうして外を眺めていると、自分がどうしてここにいるのか疑問に感じる。自分で選択したはずなのに、改めて考えてみると答えなんて出て来ない。どうして態々監獄のような閉鎖空間にいるのだろうか。窓の向こうに広がる無限の空間の方が私は好きなのに。
憂鬱な考えをしている内に先生がやって来た。
私の学校生活はあまり起伏のない平坦なものだと思う。友達と馬鹿騒ぎする訳でもなく、教室の隅っこでたった一人読書をしている訳でもなく、適当に友人と会話して、適当に本を読んでいる。それこそ、小説とか映画とかに描かれているような学校生活とは、とても掛け離れているように思える。
欠伸を噛み殺しての授業。内容に付いて行けないのではなく、そしてその逆でもないのだが、先生の話は退屈で――先生によっては面白いけれども――羊を数えるよりも効果があるのはないかと考えている。その証拠に隣はまるで板書をノートに写しているかのような体勢で、船を漕がずに器用に寝ている。
PとQの怪しげな関係を聞いている内に授業終了のチャイムが。四時限目が終わり、昼休みになる。私は背伸びをしてお弁当を広げる。そうしていると友人達がわらわらとやって来て、適当に机を合わせて共に昼食を食べながらの雑談になる。
とは言うものの食事中の私は寡黙で、友人達が私の意志とは関係のないところで好き勝手に話をしている。
「そういえば、聞いた? 今朝の話」
「ああ、あれね。驚いたよねぇ~」
また私の与り知らぬところで話が進んでいく。
「本当、あんなことがあるんだね」
「だよねー」
何の話か知らないが、その出処が何かは見当が付く。でも、私はそれをよく知らない。いや、知らないことはないが、どうしてみんながそれを話題の拠り所にしているのかと考えると、全く理由が見えてこない。
適当に相槌を打って、会話を円滑に流れさせる。そうやって昼休みは終わりを告げる。
学校での日常はこのようなものだった。
帰宅部の私は授業が終わり次第すぐに帰宅する。友人の何人かは帰宅部だけれど、別段一緒に帰ることはない。その意味で私は淡白なのかもしれない。
帰りの電車は空いていた。夕方の怠惰な空気を満載して電車は線路を走る。
気怠い中で私は本を読んでいた。本好きと言う訳でもないけれど、電車の心地良い揺れと程よい疲れの所為で眠くなってしまうから。
流行りとは無関係の本を読みながら、私は静かに揺られている。友人にこの本を見られた時「そんな難しそうなやつを読むより、こっちの方が絶対いいよ」なんて言われたけれど、ぱらぱらと中身を見てどうしてこれが面白いのかさっぱりだった。
「――そういや、お前――な、――だろ?」
モーター音に遮られながら私の耳に声が届く。声の主は明らかにドア付近を占領している高校生だ。
無性に苛立ちが募る。そこに座っている老夫婦のように大人しく語らっている分には問題ないが、些か必要以上に声量が大きくないだろうか。そこまで声を張り上げなくとも掻き消される心配はないのに。
些細なことで気が散ってしまうのが私の悪い所なのだと痛感しているが、どうしてもこれは治らない。
気に留めないようにして寧ろ気になっていると、高校生は話題を変えたらしく、
「お前等、――見たよな? すげ――ったよな」
所々途切れて聞こえなかったが、会話の内容は何となく察した。きっと昼間に友人達が話していたことだろう。いや、そうに違いない。
そう確信していると降車駅到着のアナウンスが。私は読みかけの本をバッグにしまって降りる準備をした。
話によると、地域を問わず老若男女の全てが知っているらしい。そして知らない私は流行に遅れているとかその次元ではなくて、もはや社会を知らない所までに達しているようだ。この言葉は友人のものだが、言われて少しばかり反省した私が過去にはいた。けれども、その結果改善したのかといえば全然で、寧ろ懐疑を抱いたと言うのが本当のところだ。
元々他人の言うことを頭から信じない性格だから、当然の結末といえばその通りなのだが、だからといって友人の言葉は随分と誇張のように思えてならない。
茜に染まる街を抜けて、と凝った情景描写を考えながら、家に辿り着く。扉を開けようとした時、
「にゃう~?」
近くから猫の鳴き声が聞こえてきた。何かと思い庭の方を窺うと、うちの子が鴉と対面している。またかと思いつつ家の中に入った。
夕食、私は黙々と箸を進めていた。家族は歓談を嗜んでいるけれど、私の与り知らぬことばかりだから、話を振られても適当に相槌を打って返す。
何だか時間が経つほどに妙な違和感が積み上がっていく。その所為で自分一人が取り残されているような、そんな気分に満たされてしまっている。けれども、それが悪いことなのかといえばそうではないと思う。勿論、自分が絶対に正しいとは限らない。それは充分に分かっている。分かっているけど……。
「どうしてああなんでしょうね、みんな」
猫と戯れながら私は返事のない問い掛けをした。
勉学に励む子供らしく予習復習を終えて、今はお風呂上りの休息。本当なら本を読むなり音楽を聞くなり静かにしたいのだが、遊べと猫が要求してきたから仕方なくそれに応じるしかなかった。
今はすっかり疲れてしまったので――小さいからといって動物の体力を舐めてはいけない――猫と穏やかな時間を過ごして眠くなるのを待つつもりだ。
日頃の疑問を猫に吐露しても意味が無い。でも、声に出してみたら何か気付くかもしれない。そんな考えが私の中であった。とは言うものの、必ずしも解答なり手掛かりなりを得られるものではない。
「ふあぁ……」
肉球をふにふにしていると眠気が襲ってきた。そろそろ布団の中に入ろう。慌ただしくなる明朝の為に明日の準備を入念に行って床に就いた。
さて、明日も早い。
よくよく読んでみるとこのような作品は沢山ありますよね。例の作品とかあの作品とか、件の作品とか……。でも、にゃんこはいても鴉はいないと思います……そうなのかしら?