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虹色の電撃姫~いやだからオレは……~  作者: 芦田貴彦
第二部 ガンスリンガー
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茶髪翠目の少女との出会い 1

生徒会室での会議があってから二日後の日曜日。

朝から晴れやかな空で、夏が近づいてきているんだなと思わせる日差しが照りつけていた。



「さて、みんな集まったね。それじゃあさっそくはじめようか。でも、今日は日差しが強くて暑いから、こまめに休むことも忘れないでね。倒れられるとみんな……特に先生が困るから」

「おいおいっ……まあ、そうなんだがな。みんな、今日は募金の手伝いに来てくれて助かった。暑いとは思うが、よろしく頼む」

そんな中、生徒会役員とこの仕事を持ってきた先生の計九人は駅前の広場の端に集まっていた。


「……しっかし、ホンマに暑いな今日」

黒塚と先生が発言した後、紅汰がカッターの袖を肩まで捲った腕で日差しを遮りながら、雲一つない空を見上げた。

「もう夏だねぇ~」

歩美がのほほんと言う。すると歩美の車いすを押している山城が、無言で空を見上げる。

「そうだね。今年は夏が長いかもね。気を付けないと、ね?」


そう言って黒塚はオレのほうを見てきた。オレは先日勠也に言われた『黒塚が何かを隠している』という言葉が脳裏をよぎった。


……前の騒動の件もある。今度は一体なにを隠してやがるんだ……?


「な、なんだよ?」

「いやー」

すると黒塚は、警戒する素振りを見せるオレを……正式にはオレの首のあたりを指さした。


そして親指を立てる。




「その髪型、かわいいね!」

「っ!?」

オレはばっと、両手で首筋のあたりに揺れる髪を握った。



オレの髪型は今、ポニーテイルだった。



「ここ、これは! オレがしたくてやったんじゃないからな!! そのままにしておくと首が暑いなって楓に言ったら……」


『あ、じゃあ私と同じ髪型にしてみる? これなら簡単にできるし』


ということで、朝方楓にしてもらったのである。


「おおっ、それ! その反応だよフルミナ君!! そのツンデレっぷり、僕の心にビビッとくるよ!」

「マジで電撃浴びてみるかぁ!?」

オレは真っ赤になりながら吠えた。それに黒塚はあははと笑った。

「こんな街中で電撃飛ばしたら周りが大騒ぎするだろうねー」

「うぐっ……」

こういうところが、黒塚の憎らしいところだ。こちらが何もできないことを分かっててちょっかいを出すから……。


「ねぇねぇ、それよりも色々と髪型試してみない?」

「ちょ、寄ってくんなっ!」

なにかすごく興奮した様子で黒塚が迫ってきたので、オレは毛を逆立てて威嚇する猫のように黒塚に怒鳴った。実際に尻尾でも生えていたら逆立ってピンと伸びていたことだろう。


「その案、もらった!!」

「もらうなっ。てか、勝手に人の心を読むな!!」


心読むとか、こいつは一体何者なんだよ!?


何か突然、言いようもない嫌な予感を感じたオレは、ささっと体を隠すように腕を組んだ。

それに反応して、さらに近づいてくる黒塚。


変態だこの人!


だが……。




カッキーン!!



……次の瞬間には勢いよく地面を転がった。

そして案外近場で止まった。




……えーっと……?




「……内野ゴロでしたか」

「ホームラン性の音はしたんですけどね、ってちがーう!!」


なにやら黒光りするバットを、気持ちのいいくらい振った後の姿勢になっている水穂に、オレは思わず叫ぶ。


「あんたは人を殺すおつもりですかっ!」

「このようなことで会長が死ぬのなら、世界はもっと平和です」

「どんだけあいつが諸悪の根源なんだよ!!」

「それにこのバットでは死にませんよ」

「……どういうことです? まさか金属のように見えて、実はゴム製――」

「……こんなアルミ製のバットでは」

「思いっきり金属バットじゃねーか!!」


死ねる……それで殴られたら人は平気で死ねるのですよ?


水穂は手に持ったバットを眺めながら、なおも言う。

「少し軽すぎました。次はもう少し重い――」

「重い軽いの問題じゃなくて、使用用途自体が間違ってんだよ!!」

「……? ではいったい何に使うと――」

「ボールを打つためだ!!」

オレは心底頭を抱えた。


「……ん? 黒塚はどうした?」

と、そこで先生がオレたちの周りに黒塚が見当たらないことに気づき(出来ればあのすごい音に気付いてほしかったなー)、水穂に言った。それに水穂はいたく冷静に言った。

「会長ならあそこまで飛んでいきました」

「なんだ、またやったのか。懲りないやつだな」

「まったくです」

「君も、くれぐれも加減だけは考えなさいよ?」

「分かりました。注意します」



…………。



「…………なあ。……もしかして『この会話おかしくね?』って思ってるの、オレだけなのかな?」

「心配すんな。お前の考えは間違っちゃいない」

隣にいた勠也からありがたい返答が来た。


よかった、オレがおかしいわけじゃないんだな。

素直に喜んでいいのかは、非常に微妙なところだが……。



……ちなみに。



黒塚はものの数分でいつも通り動き始めました。




魔法だ、魔法のおかげに決まってるんだ、ふんっ。


ほのぼの(?)パートですね。


誤字、脱字、修正の指摘、感想をお待ちしています。

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