3話
ウェットティッシュでからあげ棒の油っけを念入りに拭き取る。
更に普通のティッシュで水分を拭き取る。
……触っても、いいよね。
ヨドバシカメラのレジ袋から恐る恐る箱を取り出す。
ゆ、指先震えちゃう。
ただのゲームなのに。
Switchの頃よりこじんまりとしているように思うその赤はめっちゃ正方形で思わず「おーーー」と言ってしまった。
とりあえず写真撮っとこう。
スマホを起動して左手のピースと共に写真を撮る。
誰に送るわけでもない写真がまたフォルダに1枚増えた。
ASMRをする配信者のごとく指でカチャカチャ表面を叩く。
……うん、箱だ。
そんなことはいい!
早く開封だ開封!
1番上にはすでにSwitch2様が鎮座なさっていた。
手早くお取り出しし起動する。
あぁっ、画面、綺麗っ。
明らかに私のスマホよりも解像度が高いわっ。
しかも充電が上からも下からもできるですと!
かー!最高じゃないですか!
Switchをお持ちの方は同期できる、とあったので興奮でそのボタンを選んだ。
特に考えもせず。
ゲームは壊滅的だがミーハーなのでちょいちょい遊んでいたカセット達が移植されていく。
これは、さては実は長期戦だな……。
全ダウンロードまで3時間と書かれたそれを見て、ようやく肩の力が抜ける。
まだ、まだ、私は出来ないのかっ。
でも同時に安心した。この興奮状態のままゲームをするのは勿体ないと思ってたから。
3時間後にはやっと住民になれるよ。
3時間が6時間にも12時間にも感じる。
その時間をどうやって過ごそうか……。
とりあえずお風呂に入って禊をしよう。
社会で汚れたこの毒を落としきらねば。




