学校
次は、30話目指して頑張ります!
友達にもう少し情景描写入れた方がいいといわれたので、頑張ります。
◈◈◈◈◈◈◈
その日も、その次の日も、私は魔法の練習を続けていた。 だって、楽しいから。
掌の上に浮かぶ小さな光が、昨日より少しだけ明るくなる。 それを見た瞬間、胸の奥がくすぐったくなった。
――うん、確かに、強くなってる。
「天花、時間よ。学校遅刻するよ!」
「ほんとだ!行ってきます!」
お姉ちゃんの声で、私は、慌てて家を出た。
教室につき、私は、机にランドセルを置いた。
ガラガラ、とドアが開く音。
振り向くと、理沙ちゃんが笑顔で立っていた。
「おはよう、天ちゃん!」
「おはよう、理沙ちゃん!」
二人で笑いながら、カバンを机の横に置く。 窓から差し込む朝の光が、机の上を照らしていた。
「今日はテスト返却かあ。どうだった?」
理沙ちゃんが聞いてきた。ああ、この間のテストか。
(天音がやりたいって言ってたけど、どうだったかな……)
「まあ、自信はない」
『私がやったから、満点に決まってる! 高校の数学までなら大体できるし!』
頭の中で、天音の声が響く。 “自信満々”という言葉をそのまま形にしたような声だった。
(まじで? すごっ……にしても、天音、性格変わったなあ)
私は思わず苦笑しながら、席に着いた。 天音は、心の中でドヤ顔をしている気がした。
◈◈◈◈◈◈◈
――キーンコーンカーンコーン。
チャイムが鳴り、放課後の時間になった。
ようやく帰れる。
「天ちゃん、一緒に帰ろ♪」
理沙ちゃんが笑顔で声をかけてくる。
私はランドセルにノートを詰めながら振り向いた。
「いいよ。ちょっと待ってね。」
荷物をまとめながら、私たちは話し始めた。
「テスト、どうだった? 私、九十点!」
「私は満点。」
「さすが天ちゃん! 天才だ!」
「いやいや、そんなことないって。」
そんな他愛ない話をしながら、校門を出る。
秋の風が、ふわりと髪を揺らした。
しばらく歩いたところで、理沙ちゃんがはっと顔を上げた。
「やば! 宿題忘れた! 今日多かったよね?
絶対間に合わない……ねえ、天ちゃん、一緒に取りに行ってくれない?」
(あ、たしかに今日の宿題多いんだった。)
「いいよ。早く行って帰ろう。」
『ほんとに大丈夫? スマホ持ってないから、お姉ちゃんに連絡できないよ。』
天音が心配そうに声をかけてくる。
でも私は、笑って肩をすくめた。
(大丈夫でしょ。ちょっとだけだよ、へーきへーき。)
そう答えて、理沙ちゃんと並んで歩き出した。
学校に着くと、私たちはすぐに教室へ向かった。
「ちょっと待っててね。机の中にあるはず……」
理沙ちゃんが机の中をのぞき込み、手を伸ばす。
その瞬間――
「あっ、あった!」
明るい声が響いたかと思うと、
理沙ちゃんの体が、ふっと揺らいで――そのまま空気に溶けた。
「……え?」
次の瞬間には、もう、そこにいなかった。
「理沙ちゃん!!」
叫ぶ声だけが、がらんとした教室に響く。
返事は、どこからも返ってこない。
『天花、気をつけて。ここ……私たちの“学校”じゃない。』
天音の声が、頭の中で冷たく響いた。
背筋がぞくりとする。
「……どういうこと? さっきまで、普通だったのに!」
私は急いで廊下を走り、校門へ向かう。
けれど――
ガチャガチャッ!
門はびくともしない。
鉄の冷たさが、掌にじかに伝わる。
「なんで!? さっきは開いてたのに!」
『……理沙ちゃんを、探しに行こう。』
天音の声が、静かに私を引き戻す。
私は息を荒げながら、首を振った。
「でも、どこに行ったかなんて――!」
『そうしないと、始まらない。』
冷たい声に、反論の言葉が喉で止まった。
天音の声は、いつになく真剣だった。
その響きに、私は胸の奥が少し痛くなる。
天音は本気で、私と理沙ちゃんを助けようとしてくれている。
――きっと、間違ってなんかいない。
「……ごめん。探しに行こう。」
『教室で、理沙ちゃんが消えた場所を中心に探して。』
うん、と頷き、私は廊下を駆け出した。
教室の扉を一つずつ開けていく。
カーテンが風に揺れ、誰もいない机がずらりと並ぶ。
時計の針が進むたびに、外の光が赤くなっていった。
――理沙ちゃんの姿は、どこにもなかった。
夕焼けが差し込む教室に戻り、私は窓の外を見つめた。
校庭が、オレンジ色に沈んでいく。
「……いなかったね。」
思わず声に出る。
静まり返った空気が、返事の代わりに響いた。
「疲れた……」
私はふと、近くにあった理沙ちゃんの椅子に腰を下ろした。
その瞬間――
『天花! そこは――!』
天音の叫びが、頭の中を貫いた。
けれど、息を吸う間もなく、視界がぐにゃりと歪む。
光も、音も、消えた。
気がつくと、私は知らない場所に立っていた。
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