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プロローグ
「復讐の力と、周りを守る力が欲しい。そのためなら…なんでもするから…」
小さな、小さな願いは、静かに燃える火種のように胸の奥で灯った。
やがてそれは大きくなり、彼女自身すら想像しなかった“運命”を動かしていく。
最初は弱かった。風に揺れる小枝みたいに。
それでも、倒れそうになりながら前に進んだ。
「みんなを守って、復讐をとげる。」
誓いを立て、天使になってもまだ弱くて――それでも、進むしかなかった。
「ねえ、行かないで…」
大切なものをいくつも失った。そのたびに胸が裂けそうで、世界が憎くなるほどだった。
だけど、そのたびに決意は強くなった。
「やっと…ここまで来た…。このために…いろんなものを失ったんだよ…!」
積み重ねた願いが、誓いが、ついにすべての元凶を打ち砕く。




